30秒でわかるまとめ
- 助産師の平均年収は566.7万円です令和7年賃金構造基本統計調査をもとに、月給389,900円を12倍し年間賞与988,200円を足した編集部試算です
- 助産師の統計に「男」の欄はありません保健師助産師看護師法第3条が助産師を女子と定めているため、男女計と女の数値が完全に一致しています
- 看護師より42.0万円年収が高くなっています推計年収は看護師524.7万円、准看護師427.5万円に対し、助産師は566.7万円という差です
- 事業所の規模と月給の関係は看護師と逆転しています助産師は10〜99人の事業所が月給402,600円で最も高く、1,000人以上より25,800円高い水準です
※助産師になる過程そのもの(学校・受験資格)はこの記事では扱いません。同じ「看護師国家試験とセットで通す」構造の職種として、保健師になるには国家試験を2つ通す必要がありますを参照してください。准看護師との年収比較は准看護師の年収427.5万円と看護師の差は年齢のせいではないで扱っています。

まず全体:566.7万円がどう組み立てられているか
| 項目 | 助産師 |
|---|---|
| 平均年齢 | 41.2歳 |
| 平均勤続年数 | 9.3年 |
| 所定内実労働時間数 | 158時間/月 |
| 超過実労働時間数 | 6時間/月 |
| きまって支給する現金給与額 | 389,900円 |
| 所定内給与額 | 343,900円 |
| 年間賞与その他特別給与額 | 988,200円 |
| 労働者数 | 20,410人 |
| 推計年収(編集部試算) | 566.7万円 |
出典:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」(職種)第1表/企業規模計(10人以上)/男女計/産業計
推計年収の計算式:389,900円 × 12か月 + 988,200円 = 5,667,000円
先に断っておきます。この調査は「年収」を直接公表していません。公表されているのは月額の給与と年間賞与で、566.7万円は月額を12倍して賞与を足した編集部の試算です。
きまって支給する現金給与額389,900円と所定内給与額343,900円の差は46,000円あります。所定内給与額に含まれない手当(夜勤手当・分娩手当・オンコール手当など)が月給の1割強を占めている計算になります。ただしこの統計は手当の内訳を公表していないため、どの手当がいくらなのかは特定できません。本記事では「差が46,000円ある」という事実だけを書いています。
賞与988,200円は所定内給与額の2.87か月分です。

看護師・准看護師・保健師と並べる
| 職種 | きまって支給 | 年間賞与 | 推計年収 | 助産師との差 |
|---|---|---|---|---|
| 助産師 | 389,900円 | 988,200円 | 566.7万円 | — |
| 保健師 | 361,000円 | 1,181,800円 | 551.4万円 | −15.3万円 |
| 看護師 | 365,900円 | 856,400円 | 524.7万円 | −42.0万円 |
| 准看護師 | 303,200円 | 636,800円 | 427.5万円 | −139.2万円 |
出典:同調査(職種)第1表/企業規模計(10人以上)/男女計。推計年収はいずれも編集部試算
4職種のなかで助産師がいちばん高い。看護師との月給差は24,000円です。
ただしこの統計から「助産師の資格を取ると24,000円上がる」とは読めません。調査は同じ人の資格取得前後を追いかけたものではなく、別々の集団を横に並べた数字です。勤務先の種類も年齢構成も違います。差の理由をこの統計だけで特定することはできません。

看護師の年収が30代前半で一度下がり、50〜54歳の577.7万円が山になる形は、看護師の平均年収は524.7万円|30代前半で一度下がり、山は50代前半の577.7万円ですで扱っています。
この統計には「男」の欄がありません
賃金構造基本統計調査は職種ごとに男女計・男・女の3つを出します。助産師はこうなっています。
| 区分 | きまって支給する現金給与額 | 労働者数 |
|---|---|---|
| 男女計 | 389,900円 | 20,410人 |
| 男 | -(該当なし) | -(該当なし) |
| 女 | 389,900円 | 20,410人 |
出典:同調査(職種)第1表/企業規模計(10人以上)。男の行はすべて「-」
男女計と女が1円まで同じで、男の行が空です。理由は法律にあります。
保健師助産師看護師法 第3条「この法律において『助産師』とは、厚生労働大臣の免許を受けて、助産又は妊婦、じよく婦若しくは新生児の保健指導を行うことを業とする女子をいう。」
保健師(第2条)も看護師(第5条)も「者」と書かれているなかで、助産師だけが「女子」と定義されています。日本で男性が助産師の免許を取ることはできません。
この記事で男女差の話をしないのは、書き落としではなく比較対象が制度上存在しないためです。年収を職種間で比べるとき、他の職種では「男女比の違いが平均を動かしている可能性」を疑う必要がありますが、助産師についてはその疑いを立てる余地がありません。566.7万円は、女性だけの集団の平均です。
真ん中は32万8,700円。分布に山が2つあります
| 位置 | 所定内給与額 | 意味 |
|---|---|---|
| 第1・十分位数 | 256,500円 | 下から10%がこの額以下 |
| 第1・四分位数 | 294,000円 | 下から25%がこの額以下 |
| 中位数(中央値) | 328,700円 | ちょうど真ん中 |
| (参考)平均値 | 343,900円 | 全員の合計を人数で割った額 |
| 第3・四分位数 | 393,700円 | 上から25%がこの額以上 |
| 第9・十分位数 | 448,000円 | 上から10%がこの額以上 |
出典:同調査(職種)第17-1表 職種(小分類)、所定内給与額階級別労働者数及び所定内給与額の分布特性値/企業規模計(10人以上)/男女計。平均値は第1表の所定内給与額
平均343,900円に対して中位数は328,700円。平均のほうが15,200円高いので、平均は上に引っ張られています。真ん中の半数は294,000円〜393,700円の99,700円の幅に入ります。
金額の帯ごとの人数を出しました。
| 所定内給与額 | 人数 | 割合 | 累積 |
|---|---|---|---|
| 20万〜21万9,999円 | 110人 | 0.5% | 0.5% |
| 22万〜23万9,999円 | 1,020人 | 5.0% | 5.5% |
| 24万〜25万9,999円 | 1,130人 | 5.5% | 11.1% |
| 26万〜27万9,999円 | 1,350人 | 6.6% | 17.7% |
| 28万〜29万9,999円 | 3,030人 | 14.8% | 32.5% |
| 30万〜31万9,999円 | 2,640人 | 12.9% | 45.5% |
| 32万〜33万9,999円 | 1,960人 | 9.6% | 55.1% |
| 34万〜35万9,999円 | 2,590人 | 12.7% | 67.8% |
| 36万〜37万9,999円 | 980人 | 4.8% | 72.6% |
| 38万〜39万9,999円 | 750人 | 3.7% | 76.2% |
| 40万〜44万9,999円 | 2,940人 | 14.4% | 90.6% |
| 45万〜49万9,999円 | 1,090人 | 5.3% | 96.0% |
| 50万〜54万9,999円 | 650人 | 3.2% | 99.2% |
| 60万〜69万9,999円 | 190人 | 0.9% | 100.1% |
出典:同調査 第17-1表より編集部が集計(原単位は「十人」。人数に換算)。累積が100.1%になるのは原表の丸めによるものです。原表は各階級を十人単位で丸めているため階級の合計が2,043十人となり、公表されている総数2,041十人と2十人(20人)ずれます。割合は公表値の総数20,410人を母数にしています。55万〜59万9,999円の階級は0人でした
読み取れることが3つあります。
1. 山が2つあります。いちばん人が多いのは28万〜29万9,999円(14.8%)で、そこから30万円台にかけていったん減り、36万〜39万9,999円で8.5%まで落ち込みます。ところが40万〜44万9,999円で14.4%に跳ね返ります。ひとつの山からなだらかに減っていく形ではありません。
2. 40万円以上が23.9%。4人に1人近くが所定内給与額で月40万円を超えています。
3. それでも34万円未満が55.1%。半数以上は月34万円に届きません。「助産師は高い」という平均の印象と、真ん中の人が見ている金額はずれます。
この2つの山が何によってできているのかは、この表だけでは分かりません。ただし次の節で見る事業所規模別の数字は、ひとつの手がかりになります。
働く場所によって、仕事の中身も変わります。分べんのほかに、出産後1年までを対象にした産後ケア事業という法律上の仕事があることは助産師の仕事内容と1日|分べんのほかに、産後ケアという法律上の事業がありますで扱っています。
事業所の規模と月給の関係が、看護師と逆になっています
| 事業所規模 | きまって支給 | 年間賞与 | 推計年収 | 平均年齢 | 労働者数 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1,000人以上 | 376,800円 | 1,118,500円 | 564.0万円 | 36.4歳 | 9,930人 |
| 100〜999人 | 401,900円 | 952,300円 | 577.5万円 | 44.3歳 | 3,480人 |
| 10〜99人 | 402,600円 | 821,300円 | 565.3万円 | 46.5歳 | 7,000人 |
出典:同調査(職種)第1表/男女計。推計年収は編集部試算。割合の合計が100%にならないのは端数処理によるものです
月給がいちばん高いのは10〜99人の事業所(402,600円)で、1,000人以上より25,800円高い。並べ方が逆さまです。
同じ統計の看護師と比べると、違いがはっきりします。
| 事業所規模 | 助産師 きまって支給 | 看護師 きまって支給 |
|---|---|---|
| 1,000人以上 | 376,800円 | 386,800円 |
| 100〜999人 | 401,900円 | 357,700円 |
| 10〜99人 | 402,600円 | 339,500円 |
| いちばん高い規模との差 | 小さいほうが25,800円高い | 大きいほうが47,300円高い |
出典:同調査(職種)第1表/男女計・企業規模別
看護師は大きい病院ほど月給が高く、10〜99人との差は47,300円あります。助産師はその逆で、小さい事業所のほうが高い。同じ病院で働く2つの職種で、規模と月給の関係が反対を向いています。
年収で見ると順番がまた変わります。賞与は1,000人以上が1,118,500円といちばん多いため、年収の並びは100〜999人(577.5万円)>10〜99人(565.3万円)>1,000人以上(564.0万円)となり、差は13.5万円まで縮まります。月給で比べるか年収で比べるかで、有利に見える規模が入れ替わります。
年齢差も見ておく必要があります。1,000人以上は平均36.4歳、10〜99人は46.5歳で10.1歳の開きがあります。小さい事業所の月給が高いのは、そこで働く人の年齢が高いことの反映かもしれません。この統計は職種×規模の年齢階級別を公表していないため、年齢の影響を取り除いた比較はできません。本記事では「規模の並びが看護師と逆である」という事実までを書き、理由の断定はしていません。
規模ごとの中位数も並びが同じではありません。
| 事業所規模 | 中位数 | 第1・四分位数 | 第3・四分位数 |
|---|---|---|---|
| 1,000人以上 | 320,600円 | 295,400円 | 362,300円 |
| 100〜999人 | 346,100円 | 315,300円 | 413,700円 |
| 10〜99人 | 326,900円 | 274,400円 | 426,800円 |
出典:同調査(職種)第17-1表/男女計・企業規模別
10〜99人はばらつきがいちばん大きいのが分かります。第1・四分位数274,400円から第3・四分位数426,800円まで152,400円の幅があり、1,000人以上の66,900円の倍以上です。小さい事業所は「高い」というより「高い人と低い人の両方がいる」という読み方が正確です。先ほどの山が2つある分布は、この幅と無関係ではないと考えられます。
経験年数で見ると、1〜4年から5〜9年でいったん下がります
| 経験年数 | 所定内給与額 | 年間賞与 | 労働者数 |
|---|---|---|---|
| 0年 | 313,300円 | 183,800円 | 1,830人 |
| 1〜4年 | 342,500円 | 809,600円 | 4,700人 |
| 5〜9年 | 308,800円 | 960,000円 | 3,040人 |
| 10〜14年 | 341,400円 | 941,300円 | 2,220人 |
| 15年以上 | 364,200円 | 1,278,500円 | 8,620人 |
出典:同調査(職種)第14表 職種(小分類)、性、経験年数階級別/企業規模計(10人以上)/男女計
1〜4年の342,500円から5〜9年の308,800円へ、33,700円下がっています。その後10〜14年で341,400円まで戻り、15年以上で364,200円になります。0年から15年以上までの伸びは50,900円(16.2%)です。
これは同じ人の給与が下がったことを意味しません。経験年数階級別のデータは、ある時点で各階級にいる別々の人を横に並べたものです。5〜9年の階級に月給の低い層が多く含まれていれば、こういう形になります。個人の給与推移として読まないでください。
賞与のほうは経験年数に沿って増えています。0年の183,800円は15年以上の1,278,500円の14.4%にとどまります。0年は在籍期間が短く賞与の算定期間が満たないためと考えられますが、この統計は賞与の算定方法を公表していないため、断定はできません。
この年収の前には、資格を取るための学校の費用があります。国立の授業料の標準額や私立の保健系学部の平均など、国の資料で分かる範囲は助産師の学校の学費|国立の授業料は、学部も大学院も専攻科も標準額535,800円ですで扱っています。
資格の入口:合格率99.7%の意味
| 試験 | 出願者数 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|---|
| 第109回 助産師 | 2,057人 | 2,046人 | 2,040人 | 99.7% |
| 第112回 保健師 | 7,527人 | 7,467人 | 6,502人 | 87.1% |
| 第115回 看護師 | 60,311人 | 59,614人 | 52,666人 | 88.3% |
出典:厚生労働省「第112回保健師国家試験、第109回助産師国家試験及び第115回看護師国家試験の合格発表」(令和8年2月12日・13日・15日実施)
助産師国家試験の合格率99.7%は、同時に発表された保健師87.1%・看護師88.3%と比べて突出しています。受験2,046人に対して不合格は6人です。新卒に限ると2,018人中2,014人が合格し99.8%になります。
この数字を「簡単な試験」と読むのは正確ではありません。理由は2つあります。
1つ目。受験するまでの絞り込みがあります。助産師国家試験を受けるには、指定された学校や養成所で助産に関する学科を修める必要があります。養成課程の定員は限られており、入学時点で選抜が働いています。ただし本記事では養成課程の定員や倍率の一次資料を確認していないため、具体的な数字は書いていません。
2つ目。免許は助産師国家試験だけでは下りません。保健師助産師看護師法 第7条第2項は「助産師になろうとする者は、助産師国家試験及び看護師国家試験に合格し、厚生労働大臣の免許を受けなければならない」と定めています。合格率88.3%の看護師国家試験も通す必要があり、2つの試験を両方通してはじめて免許が下ります。この構造は保健師(同条第1項)と同じです。
なお出願2,057人に対して受験は2,046人で、11人が出願したものの受験していません。
資格を取るまでの過程と、免許を取った後に課される義務は、この記事では扱っていません。1年以上の課程で31単位を修め、実習で分べんを10回程度取り扱うこと、そして秘密保持義務だけが刑法に置かれていることは助産師になるには|実習で分べんを10回程度、取り扱いますで扱っています。
求人を見るときに確認できること
ここまでの数字から、求人票で確かめられることを整理します。
- 提示された月給が328,700円(中位数)を超えているか。超えていれば上位半分に入ります。平均343,900円ではなく中位数で見てください
- その月給が「所定内給与額」なのか「手当込み」なのか。統計では両者に46,000円の差があります。求人票の金額がどちらなのかで、比較の土俵が変わります
- 賞与が何か月分か。統計値は所定内給与額の2.87か月分です
- 事業所の規模を、月給と年収の両方で見る。月給は10〜99人が高く、年収は100〜999人が高い。どちらを重視するかで選ぶ規模が変わります
- 小さい事業所ほど幅が広いことを前提にする。10〜99人は下位25%が274,400円、上位25%が426,800円。規模だけでは判断できません
よくある質問
Q. 助産師の年収は看護師よりどれくらい高いですか。
令和7年賃金構造基本統計調査をもとにした編集部試算で、助産師566.7万円に対し看護師524.7万円。差は42.0万円です。月給(きまって支給する現金給与額)の差は24,000円、年間賞与の差は131,800円です。ただしこれは別々の集団を並べた数字で、資格を追加すると42.0万円上がるという意味ではありません。
Q. 男性は助産師になれますか。
なれません。保健師助産師看護師法 第3条が助産師を「女子」と定めているためです。これを反映して、賃金構造基本統計調査でも助産師の「男」の欄は「-」(該当なし)となっており、男女計と女の数値が一致します。
Q. 大きい病院のほうが給料は高いですか。
助産師については、月給では逆です。きまって支給する現金給与額は10〜99人の事業所が402,600円で、1,000人以上の376,800円より25,800円高い。ただし賞与は1,000人以上が多いため、推計年収では100〜999人(577.5万円)が最も高く、3区分の差は13.5万円まで縮まります。なお10〜99人は平均年齢が46.5歳と1,000人以上より10.1歳高く、年齢の影響を取り除いた比較はこの統計ではできません。
迷ったらここ
求人を比べるときは、月給と年収の両方で事業所規模を見る
月給がいちばん高いのは10〜99人の402,600円、年収がいちばん高いのは100〜999人の577.5万円です。規模の大小がそのまま高い低いにつながらない職種なので、片方だけで並べると順位を読み違えます。
- 提示された月給は中位数328,700円を上回るか(上回れば上位半分)
- その金額は所定内給与額か手当込みか(統計では両者に46,000円の差がある)
- 賞与は所定内給与の何か月分か(助産師の統計値は2.87か月分)
まとめ
- 助産師の推計年収は566.7万円。看護師より42.0万円、准看護師より139.2万円高い(令和7年賃金構造基本統計調査・編集部試算)
- 統計に「男」の欄がない。保助看法第3条が「女子」と定めているため、年収の男女差という論点が存在しない
- 中位数は328,700円で平均より15,200円低い。34万円未満が55.1%を占める
- 分布に山が2つ。28万円台(14.8%)と40万円台前半(14.4%)で、あいだの36万〜39万円台は8.5%
- 規模と月給の関係が看護師と逆。助産師は小さいほうが25,800円高く、看護師は大きいほうが47,300円高い
- 月給と年収で有利な規模が入れ替わる。月給は10〜99人、年収は100〜999人が最も高い
助産師の求人は、月給だけでも年収だけでも順位が変わります。規模の大小がそのまま高い低いにつながらない職種なので、「大きい病院のほうが良いはず」という前提を一度外して、金額そのものを中位数328,700円と突き合わせてください。

