30秒でわかるまとめ
- 紹介で就職した介護職の19.9%が、半年以内に辞めました厚生労働省が9月30日に公表した、職業紹介の2023年度の実績です。看護は12.9%、保育は14.5%でした。
- 看護の紹介手数料は、平均72.5万円でした紹介で1人が就職したときの手数料の、2024年度の平均額です。保育は66.8万円、介護は59.7万円でした。
- 半年以内の離職は、3職種とも四国がいちばん高い数字です四国は看護24.8%、介護27.1%でした。ただし四国は紹介事業所が少なく、県別の数字はほとんど出ていません。
- 紹介会社ごとの実績は、国のサイトで調べられます2025年4月から手数料率の実績の公開が義務になりました。「人材サービス総合サイト」で就職者数や離職者数も見られます。
厚生労働省は9月30日、医療・介護・保育の分野で職業紹介事業者(いわゆる人材紹介会社)を通じて就職した人について、職種別の平均手数料と、就職後6か月以内の離職率を全国と地域ブロックごとにまとめた資料を公表した。手数料は2024年度、離職率は2023年度の実績である。介護では、紹介で就職した人の19.9%が半年以内に辞めていた。転職サービスを使って職場を探す人に向けて、数字の中身を整理する。
半年以内の離職は介護19.9%
資料の離職率は、紹介で無期雇用として就職した人のうち、就職後6か月以内に辞めた人の割合である。職種ごとの全国の数字は次のとおり。
| 職種 | 離職率 | 平均手数料 |
|---|---|---|
| 医師 | 4.8% | 107.8万円 |
| 看護 | 12.9% | 72.5万円 |
| 保育 | 14.5% | 66.8万円 |
| 介護 | 19.9% | 59.7万円 |
出典:厚生労働省「全国及びブロック別 職種別離職率」(2023年度実績)、「全国及びブロック別 職種別平均手数料(額・分布)」(2024年度実績)
介護は、紹介で就職した人のおよそ5人に1人が半年以内に辞めている計算になる。看護と保育は1割台前半から半ばで、医師は5%に満たない。なお、6か月以内に辞めたかどうかが分からないと報告された人は離職率に含まれておらず、その割合は看護0.3%、保育1.1%、介護0.6%だった。
紹介で入った介護職の、5人に1人が半年で辞めているんですね。
19.9%だね。看護は12.9%、保育は14.5%だったよ。
紹介を使っても、合わない職場に入ってしまう人はいるということですね。
手数料は看護が平均72.5万円
平均手数料は、紹介で常用の就職(無期雇用か、4か月以上の期間を定めた雇用)が決まったときの手数料の総額を、就職した件数で割った額である。看護は72.5万円、保育は66.8万円、介護は59.7万円で、医師は107.8万円だった。
この手数料は、求人を出した病院や施設が紹介会社に払うもので、紹介を使って転職する人が払うものではない。仕組みは看護師の転職の現状の記事で整理している。
手数料は2024年度、離職率は2023年度の実績で、年度が1年ずれている。同じ人の手数料と離職を並べた数字ではない。
地域では四国の離職率が高い
資料は全国を10の地域ブロックに分けている。6か月以内の離職率をブロックごとに並べると、次のようになる。
| 地域 | 看護 | 保育 | 介護 |
|---|---|---|---|
| 北海道 | 12.7% | 12.9% | 20.7% |
| 東北 | 10.2% | 11.0% | 21.1% |
| 南関東 | 12.3% | 14.8% | 17.3% |
| 北関東・甲信 | 17.9% | 13.6% | 17.3% |
| 北陸 | 13.6% | 15.0% | 18.7% |
| 東海 | 12.4% | 15.1% | 22.2% |
| 近畿 | 14.0% | 14.4% | 20.1% |
| 中国 | 13.8% | 14.4% | 25.1% |
| 四国 | 24.8% | 16.7% | 27.1% |
| 九州 | 13.7% | 14.1% | 24.7% |
| 全国 | 12.9% | 14.5% | 19.9% |
出典:厚生労働省「全国及びブロック別 職種別離職率」(2023年度実績)
看護・保育・介護のいずれも、いちばん高いのは四国だった。介護は中国(25.1%)と九州(24.7%)も高く、西の地域で数字が大きい。ただし四国は、県ごとの数字がほとんど「-」になっている。資料は、対象の紹介事業所が10か所未満の県の数字を載せていないためで、四国の看護と保育は県別の数字が1つも無い。
もう1つ注意がいるのは、地域の分け方である。資料の数字は、紹介事業所がある都道府県ごとにまとめたもので、就職した病院や施設の所在地ではない。東京の紹介会社が地方の施設に紹介した分は、東京の数字に入る。
四国は、看護も介護も2割を超えています。
看護24.8%、介護27.1%だね。ただ、四国は紹介事業所が少ない地域だったね。
それに、地域は紹介事業所の場所で分けた数字だったよ。
地域の数字だけで、その土地の職場が悪いとは言えないんですね。
手数料の地域差は介護が大きい
平均手数料をブロックごとに見ると、看護は北陸の81.7万円がいちばん高く、九州の57.5万円がいちばん低い。保育は四国の78.9万円が最高で、北海道の55.5万円が最低だった。介護は北陸の87.8万円が最高で、北関東・甲信の54.4万円とは33.4万円の開きがある。
厚生労働省が2025年に公表した別の資料では、紹介会社ごとの手数料率と6か月以内の離職率を並べて、「手数料率実績の高低で離職率に大きな差は見られなかった」としている。手数料が高い紹介会社ほど定着がよい、という関係は、国の資料からは確かめられていない。
紹介会社ごとの実績は国のサイトで
2025年4月からは、職業紹介事業者に職種別の手数料率の実績を公開することが義務になった。厚生労働省の「人材サービス総合サイト」では、紹介会社ごとに、手数料率の実績に加えて、過去5年分の就職者数と、無期雇用で就職した人のうち6か月以内に辞めた人の数を見ることができる。
このサイトは、もともと病院や施設が紹介会社を選ぶための仕組みとして紹介されている。ただ、就職者数と離職者数は、転職する側にとっても、その紹介会社を通じて入った人がどれくらい続いているかの手がかりになる。
紹介会社ごとの就職者数と、半年以内の離職者数が載っているんだったね。
使う前に、その会社の数字を自分で見ておくのがよさそうです。
迷ったらここ
紹介会社の定着の実績を見る
紹介を使っても、半年以内に辞める人は看護で約8人に1人います。紹介会社を選ぶときと、職場を決める前に、次の点を確かめておくと失敗を減らせます。
- 人材サービス総合サイトで、その紹介会社の就職者数と6か月以内の離職者数
- 紹介される職場の、直近の離職の状況
- 入職前に職場を見学できるか
- 中途で入った人の教育や、相談相手の決まり方
編集部の見方:紹介は定着の保証ではない
ここからは編集部の見方である。転職サービスを比べるサイトとして、この数字ははっきり書いておきたい。紹介会社を通じて就職しても、介護ではおよそ5人に1人、看護でもおよそ8人に1人が半年以内に辞めている。紹介を使うことは、職場に定着できることの保証にはならない。
一方で、この資料には紹介を使わずに就職した人の離職率は載っていない。紹介を使うと辞めやすいのか、使わない場合と変わらないのかは、この資料からは分からない。地域の数字も、紹介事業所の場所で分けたもので、事業所が少ない地域では大きく振れうる。
読み取れるのは、紹介会社によって定着の実績に差がありうること、そしてそれを国のサイトで確かめられるようになったことだ。担当者の話だけで決めず、職場の見学や、中途で入った人の受け入れ方を自分でも確かめたい。転職して入った看護師の離職については看護師を辞めたいと思ったときの記事で、介護職については介護職を辞めたいと思ったときの記事で整理している。
出典
一次資料
- 厚生労働省「地域ブロック別の職種別平均手数料及び離職率について」(2026年9月30日掲載、2026年10月6日参照)。資料「全国及びブロック別 職種別平均手数料(額・分布)」(2024年度実績)、「全国及びブロック別 職種別離職率」(2023年度実績)
- 同「職業紹介事業における職種別手数料、離職状況について」(PDF、2025年、2026年10月6日参照)
編集部メモ
- 離職率は2023年度、手数料は2024年度の実績です。資料がそれぞれの年度で作られているため、本文でも年度を分けて書いています。
- 離職率は、紹介で無期雇用として就職した人に占める、就職後6か月以内に辞めた人の割合です。有期雇用で就職した人は含まれていません。
- 「5人に1人」「8人に1人」は、19.9%と12.9%を編集部が言い換えたものです。
- 地域ブロックと都道府県の数字は、紹介事業所の所在地ごとの集計です。就職先の病院・施設の所在地ではありません。対象の紹介事業所が10か所未満の都道府県は、資料で「-」になっています。
- 手数料の地域差(33.4万円)は、資料のブロック別の平均額から編集部が引き算しました。
- 紹介を使わずに就職した人の離職率は、この資料には載っていません。紹介を使うかどうかで離職率がどう違うかは、本文でも比べていません。
- 手数料率と離職率の関係(大きな差は見られなかった)は、2025年に公表された別の資料の記述です。その資料の離職率は2022年度の実績にもとづいています。

