助産師の学校の学費|国立の授業料は、学部も大学院も専攻科も標準額535,800円です

目次

30秒でわかるまとめ

  • 助産師の学校の学費は、学校ごとに決められています国立でも省令の標準額をもとに国立大学法人が定めます。私立の授業料に、国が決めた額はありません。
  • 国立の授業料の標準額は、学部も大学院も同じ額です年額535,800円で、専攻科も同額です。入学料の標準額は学部と大学院が282,000円、専攻科は169,200円です。
  • 私立大学の保健系の学部には、国が集計した平均があります令和7年度の「保健」の区分は、授業料996,030円、入学料257,732円です。助産の課程だけの数字ではありません。
  • 助産師を目標にする専門実践教育訓練の講座は51講座です令和8年10月1日時点の数です。給付は講座ごとの指定が前提で、率は受講費用の50%から最大80%です。

※助産師学校に入るための条件と養成のルートは助産師になるには、教育訓練給付のうち一般教育訓練は介護福祉士の実務者研修の費用で扱っています。

点滴スタンドと妊婦(助産師)

先に断ります:学校ごとの学費の相場は、この記事では作りません

助産師の学校の学費は、それぞれの学校が決めるものです。本記事は民間の進学サイトや学校のページを使わず、学費の相場も作りません。

そのかわり、国の資料で金額が分かる部分を、次の3つに分けて示します。

  • 国が決めている額:国立大学の授業料・入学料の「標準額」(文部科学省令)
  • 国が集計した額:私立大学・公立大学の授業料等の平均(文部科学省の調査)
  • 負担を軽くする国の制度:専門実践教育訓練給付、高等教育の修学支援新制度、看護師等修学資金

助産師の学校には、大学の学部、専攻科、大学院、養成所などがあります。どの課程がどれに当たるかは助産師になるにはで扱っているので、本記事では繰り返しません。

医療関連の資格取得

国立:授業料の標準額は、学部・大学院・専攻科とも535,800円です

国立大学の授業料は「国立大学等の授業料その他の費用に関する省令」第2条第1項が、区分ごとの標準額を定めています。そのうえで、実際の額は標準額をもとに国立大学法人が定める仕組みです。

区分授業料の年額入学料検定料
大学の学部535,800円282,000円17,000円
大学院の研究科535,800円282,000円30,000円
大学の専攻科(その他の専攻科)535,800円169,200円18,000円

出典:国立大学等の授業料その他の費用に関する省令(平成16年文部科学省令第16号)第2条第1項の表(e-Gov法令API 法令ID 416M60000080016。最終改正 令和6年3月29日文部科学省令第12号)

表の「大学の専攻科」は2つに分かれていて、特別支援教育特別専攻科以外は「その他の専攻科」です。授業料の標準額は、学部・大学院・専攻科で同じ535,800円で、違うのは入学料と検定料です。

標準額は上限ではありません。同じ省令の第10条は、次のように定めています。

「国立大学法人は、国立大学及び国立大学に附属して設置される学校の授業料の年額、入学料又は入学等に係る検定料を定めようとする場合において、特別の事情があるときは、第二条第一項若しくは第三項、第三条第二項又は第四条の規定にかかわらず、これらに規定する額にそれぞれ百分の百二十を乗じて得た額を超えない範囲内において、これらを定めることができる。」

出典:国立大学等の授業料その他の費用に関する省令 第10条(原文どおり)

授業料でいえば、535,800円×120÷100=642,960円までの範囲で定めることができる計算です(編集部試算)。国立でも、学校によって額が違うことがあるのはこのためです。

負担を軽くする措置も、同じ省令に置かれています。

「国立大学法人は、経済的理由によって納付が困難であると認められる者その他のやむを得ない事情があると認められる者に対し、授業料、入学料又は寄宿料の全部若しくは一部の免除又は徴収の猶予その他の経済的負担の軽減を図るために必要な措置を講ずるものとする。」

出典:同省令 第13条(原文どおり)

色鉛筆と資格取得

私立・公立:国の資料にあるのは平均だけです

私立大学の学費には、国が決めた額がありません。国の資料にあるのは、文部科学省が隔年でまとめている初年度の学生納付金の平均です。最新は令和7年度入学者の調査で、日本私立学校振興・共済事業団のデータをもとに、昼間部の額を入学定員で加重平均しています(学部は592校)。

学部の平均は系統別に出ていて、助産に関係する学部は「その他」の中の「保健」に入ります。表の注には、次の一文があります。

「※医学部看護学科は「医」区分に含まず,「保健」区分に含める。」

出典:文部科学省「令和7年度私立大学入学者に係る初年度学生納付金等平均額(定員1人当たり)」注(原文どおり)

項目保健私立大学(学部)全平均
授業料996,030円968,069円
入学料257,732円240,365円
施設設備費242,818円172,550円
合計1,496,580円1,380,983円
(参考)実験実習料110,251円30,290円
(参考)その他94,638円96,374円
(参考)総計1,701,468円1,507,647円

出典:文部科学省「私立大学等の令和7年度入学者に係る学生納付金等調査結果について」資料1(令和7年度私立大学入学者に係る初年度学生納付金等平均額)

この「保健」は、看護学科などを含む保健系の学部全体の平均です。助産の課程を選んだ学生だけの額ではなく、助産の課程で別にかかる費用があるかどうかも、この表からは分かりません。

私立の大学院は、博士前期課程(修士課程を含む)の「保健」の分野で、授業料763,718円、入学料221,174円、施設設備費72,086円、合計1,056,977円です(同調査 資料2)。この分野には医学・歯学・薬学の研究科も含まれています。

公立大学は、同じ調査の参考資料「国公私立大学の授業料等の推移」に、令和7年度の平均として授業料536,520円、入学料382,806円が載っています。入学料は地域外からの入学者の平均で、地域内の入学者の平均は224,369円と注記されています。公立大学は学部の系統別の平均が示されていません。

専攻科や養成所(専修学校など)の学費について、国が集計した平均は、本記事が取得した資料にはありませんでした。

専門実践教育訓練:助産師の養成課程も、講座ごとに指定されます

雇用保険の教育訓練給付には3つの種類があり、そのうち資格の養成課程を類型の1つにしているのが専門実践教育訓練です。指定の基準を示した厚生労働省の「教育訓練給付金支給対象教育訓練指定要領」(令和8年4月1日適用)は、対象の類型の1つを次のように書いています。

「公的職業資格のうち業務独占資格又は名称独占資格の取得を訓練目標とする養成課程であること。」

出典:教育訓練給付金支給対象教育訓練指定要領 第1の3③イ(ア)a(原文どおり)

同じ項は、養成課程が事前に国又は地方公共団体の指定等を受けていること、訓練の期間が1年以上3年以内で、資格の取得に必要な最短の期間であることも求めています(同b)。

実際に指定されている数は、厚生労働省の公表資料で確かめられます。

目標資格令和8年10月1日時点の指定講座数うち同日付けの新規指定指定外となった講座既指定講座数
助産師513149

出典:厚生労働省「目標資格等別・都道府県別 専門実践教育訓練指定状況(令和8年10月1日時点)」(報道発表「専門実践教育訓練の指定講座を公表しました(令和8年10月1日付け指定)」別添2)

既指定の49講座に新規の3講座を足し、指定外となった1講座を引くと51講座になります(編集部で検算)。「助産師の学校なら給付が使える」のではなく、指定を受けた講座だけが対象です。自分の通う課程が指定講座かどうかは、厚生労働省の教育訓練講座検索システムで確かめられます。

給付の率と上限は、雇用保険法施行規則が定めています。

支給を受ける人率連続した2支給単位期間ごとの限度支給の総額の上限
専門実践教育訓練を受け、修了した人(受けている人を含む)百分の五十(50%)40万円120万円
修了後に資格の取得等をし、雇用された人など百分の七十(70%)56万円168万円
さらに、修了後の賃金が受講前の百分の百五以上になった人百分の八十(80%)64万円192万円

出典:雇用保険法施行規則(昭和50年労働省令第3号)第101条の2の7第4号〜第6号、第101条の2の8第1項第4号〜第6号(e-Gov法令API 法令ID 350M50002000003)

「支給単位期間」は、受講している期間を6か月ごとに区切ったものです(同規則 第101条の2の13第4項)。2つ分で1年になるので、厚生労働省の案内は50%の給付を「上限年間40万円」と書いています。

手続にも決まりがあります。受講を始める日の14日前までに、キャリアコンサルティングを踏まえて書いた職務経歴等記録書などを添えて、ハローワークに受給資格の確認を求めます(同規則 第101条の2の13第1項)。厚生労働省の案内(LL070401開若04)は、支給の対象を雇用保険の被保険者期間が3年以上(初回の場合は2年以上)ある人などとしています。

修学支援新制度:法律が挙げる「学生」に、大学院は入っていません

高等教育の修学支援新制度の授業料等の減免は、「大学等における修学の支援に関する法律」に基づきます。対象になる「学生」は、第2条第2項がこう定めています。

「この法律において「学生」とは、大学の学部、短期大学の学科及び専攻科(大学の学部に準ずるものとして文部科学省令で定める専攻科に限る。)、高等専門学校の学科(第四学年及び第五学年に限る。)及び専攻科(大学の学部に準ずるものとして文部科学省令で定める専攻科に限る。)並びに専修学校の専門課程及び専攻科(大学の学部に準ずるものとして文部科学省令で定める専攻科に限る。)の学生をいう。」

出典:大学等における修学の支援に関する法律(令和元年法律第8号)第2条第2項(原文どおり。e-Gov法令API 法令ID 501AC0000000008)

列挙に、大学院の研究科は出てきません。専攻科は短期大学・高等専門学校・専修学校のものが挙がっていて、省令で定めるものに限られます(施行規則 第1条は、短期大学などの「認定専攻科」と専修学校の「適格専攻科」としています)。短期大学を除く大学の専攻科は、列挙にありません。

減免を行うのは、要件を満たすことについて文部科学大臣や都道府県知事など(文部科学大臣等)の確認を受けた学校(確認大学等)の設置者です(法 第3条第1項・第2項、第4条第1項)。確認をしたときは、インターネットの利用などで公表されます(第3条第3項)。減免の上限は、施行令が学校の種類ごとに定めています。

区分授業料の年額入学金の額
国公立の大学(学部)535,800円282,000円
私立の大学(学部)700,000円260,000円
国公立の短期大学(学科)390,000円169,200円
私立の短期大学(学科)620,000円250,000円
国などが設置する専修学校(専門課程)166,800円70,000円
私立の専修学校(専門課程)590,000円160,000円

出典:大学等における修学の支援に関する法律施行令(令和元年政令第49号)第2条第1項第1号の表(夜間の学部・学科・課程を除く。短期大学の学科には認定専攻科を、専修学校の専門課程には適格専攻科を含む=同表 備考)

対象になるのは、3人以上の子等の生計を維持する人に生計を維持されている学生か、収入の状況から授業料等の負担を求めることが極めて困難な学生で、特に優れた者として学校の認定を受けた人です(法 第4条第1項)。収入による区分では、上限額の全額・3分の2・3分の1・4分の1のいずれかになります(施行令 第2条第1項第2号)。

看護師等修学資金:実施するのは都道府県です

看護師等の人材確保の促進に関する法律に基づく国の「看護師等の確保を促進するための措置に関する基本的な指針」(令和5年10月26日 文部科学省・厚生労働省告示第8号)は、修学資金について次のように書いています。

「こうした啓発に当たっては、都道府県等における看護学生に対する修学資金の貸与についても、周知を進めていくことが重要である。」

出典:看護師等の確保を促進するための措置に関する基本的な指針(原文どおり)

制度の骨組みは、厚生労働省の法令等データベースに掲載されている「看護師等修学資金貸与制度実施要綱」(昭和37年6月19日発医第177号 厚生事務次官通知の別紙)にあります。

「看護師等修学資金(以下「修学資金」という。)の貸与は、都道府県が行うものとする。」

「修学資金は、都道府県知事と貸与対象者との契約により無利子で貸与するものとする。」

出典:看護師等修学資金貸与制度実施要綱 第二・第五(原文どおり)

項目要綱の記載
助産師修学資金の対象文部科学大臣が指定した学校又は厚生労働大臣が指定した助産師養成所に在学する者
助産師修学資金の額自治体立養成施設 月額32,000円/民間立養成施設 月額36,000円
保証人立てなければならない(連帯して債務を負担)
返還の債務の当然免除貸与を受けた都道府県の区域内の、要綱が挙げる施設で、引き続き5年間看護職員の業務に従事したとき など

出典:同要綱 第四の(2)、第六、第八の(1)

免除の対象になる施設は、要綱に列挙されています(許可病床が200床未満の病院、診療所など)。ただし、この掲載版には改正の時期が示されていません。現在の各都道府県の貸与額や免除の条件と同じとは限らないため、実際の条件は都道府県の窓口で確かめる必要があります。

この記事が扱っていないこと

  • 個々の学校の学費と、その相場。学校ごとに定めるもので、本記事は学校のページや民間の進学サイトを使っていません。
  • 専攻科・養成所の学費の平均、公立大学の系統別の平均。国が集計した資料を取得していません。
  • 都道府県ごとの修学資金の額と条件、病院などが独自に行う奨学金。取得していません。
  • 日本学生支援機構の奨学金(貸与・給付)の額。本記事は取得していません。
  • 教材費、実習にかかる交通費や宿泊費。国の資料で金額を取得していません。

助産師の学校を選ぶときに確認できること

  • 設置者は国立・公立・私立のどれか。国立なら、省令の標準額がそのまま使われているか、百分の百二十までの範囲で上乗せされているかを確かめられます。
  • 授業料以外の納付金。私立の平均では、施設設備費や実験実習料も初年度の負担に入っています。
  • 専門実践教育訓練の指定講座かどうか。指定は講座ごとです。受講開始の14日前までの手続も必要です。
  • 修学支援新制度の確認大学等かどうか。大学院の研究科は法律の「学生」の列挙にありません。専攻科は種類で扱いが分かれます。
  • 都道府県の修学資金の条件。免除になる勤務先の範囲と年数は、借りる前に確かめられます。

よくある質問

Q. 助産師学校の学費の相場はいくらですか。
A. 国の資料に、助産師の学校だけの相場はありません。国立は省令の標準額(授業料の年額535,800円)をもとに国立大学法人が定め、私立は文部科学省の調査に「保健」の学部の平均(令和7年度の授業料996,030円)がある、というところまでが国の資料で分かる範囲です。

Q. 大学院で助産を学ぶ場合、国立の授業料はいくらですか。
A. 省令の標準額は、大学院の研究科で授業料の年額535,800円、入学料282,000円、検定料30,000円です。特別の事情があるときは、標準額の百分の百二十を超えない範囲で国立大学法人が定めることができます。

Q. 助産師の学校で、教育訓練給付は使えますか。
A. 専門実践教育訓練の指定を受けた講座なら対象になり得ます。助産師を目標資格とする指定講座は、令和8年10月1日時点で51講座です。雇用保険の加入期間などの条件もあるため、ハローワークで確かめてください。

Q. 修学支援新制度は、大学院や専攻科でも使えますか。
A. 法律 第2条第2項が「学生」として挙げる課程に、大学院の研究科はありません。専攻科は短期大学・高等専門学校・専修学校のもので、省令が定めるものに限られます。在学先が確認大学等かどうかも含め、学校に確かめてください。

Q. 看護師等修学資金は返さなくてよいのですか。
A. 国の実施要綱では、貸与を受けた都道府県の区域内の定められた施設で、引き続き5年間看護職員の業務に従事したときに返還の債務が免除されます。現在の条件は都道府県ごとに確かめる必要があります。

迷ったらここ

助産師の学校の学費は国の資料で確かめる

国立の授業料の標準額は学部も大学院も専攻科も年額535,800円です。私立は保健系学部の平均があるだけで、学校ごとの額は学校が決めます。

  • 学校の設置者(国立・公立・私立・養成所)と、授業料以外の施設設備費などの納付金
  • 通う課程が専門実践教育訓練の指定講座か(指定は講座ごと)
  • 修学資金を借りる場合、返還が免除になる勤務先の範囲と年数
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まとめ

助産師の学校の学費は学校ごとに決まり、国の資料に相場はありません。国が額を決めているのは国立の標準額で、授業料の年額は学部・大学院・専攻科とも535,800円です。実際の額は、その百分の百二十までの範囲で国立大学法人が定めます。

私立は文部科学省の調査に平均があり、令和7年度の「保健」の学部は授業料996,030円、施設設備費などを含む合計は1,496,580円です。助産の課程だけの数字ではありません。

負担を軽くする国の制度は、講座ごとに指定される専門実践教育訓練給付(助産師は51講座)、学部や専門学校などが対象の修学支援新制度、都道府県が行う看護師等修学資金の3つです。どれも「その学校・その講座が対象か」を先に確かめる必要があります。

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この記事を書いた人

医療・福祉・保育の人材紹介の現場で求職者の相談を受けてきた編集者が担当しています。キャリアアドバイザー歴8年、転職相談・紹介の対応実績1,500人以上(自社実績/2026年8月時点)。介護・看護師・保育士・栄養士の4分野を担当。記事の数値には必ず出典と公表時点を添えています。

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