30秒でわかるまとめ
- 准看護師の平均年収は427.5万円です厚生労働省の令和7年調査で、准看護師の月給303,200円と賞与636,800円から算出した金額です
- 看護師との差は年齢を揃えると逆に広がります全体の差は97.2万円ですが、同年齢同士なら95.4万〜146.8万円まで差が開きます
- 20〜30代の准看護師はいま希少な存在です准看護師は55歳以上が45.6%を占め、20代はわずか6.3%しかいない高齢化した職種です
- 事業所が大きくても、差は看護師ほど開きません規模による差は43.7万円。看護師の100.1万円と比べると半分以下にとどまります

まず結論:准看護師の平均年収は427.5万円
厚生労働省の賃金構造基本統計調査(令和7年調査、2026年3月24日公表)から、「准看護師」の数値を直接抜き出しました。
| 項目 | 准看護師 | (参考)看護師 |
|---|---|---|
| 平均年齢 | 51.8歳 | 42.1歳 |
| 平均勤続年数 | 13.6年 | 9.8年 |
| 所定内実労働時間数 | 159時間/月 | 156時間/月 |
| 超過実労働時間数 | 4時間/月 | 6時間/月 |
| きまって支給する現金給与額 | 303,200円 | 365,900円 |
| 所定内給与額 | 279,400円 | 333,200円 |
| 年間賞与その他特別給与額 | 636,800円 | 856,400円 |
| 労働者数 | 122,920人 | 903,060人 |
| 推計年収(編集部試算) | 427.5万円 | 524.7万円 |
出典:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」(職種)第1表 職種(小分類)、性別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)/企業規模計(10人以上)/男女計
推計年収の計算式:303,200円 × 12か月 + 636,800円 = 4,275,200円
ここは正確に書いておきます。賃金構造基本統計調査は「年収」を直接公表していません。公表されているのは月額の給与と年間賞与です。上の427.5万円は、月額を12倍して賞与を足した編集部の試算値です。他サイトで見る「准看護師の年収」もほぼすべて同じ計算によるもので、統計そのものに載っている数字ではありません。
もう1点。「きまって支給する現金給与額」には残業代(超過労働給与額)が含まれます。残業を含まない金額が「所定内給与額」279,400円です。

同じ統計には助産師の数字も載っており、看護師よりさらに高い水準にあります。事業所の規模と月給の関係が看護師と逆になっている点も含めて、助産師の年収566.7万円|看護師より42.0万円高く、規模が小さいほど月給は上がりますで扱っています。
比較に使った看護師の524.7万円を、年齢・経験年数・男女に分けて読んだ内容は看護師の平均年収は524.7万円|30代前半で一度下がり、山は50代前半の577.7万円ですで扱っています。
ここが本題:97.2万円の差は「年齢のせい」ではありません
准看護師と看護師の平均年収の差は97.2万円。ここで多くの記事は話を終えますが、この数字には読み違えやすい罠があります。
准看護師の平均年齢は51.8歳。看護師は42.1歳。准看護師のほうが9.7歳も年上です。一般に賃金は年齢とともに上がりますから、素直に考えればこうなります——「年上の集団と年下の集団を比べて97.2万円差なら、同じ年齢で比べたら差はもっと小さいはずだ」。
実際に確かめました。結果は逆でした。
| 年齢階級 | 准看護師 | 看護師 | 差 | 准看護師の人数 |
|---|---|---|---|---|
| 20〜24歳 | 344.7万円 | 440.1万円 | 95.4万円 | 2,800人 |
| 25〜29歳 | 379.6万円 | 501.5万円 | 121.9万円 | 4,920人 |
| 30〜34歳 | 389.6万円 | 490.5万円 | 100.9万円 | 4,020人 |
| 35〜39歳 | 394.7万円 | 518.9万円 | 124.2万円 | 7,360人 |
| 40〜44歳 | 425.3万円 | 548.4万円 | 123.0万円 | 12,970人 |
| 45〜49歳 | 447.4万円 | 561.2万円 | 113.8万円 | 16,570人 |
| 50〜54歳 | 430.9万円 | 577.7万円 | 146.8万円 | 18,240人 |
| 55〜59歳 | 474.0万円 | 573.5万円 | 99.6万円 | 24,240人 |
| 60〜64歳 | 436.9万円 | 502.9万円 | 66.0万円 | 19,790人 |
| 65〜69歳 | 366.8万円 | 424.1万円 | 57.2万円 | 9,060人 |
出典:同調査(職種)第5表 職種(小分類)、年齢階級別/企業規模計(10人以上)/男女計(19歳以下は該当者なし)。年収はすべて同じ式で試算
20〜59歳のすべての階級で、差は95.4万円を下回りません。最大は50〜54歳の146.8万円。全体の差97.2万円より、同年齢で比べたときの差のほうが大きいのです。
なぜこうなるのか。准看護師の集団は年齢が高い側に偏っています。年齢が高い人ほど賃金は高いので、准看護師の平均年収427.5万円は「高年齢層に引き上げられた数字」です。その下駄を外して同年齢で比べると、本来の差が現れます。
つまり、あなたが30代の准看護師なら、比べるべきは「427.5万円対524.7万円」ではありません。「389.6万円対490.5万円」あるいは「394.7万円対518.9万円」です。差は100万円を超えます。
差が小さくなるのは60歳以降(66.0万円、57.2万円)だけです。これは看護師側が定年後の再雇用などで大きく下がるためで、准看護師の条件が良くなるわけではありません。

これから目指す場合は、入口の条件のほうが先に効いてきます。修業年限2年以上という下限と、別表四の合計1,890時間という中身は准看護師になるには|入学は中学卒業から、教育は1,890時間で扱っています。
准看護師は「高齢化した職種」です
年収を考える前提として、この職種の人員構成を知っておく必要があります。
| 区分 | 准看護師 | 看護師 |
|---|---|---|
| 20代の人数 | 7,720人(6.3%) | 223,260人(24.7%) |
| 55歳以上の人数 | 56,040人(45.6%) | 158,640人(17.6%) |
| 平均年齢 | 51.8歳 | 42.1歳 |
| 労働者数の合計 | 122,920人 | 903,060人 |
出典:同調査 第5表の労働者数より編集部算出(准看護師122,920人・看護師903,060人をそれぞれ母数とした構成比)
准看護師の45.6%が55歳以上です。看護師の17.6%と比べると、偏りは明らかです。逆に20代は6.3%しかいません。
この統計上、看護職全体(准看護師+看護師=1,025,980人)に占める准看護師の割合は12.0%。およそ8人に1人という計算になります。
この年齢構成は、求人市場での立ち位置にも関わります。若い准看護師が少ないという事実は、裏を返せば20代・30代の准看護師は職場の中で希少だということでもあります。
働き方の形も見ておくと、短時間で働く准看護師の1時間当たり所定内給与額は1,624円で、診療所の准看護師は1人あたり常勤0.80人分の時間で働いている計算です。クリニック看護師のパート|統計に診療所だけの時給はなく、看護師1人は平均で常勤0.74人分ですで扱っています。
勤続年数は准看護師のほうが3.8年長い
見落とされやすい数字があります。平均勤続年数です。
- 准看護師:13.6年
- 看護師:9.8年
准看護師のほうが3.8年長く同じ職場に勤めています。それでいて年収は低い。「長く勤めれば報われる」という前提が、この職種では成り立ちにくいことを示しています。
賞与の水準にもそれが表れています。年間賞与を所定内給与額で割ると——
- 准看護師:636,800円 ÷ 279,400円 = 2.28か月分
- 看護師:856,400円 ÷ 333,200円 = 2.57か月分
基本となる給与が低いうえに、その何か月分が支給されるかという倍率でも差がついています。差が二重にかかる構造です。
一方で、労働時間は准看護師のほうが穏やかです。超過実労働時間は月4時間で、看護師の6時間より短い。所定内実労働時間は159時間と看護師(156時間)より3時間長いものの、残業の少なさは准看護師側の条件として数字に出ています。
資格を変える道の一つが、看護師の課程への進学です。通信制を含めた入学の条件と修業年限は准看護師から通信制で看護師へ|入学の条件は、免許を得た後5年以上の業務ですで扱っています。
大きい病院に移っても、准看護師の年収は上がりにくい
「規模の大きい職場に移れば給与が上がる」という話をよく聞きます。准看護師の場合、この効果は限定的です。
| 企業規模 | 准看護師の推計年収 | 労働者数 |
|---|---|---|
| 1,000人以上 | 457.4万円 | 10,820人 |
| 100〜999人 | 431.3万円 | 69,690人 |
| 10〜99人 | 413.7万円 | 42,410人 |
| 規模による差 | 43.7万円 | (看護師は100.1万円) |
出典:同調査(職種)第1表/男女計 各規模列
准看護師の規模差は43.7万円。同じ計算で看護師は100.1万円です。看護師が規模を上げて得られる伸びの、半分以下しかありません。
背景には職務範囲の制度的な違いがあると考えられます。保健師助産師看護師法では、看護師(第5条)が療養上の世話・診療の補助を業とするのに対し、准看護師(第6条)は医師、歯科医師または看護師の指示を受けてそれを行う者と定義されています。免許を出す主体も、看護師が厚生労働大臣、准看護師が都道府県知事と異なります。
大規模病院ほど看護師の配置が手厚く、准看護師に配分される役割や手当が限られる——数字はその可能性を示していますが、この因果関係そのものを示す公的統計はありません。ここは推測であることを明記しておきます。確実に言えるのは「規模を上げても准看護師の伸びは看護師の半分以下」という結果だけです。
この法律上の違いだけを取り出して読んだものが准看護師と正看護師の違い|法律が分けているのは「指示を受けて」の1点ですです。免許を出す主体や就業者数の比率も、そちらで扱っています。
同じ調査で保健師の年齢階級別の動きを見ると、准看護師とは違う形が出ます。20代後半でいったん上がったあと30代前半で下がる点は保健師の年収は一直線に上がりません|30代前半で9,300円下がりますで扱っています。
勤務先を病院から診療所に変えると、参照できる統計そのものが変わります。医療経済実態調査で一般診療所の看護職員を見た場合の金額と、開設者による差はクリニック看護師の年収|開設者で38.4万円変わりますで扱っています。調査が違うため、この記事の金額と直接の引き算はできません。
年収を上げるために、確認できること
1. 比べる相手を「同年齢の数字」にする
求人票を見るとき、全体平均427.5万円と比べても意味が薄いことは前述の通りです。自分の年齢階級の数字と比べてください。30代前半なら389.6万円、40代前半なら425.3万円が基準になります。
2. 所定内給与額と残業代を分けて見る
提示された「月給30万円」が残業代込みかどうかで意味は変わります。統計上の所定内給与額は279,400円です。准看護師の平均残業は月4時間と少ないため、残業代を当てにした収入設計は成り立ちにくいことも押さえておいてください。
3. 賞与の月数を確認する
年間賞与636,800円は所定内給与額の2.28か月分にあたります。これを下回る条件なら、平均より低い水準です。
4. 規模より職域を見る
規模による差は43.7万円にとどまります。准看護師が働く場は病院、クリニック、介護老人保健施設、特別養護老人ホーム、訪問看護、健診センターなど幅があります。規模を上げるより、職域を変えるほうが条件は動く可能性があります。ただし職域別の年収を示す全国統計はこの調査にはありません。求人票で個別に比べる必要があります。
5. 看護師資格の取得を「金額」で検討する
同年齢で95.4万〜146.8万円の差があるということは、資格を変えた場合の期待差もその水準にあるということです。准看護師には看護師養成課程(2年課程)へ進む道があり、通信制を含む複数の履修形態があります。ただし在学中の収入減や学費と、取得後の差額を並べて判断する必要があります。本記事の年齢別表は、その判断材料として使ってください。
これから准看護師を目指す場合の試験については、実施者と科目を条文から整理しています。准看護師試験の難易度|国家試験ではなく、都道府県知事が行う試験ですで扱っています。
よくある質問
Q. 准看護師と看護師で、実際どれくらい年収が違いますか?
A. 全体平均では97.2万円(427.5万円対524.7万円)ですが、同じ年齢階級で比べると95.4万〜146.8万円とむしろ差は広がります。全体平均の差が小さく見えるのは、准看護師の平均年齢が9.7歳高いためです。ご自身の年齢階級の数字で比べてください。
Q. 准看護師の年収は年齢とともに上がりますか?
A. 上がりますが、伸びは緩やかです。20〜24歳344.7万円から55〜59歳の474.0万円がピークで、その間の増加は約129万円です。しかも一本調子ではなく、50〜54歳(430.9万円)は45〜49歳(447.4万円)を下回ります。なおこれは各年齢階級の人を同時点で比べた横断データであり、特定の個人の給与推移を追跡した数字ではありません。
Q. なぜ他のサイトと数字が違うのですか?
A. 主な理由は3つです。(1) 参照している調査年が古い(本記事は令和7年調査・2026年3月24日公表の最新値を使用)、(2) 推計年収の計算式が違う(賞与を含めない、月額を12倍しないなど)、(3) 企業規模の区分が違う(10人以上か、100人以上かなど)。本記事は企業規模計(10人以上)・男女計・産業計の数値を使い、計算式も明記しています。
迷ったらここ
求人票の金額は、全体平均ではなく自分の年齢階級と突き合わせる
全体平均の差は97.2万円ですが、年齢を揃えると差は95.4万〜146.8万円に広がります。比べる相手を間違えると、提示された条件が高いのか低いのかを判断できません。
- 提示額は自分の年齢階級の推計年収を上回るか(30代前半なら389.6万円が基準)
- 月給に残業代が含まれているか(統計上の所定内給与額は279,400円)
- 賞与は所定内給与の何か月分か(准看護師の統計値は2.28か月分)
まとめ
- 准看護師の平均年収は427.5万円(令和7年賃金構造基本統計調査・編集部試算)。月額303,200円+年間賞与636,800円
- 看護師との差は全体で97.2万円。ただし年齢を揃えると差は95.4万〜146.8万円に広がる。全体の差は准看護師の年齢が高い分だけ小さく見えている
- 准看護師は55歳以上が45.6%、20代は6.3%。看護職全体に占める割合は12.0%
- 勤続年数は准看護師のほうが3.8年長い。それでも年収は低く、賞与も2.28か月分対2.57か月分で差がある
- 企業規模による差は43.7万円で、看護師の100.1万円の半分以下。規模を上げても伸びにくい
- 残業は月4時間と少なく、看護師(6時間)より穏やか
准看護師の年収を判断するなら、全体平均ではなく年齢階級の数字を使ってください。この記事の表は、目の前の求人票が同年代の平均より上か下かを見分けるための物差しです。

