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30秒でわかるまとめ
- 介護のデイで、入浴介助加算の単価を見直す案が出ました厚生労働省が10月14日の分科会で示しました。物価高騰と人材確保の観点からの見直しです。
- 入浴介助加算(Ⅰ)は事業所の89.8%が算定しています調査では、物価高騰に対し報酬が少ないとの回答が57.2%でした。(Ⅱ)の算定は12.2%です。
- 急な送迎キャンセルは、送迎減算の対象外にする案です迎えに行ったのに利用者の都合で送迎がなくなった場合も、いまは減算になっています。
- ショートステイは、長期利用の減算と送迎加算を見直す案でした積雪期や農繁期など季節だけ使う人には、減算を適用しない仕組みも検討します。
厚生労働省は10月14日、社会保障審議会の介護給付費分科会で、2027年度の介護報酬改定に向けて通所介護(デイサービス)や短期入所生活介護(ショートステイ)などの論点と対応案を示した。デイサービスでは入浴介助加算の単価の見直しや、急な送迎キャンセルを送迎減算の対象から外す案が並んだ。デイサービスやショートステイで働く介護職に向けて、案の中身を整理する。
入浴介助加算の単価を見直す案
対応案は、昨今の水道光熱費などの物価高騰に加え、人材確保の観点から、入浴介助加算の単価設定を見直すことを検討するとした。資料が示した調査(速報値、1,301事業所)では、入浴介助加算の算定の課題として「水道光熱費等の物価高騰に対し報酬が少ない」が57.2%、「算定要件の負担に対し報酬が少ない」が53.7%だった。
上位区分の入浴介助加算(Ⅱ)は、利用者が自宅で入浴できるようになることを目的に、原則として医師などが利用者の自宅を訪問して浴室の環境などを評価する要件がある。対応案は、医師などの指示のもとで介護職員が自宅を訪問し、情報通信機器などで浴室の環境を把握する方法を、医師などの訪問が難しい場合に限らず認めることを検討するとした。
入浴介助の加算の単価が、上がるかもしれないんですね。
物価高騰と人材確保の観点から、単価設定を見直す案だったね。
いくら上がるかは、これからの議論で決まるということですね。
加算(Ⅰ)は89.8%が算定
資料の算定状況(2025年10月サービス提供分)では、デイサービスの入浴介助加算(Ⅰ)は89.8%の事業所が算定している。一方、上位区分の(Ⅱ)は12.2%にとどまる。
| 通所介護の加算・減算 | 算定事業所 | 算定率 |
|---|---|---|
| 入浴介助加算(Ⅰ)(40単位/日) | 21,842か所 | 89.8% |
| 入浴介助加算(Ⅱ)(55単位/日) | 2,959か所 | 12.2% |
| 送迎減算(片道▲47単位) | 19,283か所 | 79.3% |
| 同一建物減算(▲94単位/日) | 5,579か所 | 22.9% |
出典:厚生労働省 第270回社会保障審議会介護給付費分科会 資料1(介護給付費等実態統計(2025年11月審査分)などより老健局作成。算定率は事業所ベース。6月15日の分科会資料の再掲)
(Ⅱ)を算定していない理由(3,871事業所)は、「利用者の居宅を訪問し評価や助言等を行う医師等の確保・連携が困難」が78.2%で最も多かった。(Ⅱ)を算定している事業所で、実際に利用者宅を訪問している職種は介護福祉士が68.1%で最も多い。
入浴だけの短時間利用を例外的に
デイサービスでは、入浴だけを目的にした利用は本来の目的に照らして適当ではないとされてきた。対応案は、中山間地域などで入浴介助のサービス事業者がない地域であることなどを要件に、例外的に入浴介助を目的とするサービスを認めることを検討するとした。調査(1,555事業所)では、短時間で入浴だけを利用したいという相談がある事業所が46.8%だった。
今回示されたのは対応案で、単価や要件の具体的な数字は示されていない。
急な送迎キャンセルは減算の対象外に
デイサービスでは送迎の費用が基本報酬に含まれており、送迎をしなかった場合は送迎減算になる。資料によると、利用者の自宅に迎えに行ったものの、利用者の都合で家族が送ることになった場合のような送迎のキャンセルも減算の対象になっており、事業所には人件費や燃料費が通常どおりかかっている。
対応案は、迎えに行った際に起きるような「突発的な送迎のキャンセル」を、例外的な扱いとして送迎減算の対象から外すことを検討するとした。通所リハビリテーションも同様に検討する。
迎えに行ったのにキャンセルされても、減算になっていたんですね。
突発的なキャンセルは、送迎減算の対象から外す案だったね。
送迎減算を請求した事業所は、79.3%だったよ。
送迎を担う職員にとっても、むだ足の負担が評価されるかもしれません。
共同送迎は通学や買い物とも
送迎の職員の確保が難しいことを踏まえ、対応案は、他の法人や事業所と連携する共同送迎の扱いを明確にするとした。送迎したと認められる同乗の範囲を、いまの他の介護サービス事業所や障害福祉サービス事業所に加え、児童の通園・通学や地域の買い物支援との同乗にも広げることを検討する。あわせて、算定率の低い延長加算のうち12時間以上の区分を廃止する案も示された。
ショートは長期利用の減算を見直し
ショートステイ(短期入所生活介護)では、いまは連続して30日を超えて利用すると31日目から長期利用減算がかかる。対応案は、サービスの適正利用の観点から、この減算を61日以上連続の利用者と同程度(介護福祉施設サービス費)にするとした。一方で、積雪期・猛暑期・農繁期などの季節利用だけの利用者がいる地域では、例外的に減算を適用しない仕組みを検討する。
送迎については、燃料費や人件費の高騰を踏まえ、送迎に要するコストの実態に応じて送迎加算を見直すとした。デイサービスと同じように、共同送迎や共同委託の扱いも明確にする。
入浴も送迎も、現場の負担を報酬で見直す流れですね。
デイで働くなら、入浴や送迎の体制を事業所ごとに確かめたいです。
迷ったらここ
入浴と送迎の体制を聞く
デイサービスの仕事の負担は、入浴介助と送迎の体制で大きく変わります。応募先では次の点を聞いておくと比べやすくなります。
- 1日の入浴介助の人数と、担当する職員の数
- 入浴介助加算(Ⅰ)(Ⅱ)のどちらを算定しているか
- 送迎は専任のドライバーか、介護職が兼ねるか
- 送迎の範囲と、1便あたりの時間
編集部の見方:現場の手間が報酬に届くか
ここからは編集部の見方である。今回の案は、入浴介助の単価、急な送迎キャンセル、共同送迎と、デイサービスの現場で日々発生している手間や費用を報酬に反映しようとするものが多い。とくに送迎のキャンセルの扱いは、迎えに行った職員の時間がむだになっていたことへの対応で、現場の感覚に近い見直しといえる。
ただし、いずれも対応案の段階で、単価がどれだけ上がるかは示されていない。加算や減算の見直しが働く人の給料に届くかは、事業所の配り方による。入浴介助加算(Ⅱ)の訪問要件が緩めば、介護職が利用者宅を訪問して浴室を確かめる仕事が増える可能性もある。改定の全体の方向は介護報酬改定の視点案の記事で、介護の今年の賃上げの状況は介護の賃上げ率の記事で整理している。
出典
一次資料
- 厚生労働省「第270回社会保障審議会介護給付費分科会(web会議)資料」(2026年10月14日、2026年10月16日参照)。資料1「通所介護、地域密着型通所介護、認知症対応型通所介護」、資料4「短期入所生活介護」
編集部メモ
- 今回の資料は「対応案」で、分科会での議論を経て変わることがあります。単価の額や要件の細かな中身は示されていません。
- 算定状況の表は、6月15日の分科会(第258回)の資料を今回の資料に再び載せたもので、2025年10月のサービス提供分です。算定率は事業所ベースです。
- 入浴介助加算の課題(1,301事業所)と短時間入浴の相談(1,555事業所)は、令和8年度老人保健健康増進等事業の速報値です。(Ⅱ)を算定しない理由(3,871事業所)と訪問している職種は、令和7年度の同事業の報告書の数字です。
- 送迎減算の算定率は、送迎減算を1回以上請求した事業所の割合で、送迎をしない利用者がどれだけいるかを表すものではありません。

