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30秒でわかるまとめ
- 介護のデイで、栄養改善加算の算定は0.6%の事業所です厚生労働省が10月14日の分科会に出した資料です。2025年10月のサービス提供分の数字です。
- 栄養アセスメント加算も、算定は2.8%の事業所にとどまります口腔機能向上加算(Ⅱ)は11.6%で、栄養の加算は口腔の加算より低い水準です。
- 地域密着型デイでは、栄養改善加算は0.3%でした利用定員18人以下の小規模なデイでは、栄養アセスメント加算も1.1%にとどまり、栄養の加算はさらに少なくなっています。
- 特養の団体は、栄養ケアへの新たな評価を要望しました全国老人福祉施設協議会が同じ日の分科会に、嚥下調整食などの食事提供の評価を求める要望を出しました。
厚生労働省は10月14日、社会保障審議会の介護給付費分科会で、2027年度の介護報酬改定に向けて通所介護(デイサービス)や通所リハビリテーションなどの論点を示した。資料には、デイサービスの加算ごとの算定状況も載っている。栄養改善加算を算定している事業所は0.6%、栄養アセスメント加算は2.8%で、栄養の加算は口腔の加算に比べても低い。介護の現場で働く管理栄養士・栄養士に向けて、数字を整理する。
デイの栄養改善加算は0.6%
資料の算定状況は、介護給付費等実態統計(2025年11月審査分)などから集計したもので、2025年10月のサービス提供分である。この表は6月15日の分科会(第258回)で示されたものを、今回の資料にも載せている。デイサービス(通所介護)の栄養と口腔に関する加算は次のとおり。
| 通所介護の加算 | 算定事業所 | 算定率 |
|---|---|---|
| 栄養改善加算(200単位/回) | 143か所 | 0.6% |
| 栄養アセスメント加算(50単位/月) | 679か所 | 2.8% |
| 口腔・栄養スクリーニング加算(Ⅰ) | 1,028か所 | 4.2% |
| 口腔・栄養スクリーニング加算(Ⅱ) | 367か所 | 1.5% |
| 口腔機能向上加算(Ⅰ) | 1,851か所 | 7.6% |
| 口腔機能向上加算(Ⅱ) | 2,822か所 | 11.6% |
| 科学的介護推進体制加算 | 13,179か所 | 54.2% |
出典:厚生労働省 第270回社会保障審議会介護給付費分科会 資料1(介護給付費等実態統計(2025年11月審査分)などより老健局作成。算定率は事業所ベース)
算定率は、その加算を請求した事業所数を、請求したすべての事業所数で割ったものである。資料は、算定率が3%以下の加算を赤色で示しており、栄養改善加算と栄養アセスメント加算はいずれもこれにあたる。
デイで栄養の加算を取っている事業所は、ほとんどないんですね。
栄養改善加算は143か所、0.6%だったね。
デイで栄養士が活躍できる場は、まだ広がる余地がありそうです。
口腔の加算は1割前後
同じデイサービスでも、口腔の加算は算定が多い。口腔機能向上加算(Ⅱ)は11.6%、(Ⅰ)は7.6%の事業所が算定している。栄養と口腔をあわせて確認する口腔・栄養スクリーニング加算は、(Ⅰ)が4.2%、(Ⅱ)が1.5%だった。栄養の加算は、口腔の加算と比べても低い。
今回示された算定状況は6月の分科会の資料の再掲で、新しい集計ではない。報酬をどう見直すかの対応案は、デイサービスの栄養の加算については示されていない。
小規模なデイはさらに低い
利用定員18人以下の地域密着型通所介護では、栄養アセスメント加算が1.1%(203か所)、栄養改善加算が0.3%(57か所)だった。認知症対応型通所介護では、栄養アセスメント加算が3.3%(86か所)、栄養改善加算が0.3%(8か所)である。
小さいデイほど、栄養の加算は少ないんですね。
地域密着型の栄養改善加算は0.3%、57か所だったね。
口腔機能向上加算(Ⅱ)は、通所介護で11.6%だったよ。
口腔に比べて、栄養の取り組みはまだ広がっていないということですね。
通所リハは一体的取組の負担が課題
通所リハビリテーションの資料には、これまでの分科会で出た委員の意見として、2024年度改定で創設されたリハビリテーション・栄養・口腔の一体的取組の評価について、推進のために課題を把握すべきだという意見が載っている。あわせて、一体的取組は重要だが、多職種連携や会議の開催、計画書の同意取得などの業務に時間がかかっているとして、実態に合った要件の見直しや事務負担の軽減が必要だという意見もあった。
特養の団体は栄養ケアの評価を要望
同じ日の分科会には、全国老人福祉施設協議会が「令和9年度介護報酬改定に向けた要望・各論」を提出した。要望は、口腔や栄養に関する取り組みで食事の形態が多様化しているとして、嚥下調整食や栄養補助食品の利用など、おいしく安全な食形態での食事提供を推進するための新たな評価を求めている。
栄養士の加算にも人員欠如の特例を
要望はまた、人材確保が難しい中山間地域などを念頭に、やむを得ない事情で人員が欠けた場合の減算の猶予について、看護職員や栄養士などの配置を伴う加算でも同じような特例的な扱いを求めた。
施設の側からも、食事の工夫を評価してほしいという声が出ているんですね。
介護の職場を選ぶなら、栄養の加算をどう扱っているかも聞きたいです。
迷ったらここ
栄養の加算の扱いを聞く
介護の職場で管理栄養士・栄養士がどこまでかかわれるかは、事業所が栄養の加算や栄養ケアにどう取り組んでいるかで変わります。応募先では次の点を聞いておくと比べやすくなります。
- 栄養アセスメントや栄養改善の加算を算定しているか
- 管理栄養士・栄養士が何人で、どのサービスを担当するか
- 嚥下調整食など、食形態の対応をどこまでしているか
- 多職種の会議や計画書の作成にどうかかわるか
編集部の見方:在宅の栄養は伸びしろ
ここからは編集部の見方である。デイサービスで栄養の加算を算定している事業所が1%にも満たないという数字は、在宅の介護で栄養のケアがまだほとんど報酬に結びついていないことを示している。口腔の加算が1割前後まで広がっているのと比べても、差は大きい。
今回の資料には、デイサービスの栄養の加算をどう見直すかの対応案はない。ただ、通所リハでは一体的取組の事務負担が課題として挙がり、特養の団体は食形態の評価を求めている。栄養のケアの評価がこれからの議論で広がるなら、介護の現場で管理栄養士・栄養士が担える仕事も広がりうる。介護の処遇改善が栄養士にどう配られているかは処遇改善の栄養士への配分の記事で、管理栄養士の訪問の仕事は訪問栄養指導の記事で整理している。
出典
一次資料
- 厚生労働省「第270回社会保障審議会介護給付費分科会(web会議)資料」(2026年10月14日、2026年10月16日参照)。資料1「通所介護、地域密着型通所介護、認知症対応型通所介護」、資料3「通所リハビリテーション」、小泉委員提出資料(全国老人福祉施設協議会「令和9年度介護報酬改定に向けた要望・各論」)
編集部メモ
- 算定状況の表は、6月15日の分科会(第258回)の資料を今回の資料に再び載せたものです。2025年10月のサービス提供分(2025年11月審査分)の数字です。
- 算定率は事業所ベース(各加算の請求事業所数÷総請求事業所数)です。回数ベースの算定率は本文では使っていません。
- デイサービスの栄養の加算について、今回の資料に見直しの対応案は示されていません。
- 通所リハの記述は、資料が事務局の責任で整理した委員の意見です。全国老人福祉施設協議会の要望は、委員が分科会に提出した資料です。
- 各加算の算定要件(どの職種が何をするか)は今回の資料に書かれていないため、本文では扱っていません。

