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30秒でわかるまとめ
- 看護師などの確保策の会議に、紹介会社を使う理由が出ました最も多い理由は「ほかの採用経路では人材が確保できなかった」の70.9%でした。厚生労働省が10月19日に示した資料です。
- 次に多い理由は、採用までのスピードの36.3%でした確実に紹介してもらえるからが35.7%、多くの応募が期待できるからが32.9%と続きます。回答は694でした。
- ナースセンターの就職件数は、2025年度に9,579件でした前年度から4.9%増えました。一方で求職者数は65,466人で、5.0%減っています。
- 国は、ナースセンターとハローワークの連携を強めています資料は、民間の紹介事業者の手数料の負担が重く認識されていることを背景に挙げています。
厚生労働省は10月19日、「2040年に向けた看護職員の養成・確保の在り方に関する検討会」(第6回)を開き、看護職員の確保策を議題にした。資料には、病院が人を採るときに人材紹介会社(有料職業紹介事業者)を使う理由の調査結果や、都道府県ナースセンターの就職実績が載った。看護師が転職先を探すときの窓口にかかわる話なので、数字を整理する。
紹介会社を使う理由、70.9%が確保難
資料が引いたのは、厚生労働省の2025年度「医療等分野における雇用仲介事業に関する調査研究事業」の報告書である。人材紹介会社を採用経路として使っている理由を、医療の求人を出す側の病院に聞いた(有効回答694、複数回答)。看護職員に限った調査ではない。
| 人材紹介会社を使う理由(病院) | 割合 |
|---|---|
| ハローワークなどの他の採用経路では人材が確保できなかった | 70.9% |
| 迅速に求職者を確保できる(採用に至るまでのスピード) | 36.3% |
| 確実に求職者を紹介してもらえる | 35.7% |
| 多くの求職者からの応募が期待できる | 32.9% |
| 紹介事業者からの営業活動があった | 23.9% |
出典:厚生労働省 第6回 2040年に向けた看護職員の養成・確保の在り方に関する検討会 資料2(2025年度 医療等分野における雇用仲介事業に関する調査研究事業 報告書。上位5項目を抜粋)
資料は、最も多い理由がほかの採用経路で人材を確保できないこと(消極的理由)で、次が人材確保の確実性やスピードなど(積極的理由)だとまとめている。「就職後のアフターケアが充実している」は2.9%、「就職前の相談支援が充実している」は3.3%と少なかった。
病院は、紹介会社のほうが便利だから使っているのかと思っていました。
一番多いのは、ほかの経路で確保できなかったからの70.9%だったね。
人が足りない病院ほど、紹介会社を頼っているのかもしれませんね。
手数料の負担が重いと国も認識
資料は、2026年1月に改正した「ナースセンター・ハローワーク連携事業の具体的な実施方法」の背景として、病院や施設は人員を満たす切実な必要(診療報酬上の配置基準などを満たす必要)から民間の紹介事業者を使っている面があり、手数料負担が重く認識されていると書いた。そのうえで、公的な無料職業紹介であるハローワークとナースセンターの連携を一層強めるとしている。
改正では、ハローワークが医療機関などを訪ねて求人を開拓し、そこで把握した急募の求人に、看護職の支援を専門とするナースセンターがなるべく優先してプッシュ型で支援する、といった取り組みを盛り込んだ。連携するハローワークは、2025年度第1四半期の151か所から、2026年度第1四半期には283か所に増え、巡回相談の回数は613回から961回になった。
ナースセンターの就職は9,579件
ナースセンターは各都道府県に1か所あり、看護職の無料職業紹介や復職支援、研修などを行っている。資料によると、ナースセンターの全国の就職件数は2025年度に9,579件で、2024年度の9,128件から4.9%増えた。求人数は175,327件(前年度比0.7%増)とほぼ横ばいで、求職者数は65,466人と、2024年度の68,941人から5.0%減った。
なお、論点をまとめたページでは、若年層を中心に有料職業紹介事業などが使われる中で、ナースセンターによる就職者数は減少傾向にあるとも書かれている。2024年度と2025年度の比較では就職件数が増えており、資料の中で表現が分かれている。
ナースセンターは看護職向けの公的な無料職業紹介で、都道府県の委託で運営されている。2026年10月からは、看護職のためのポータルサイト「NuPS(ナップス)」を活用した支援も始まったと資料は書いている。
職員は420人、60代が251人
一方で、ナースセンターの体制には地域差がある。中央ナースセンターの調べ(2026年度)では、全国のナースセンターの職員は実人数で420人、常勤換算で315.7人だった。都道府県ごとの常勤換算人数は中央値5.3人、平均6.7人である。勤務状況では非常勤職員が60%を占め、年代別では60代が251人と最も多い。
これまでの検討会では、ナースセンターには人員基準がなく都道府県の委託で運営されているため、委託費が設立当時のままのところも多いという意見が出ていた。また、派遣会社が非常に台頭してきており、看護師が実際にどう転職しているかも含めて検討が必要だという意見もあった。
ナースセンターで就職する人は増えているんですね。
就職件数は9,579件で、前年度から4.9%増えていたよ。
ただ、職員は全国で420人で、地域によって体制に差があるんだ。
転職の窓口は、住んでいる地域によって使い勝手が違うということですね。
ハローワークも医療の求人を最重点に
ハローワークは全国に544か所ある。2026年度は「医療・福祉ささえる求人充足プロジェクト」として、医療機関・介護施設・保育所への訪問による求人充足支援を、全ハローワークの最重点事項にしている。特定の分野を全ハローワークの最重点事項とするのは初めてだという。2026年4月から8月までの事業所訪問は26,395回、開拓した求人数は121,827人だった。
ハローワークの医療分野の新規求職者数は、2025年度第1四半期の43,527人に対し、2026年度第1四半期は43,381人、就職件数は12,057件に対し11,454件だった。資料は、連携の取り組みは着実に進んでいる一方、求職者数や就職件数は取り組み開始直後のため引き続き評価するとしている。
地域ごとの偏在をどうつかむか
検討会の論点案は、看護職員の就業状況が二次医療圏や、病院・訪問看護・介護施設といった領域によって差があり、特に訪問看護ステーションでは求職者そのものが少なく、人材確保がより難しいと整理した。65歳以上人口千人あたりの看護職員就業者数は全国平均48.61人で、都道府県によって差がある。
論点としては、都道府県が二次医療圏などの地域単位や領域別に看護職員の需要や偏在を把握・分析し、より効果のある確保策につなげるために何ができるか、ナースセンターによる就業・復職支援をさらにどう進めるか、ナースセンターとハローワークがそれぞれの強みをどう生かすかが挙がった。
紹介会社もナースセンターも、それぞれの特徴を知って使い分けたいです。
まずは住んでいる県のナースセンターの窓口も調べてみます。
迷ったらここ
窓口ごとの違いを知る
看護師の転職の窓口には、人材紹介会社、ナースセンター、ハローワークがあり、それぞれ得意なことが違います。使う前に次の点を確かめておくと比べやすくなります。
- 希望する地域や領域(病院・訪問看護など)の求人が多いか
- 面接の日程調整や条件交渉まで手伝ってもらえるか
- 入職後に相談できる窓口があるか
- 複数の窓口を同時に使うときの注意点
編集部の見方:窓口の選び方が問われる
ここからは編集部の見方である。病院の70.9%が「ほかの経路で確保できなかった」ことを人材紹介会社を使う理由に挙げたという数字は、紹介会社が人手の足りない病院の受け皿になっていることを示している。国はその手数料負担を意識し、ナースセンターとハローワークの連携を強めている。
働く側から見れば、どの窓口にも得手不得手がある。紹介会社はスピードや求人の多さが強みになりうる一方、人材紹介で就職した看護師の一部は半年以内に離職していることも別の統計で分かっている(人材紹介と離職率の記事)。ナースセンターは無料で看護職に特化しているが、体制には地域差がある。窓口の名前ではなく、自分の希望する地域と領域でどれだけ支えてもらえるかで選ぶことが大切だ。同じ検討会の前回の議論は勤務表の改善の記事で整理している。
出典
一次資料
- 厚生労働省「第6回 2040年に向けた看護職員の養成・確保の在り方に関する検討会 資料」(2026年10月19日、2026年10月23日参照)。議事次第、資料2「看護職員確保策について」
編集部メモ
- 人材紹介会社を使う理由は、求人を出す側(病院)に聞いた結果です。看護師などの求職者に聞いたものではありません。複数回答で、有効回答は694です。
- ナースセンターの就職件数・求人数・求職者数は、ナースセンターの登録データによる2024年度と2025年度の全国値です。
- 資料の中で、ナースセンターの就職について「増加傾向」(2024年度と2025年度の比較のページ)と「減少傾向」(論点をまとめたページ)の2つの表現があります。本文では両方を示しました。
- ハローワークの医療分野の求職者数・就職件数は、労働局からの業務報告による2025年度と2026年度の第1四半期の比較です。
- 人材紹介会社の手数料の額や、紹介会社ごとの違いは今回の資料に書かれていないため、本文では扱っていません。

