30秒でわかるまとめ
- 給食の現場の管理栄養士は、38.8%が病院にいます令和6年度末に給食施設にいた管理栄養士77,723人のうち、病院は30,130人でした。次が老人福祉施設の17.5%です。
- 高齢者の3区分を合わせると、27.1%です介護老人保健施設・介護医療院・老人福祉施設の合計は21,057人です。学校と児童福祉施設は12.5%ずつでした。
- 管理栄養士を置く割合は、施設の種類で大きく違います管理栄養士のいる施設は病院で98.8%、介護老人保健施設で96.4%です。児童福祉施設は25.8%でした。
- 給食の外では、行政の常勤の管理栄養士が4,005人です保健所と市区町村の地域保健事業に関わる常勤職員で、「その他」を除くと保健師に次いで多い職種です。
※管理栄養士を置く場面を定める条文は管理栄養士の仕事内容、資格の違いは管理栄養士と栄養士の違いで扱っています。

まず資料:給食施設ごとに、管理栄養士の人数が報告されています
管理栄養士の資格が活かせる仕事のうち、国の統計で人数までわかるのは、給食施設と行政です。この記事は、その2つを数字で見ます。
給食施設は、厚生労働省「衛生行政報告例(令和6年度)」第3表-1を使います。都道府県・指定都市・中核市からの報告を集計した表で、数字は令和6年度末現在です。この表は2026年9月28日に訂正が出ており、本記事は訂正後の数字を使っています。
表の給食施設は「特定給食施設」と「その他の給食施設」の2つに分かれます。特定給食施設は一定の食数以上の施設で、その線は管理栄養士の仕事内容で扱っています。その他の給食施設は、こう定義されています。
「特定かつ多数の者に対して継続的に食事を供給する施設のうち、「特定給食施設」に該当しない施設をいう。」
出典:衛生行政報告例(令和6年度)用語の定義 2(2)(原文どおり。冒頭の根拠規定の部分は省略)
| 区分 | 施設数 | 管理栄養士数 | 栄養士数 |
|---|---|---|---|
| 総数 | 94,987施設 | 77,723人 | 64,006人 |
| 特定給食施設 | 50,860施設 | 57,435人 | 40,906人 |
| その他の給食施設 | 44,127施設 | 20,288人 | 23,100人 |
出典:衛生行政報告例(令和6年度)第3表-1
特定給食施設とその他の給食施設を足すと、施設数・管理栄養士数・栄養士数のどれも総数に一致します(編集部で検算)。

ここが本題:管理栄養士77,723人の38.8%が病院です
表は施設を13の種類に分けています(区分名は原文どおり)。管理栄養士の多い順です。
| 施設の種類 | 管理栄養士数 | 構成割合 | 施設数 |
|---|---|---|---|
| 病院 | 30,130人 | 38.8% | 7,930 |
| 老人福祉施設 | 13,634人 | 17.5% | 14,168 |
| 学校 | 9,699人 | 12.5% | 17,266 |
| 児童福祉施設 | 9,698人 | 12.5% | 30,599 |
| 介護老人保健施設 | 6,666人 | 8.6% | 3,754 |
| 社会福祉施設 | 2,361人 | 3.0% | 4,259 |
| 事業所 | 2,150人 | 2.8% | 7,600 |
| 介護医療院 | 757人 | 1.0% | 484 |
| 一般給食センター | 299人 | 0.4% | 325 |
| 寄宿舎 | 296人 | 0.4% | 1,560 |
| 自衛隊 | 212人 | 0.3% | 247 |
| 矯正施設 | 58人 | 0.1% | 132 |
| その他 | 1,763人 | 2.3% | 6,663 |
出典:衛生行政報告例(令和6年度)第3表-1(総数の行)。構成割合は編集部試算で、たとえば病院は 30,130 ÷ 77,723 × 100 = 38.8
13区分の管理栄養士数を足すと77,723人になり、総数と一致します(編集部で検算)。
給食の現場で働く管理栄養士の、ほぼ5人に2人が病院です。病院は施設数では7,930で8.3%しかありませんが、1施設あたりの管理栄養士は 30,130 ÷ 7,930 = 3.8人と、ほかの種類より多くなっています(編集部試算)。

高齢者の施設は27.1%、栄養士は児童福祉施設に多い
介護老人保健施設・介護医療院・老人福祉施設の3区分を合わせると、6,666+757+13,634=21,057人で、21,057 ÷ 77,723 × 100 = 27.1%です(編集部試算)。病院の38.8%と合わせると、給食の現場の管理栄養士の6割を超えます。
一方、施設数がいちばん多いのは児童福祉施設の30,599施設で、給食施設全体の32.2%を占めます。それでも管理栄養士は9,698人で12.5%です。
栄養士で見ると並びが変わります。栄養士64,006人のうち、児童福祉施設は23,149人で36.2%と最も多く、病院は12,477人で19.5%でした(23,149 ÷ 64,006 × 100、12,477 ÷ 64,006 × 100)。
管理栄養士は病院と高齢者の施設に、栄養士は児童福祉施設に多いという形です。表は児童福祉施設の中を保育所などに分けていません。
管理栄養士のいる施設の割合は、病院98.8%・児童福祉施設25.8%
表には「管理栄養士のみいる施設」と「管理栄養士・栄養士どちらもいる施設」の数があります。2つを足して「管理栄養士のいる施設」とし、施設数で割りました(編集部試算)。
| 施設の種類 | 施設数 | 管理栄養士のいる施設 | 割合 |
|---|---|---|---|
| 病院 | 7,930 | 7,837 | 98.8% |
| 介護老人保健施設 | 3,754 | 3,617 | 96.4% |
| 介護医療院 | 484 | 408 | 84.3% |
| 自衛隊 | 247 | 187 | 75.7% |
| 老人福祉施設 | 14,168 | 9,248 | 65.3% |
| 一般給食センター | 325 | 164 | 50.5% |
| 学校 | 17,266 | 7,850 | 45.5% |
| 社会福祉施設 | 4,259 | 1,827 | 42.9% |
| 矯正施設 | 132 | 49 | 37.1% |
| 児童福祉施設 | 30,599 | 7,905 | 25.8% |
| 事業所 | 7,600 | 1,626 | 21.4% |
| その他 | 6,663 | 1,356 | 20.4% |
| 寄宿舎 | 1,560 | 251 | 16.1% |
| 総数 | 94,987 | 42,325 | 44.6% |
出典:衛生行政報告例(令和6年度)第3表-1。たとえば病院は(2,553+5,284)÷ 7,930 × 100 = 98.8
病院と介護老人保健施設では、ほぼすべての給食施設に管理栄養士がいます。児童福祉施設は4施設に1施設ほどで、栄養士のみいる施設が12,492施設(40.8%)ありました。
管理栄養士も栄養士もいない施設は、全体で29,823施設(31.4%)です。事業所では4,824施設(63.5%)、寄宿舎では1,028施設(65.9%)でした。
同じ種類でも、特定給食施設のほうが割合は高めです
同じ種類の施設を、特定給食施設とその他の給食施設に分けて、管理栄養士のいる施設の割合を比べます(編集部試算)。
| 施設の種類 | 特定給食施設 | その他の給食施設 |
|---|---|---|
| 病院 | 99.7%(5,444/5,458) | 96.8%(2,393/2,472) |
| 老人福祉施設 | 91.8%(4,711/5,130) | 50.2%(4,537/9,038) |
| 学校 | 48.7%(7,455/15,310) | 20.2%(395/1,956) |
| 児童福祉施設 | 28.3%(4,090/14,436) | 23.6%(3,815/16,163) |
| 総数 | 53.6%(27,273/50,860) | 34.1%(15,052/44,127) |
出典:衛生行政報告例(令和6年度)第3表-1。かっこ内は 管理栄養士のいる施設/施設数
老人福祉施設は、特定給食施設なら9割を超え、その他の給食施設では半分ほどです。同じ「老人福祉施設」でも、食数の規模によって管理栄養士がいるかどうかの見込みが違います。
指定施設は2,663施設で、うち病院が1,622施設です
表には、特定給食施設のうち都道府県知事が指定する「指定施設」の再掲もあります。どんな施設が指定されるかは管理栄養士の仕事内容で扱っています。
| 指定施設 | 施設数 | 管理栄養士数 |
|---|---|---|
| 総数 | 2,663 | 14,340人 |
| 病院 | 1,622 | 12,995人 |
| 事業所 | 680 | 772人 |
| 一般給食センター | 98 | 155人 |
| 学校 | 85 | 127人 |
| 自衛隊 | 79 | 95人 |
出典:衛生行政報告例(令和6年度)第3表-1「指定施設(特定給食施設の再掲)」。施設数の多い5区分を抜き出した
指定施設の管理栄養士14,340人は、給食施設全体の77,723人の18.5%です。そのうち病院が12,995人で、1施設あたり 12,995 ÷ 1,622 = 8.0人です(編集部試算)。
指定施設のうち管理栄養士のいる施設は2,529施設(95.0%)でした。表の上では、栄養士のみいる施設が72、どちらもいない施設が62あります。理由は表に書かれていないため、本記事では推測しません。
給食の外:行政の常勤の管理栄養士は4,005人です
給食施設以外で国の数字があるのが、行政です。「令和6年度地域保健・健康増進事業報告」は、保健所及び市区町村の地域保健事業に関わる常勤職員を職種別に数えています。
| 区分(令和6年度末) | 管理栄養士(常勤) |
|---|---|
| 都道府県が設置する保健所 | 733人 |
| 政令市・特別区(設置する保健所を含む) | 890人 |
| 政令市・特別区以外の市町村 | 2,382人 |
| 総数 | 4,005人 |
出典:令和6年度地域保健・健康増進事業報告 地域保健編 表14・第26表。政令市・特別区の890人は第26表の指定都市・特別区、中核市、その他政令市の行を編集部で合算
3つを足すと4,005人で、総数と一致します。常勤職員では保健師29,411人が最も多く、「その他」を除くと、次が管理栄養士4,005人、その次が薬剤師3,370人です。栄養士は327人でした。
管理栄養士は令和4年度末3,939人、5年度末3,929人、6年度末4,005人と、4,000人前後で推移しています。行政の管理栄養士の6割近くは、政令市・特別区以外の市町村にいます(2,382 ÷ 4,005 × 100 = 59.5%、編集部試算)。
常勤だけの数で、給食施設の77,723人とは別の統計のため、足し合わせることはできません。
この記事が扱っていないこと
- 給与・年収。病院については病院の管理栄養士の年収で扱っています。
- 別の統計による病院・介護施設の人数。病院は病院の栄養指導の件数、介護施設は介護施設の栄養士の仕事内容で扱っています。数え方が違うため、本記事の数字とは一致しません。
- 常勤・非常勤の別、直接雇用か委託先の社員か。第3表-1は分けていません。
- 給食施設と行政以外の職場(食品・医薬品の企業、スポーツ、研究、クリニックの外来など)。国の統計で人数を取得していないため書いていません。
- 都道府県ごとの違いと、保育所・特別養護老人ホームなど区分の中の内訳。本記事は全国の13区分だけを使っています。
管理栄養士が職場を選ぶときに確認できること
- 管理栄養士が何人いるか。病院は1施設あたり3.8人、児童福祉施設は管理栄養士のいる施設が25.8%です。
- 栄養士と一緒に働くか。表は「管理栄養士のみ」と「どちらもいる」を分けています。
- 食数の規模。老人福祉施設で管理栄養士のいる割合は、特定給食施設91.8%、その他の給食施設50.2%でした。
- 給食を委託しているか。雇い主が施設か委託先かは、統計からはわかりません。
- 行政の求人なら、常勤か非常勤か。本記事の4,005人は常勤だけの数です。
よくある質問
Q. 管理栄養士の資格が活かせる仕事には、どんなものがありますか。
A. 国の統計で人数がわかる範囲では、病院・老人福祉施設・学校・児童福祉施設・介護老人保健施設などの給食施設と、保健所・市区町村の行政です。給食施設の区分は13あります。それ以外の職場の人数は、本記事では取得していません。
Q. 管理栄養士はどこで一番多く働いていますか。
A. 令和6年度末の給食施設では、管理栄養士77,723人のうち病院が30,130人(38.8%)で最も多く、老人福祉施設13,634人(17.5%)が続きます。
Q. 保育園で管理栄養士として働く人は多いですか。
A. 表は保育所を分けていません。保育所を含む児童福祉施設では、管理栄養士は9,698人(12.5%)で、管理栄養士のいる施設は25.8%です。栄養士は23,149人で、栄養士の中では最も多い区分です。
Q. 行政で働く管理栄養士はどのくらいいますか。
A. 令和6年度末の保健所及び市区町村の地域保健事業に関わる常勤職員で、管理栄養士は4,005人です。うち2,382人が政令市・特別区以外の市町村です。
Q. どの職場が管理栄養士におすすめですか。
A. 本記事は判断していません。管理栄養士の人数、栄養士との構成、食数の規模、委託の有無など、職場ごとに確認できる点を上に挙げています。
迷ったらここ
管理栄養士が働く場所を国の数字で
令和6年度末に給食施設にいた管理栄養士77,723人のうち、病院は38.8%でした。管理栄養士のいる施設の割合は病院98.8%、児童福祉施設25.8%と、施設の種類で大きく違います(編集部試算)。
- 管理栄養士が何人いるか(病院は1施設あたり3.8人)
- 栄養士と一緒に働くか、管理栄養士だけの職場か
- 食数の規模と、給食を委託しているか
まとめ
管理栄養士の資格が活かせる仕事のうち、国の統計で人数がわかるのは給食施設と行政です。
令和6年度末の給食施設の管理栄養士77,723人のうち、病院が38.8%、老人福祉施設が17.5%でした。介護老人保健施設・介護医療院を合わせた高齢者の3区分は27.1%です。栄養士は児童福祉施設が36.2%で最も多くなっています。
管理栄養士のいる施設の割合は、病院98.8%・介護老人保健施設96.4%に対し、児童福祉施設25.8%・事業所21.4%です。給食の外では、行政の常勤の管理栄養士が4,005人います。どの職場がよいかは、この数字からは決まりません。

