30秒でわかるまとめ
- 管理栄養士は、チームを組む4つの職種の1つに入っています施設基準の通知は、研修を修了した専任の常勤の医師・看護師・薬剤師・管理栄養士でチームを作るとしています。
- 「NST専門療法士」という名称は、告示・通知の項にありません通知が求めるのは、医療関係団体等が認定する教育施設で行う40時間以上の研修で、修了証が交付されるものです。
- 加算は週1回200点で、1チーム1日概ね30人以内です点数は医科点数表のA233-2に、算定患者数の目安は留意事項通知にあります。対象患者も通知が4つに分けています。
- 研修とNSTでの経験は、集中治療室などの加算にもつながります早期栄養介入管理加算は、この研修を修了し、NSTで3年以上の経験などがある管理栄養士の専任配置を求めています。
※病院の管理栄養士の仕事の全体像は病院栄養士の1日の仕事内容、管理栄養士と栄養士の資格の違いは管理栄養士と栄養士の違いで扱っています。

まず名前の整理:告示・通知が使うのは「栄養サポートチーム」です
「NST専門療法士とは何か」を調べると、まず資格の名前に行き当たります。ただし、病院の管理栄養士の仕事を決めている診療報酬の告示と通知には、この名前は出てきません。
本記事が読んだのは、厚生労働省が令和8年度診療報酬改定で出した4つの資料(医科点数表、施設基準の告示、施設基準の通知、留意事項通知)の、栄養サポートチーム加算の項です。資料名と版は各節の出典に書きました。
4つの資料の栄養サポートチーム加算の項には、「NST」という略語も、「NST専門療法士」という名前も出てきません。書かれているのは「栄養サポートチーム」と「栄養管理に係る所定の研修」です。本記事では、キーワードに合わせて栄養サポートチームをNSTと略します。
「NST専門療法士」という名前は、本記事が取得した国の告示・通知のどこにも出てきません。本記事は国の資料だけを使うため、この資格の中身は説明しません。かわりに、国の要件が研修をどう書いているかを原文で示します。

点数表:栄養サポートチーム加算は週1回200点です
医科診療報酬点数表の区分番号はA233-2です。見出しは次のとおりです。
「A233-2 栄養サポートチーム加算(週1回)200点」
出典:診療報酬の算定方法 別表第一 医科診療報酬点数表(令和8年厚生労働省告示第69号による改正後)A233-2(原文どおり)
注1は、誰が何をしたときに算定するかを書いています。
「栄養管理体制その他の事項につき別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、栄養管理を要する患者として別に厚生労働大臣が定める患者に対して、当該保険医療機関の保険医、看護師、薬剤師、管理栄養士等が共同して必要な診療を行った場合に、」
出典:同 A233-2 注1の冒頭部分(原文どおり。これより後は省略)
管理栄養士は、点数表の条文そのものに名前が書かれています。加算の前提は、施設基準を届け出た病院で、複数の職種が「共同して」診療することです。
| 注 | 内容 |
|---|---|
| 注1 | 週1回に限り所定点数(200点)に加算。療養病棟入院基本料などを算定している患者は、入院から1月以内は週1回、1月を超え6月以内は月1回。障害者施設等入院基本料を算定している患者は月1回 |
| 注1 | 入院栄養食事指導料、集団栄養食事指導料、乳幼児育児栄養指導料は別に算定できない |
| 注2 | 厚生労働大臣が定める地域に所在する保険医療機関で、施設基準を届け出たものは、栄養サポートチーム加算(特定地域)として100点を加算できる |
| 注3 | 歯科医師が共同して診療を行った場合は、歯科医師連携加算として50点を更に加算する |
出典:同 A233-2 注1〜注3
加算の対象になる患者を栄養サポートチームが担当しても、同じ患者に入院栄養食事指導料は別に算定できません。管理栄養士の仕事として、チームでの診療と個別の栄養食事指導が、算定の上では分けられています。

入院栄養食事指導料そのものは初回260点・2回目200点で、初回は概ね30分以上の指導が条件です。対象患者や指導の時間・記録の決まりは栄養指導のやり方|初回は概ね30分以上。誰に・何を渡し・何を記録するかまで通知に書かれていますで扱っています。
ここが本題:チームは4つの職種。うち1人は専従です
チームを誰で組むかは、施設基準の通知が書いています。
「当該保険医療機関内に、以下から構成される栄養管理に係るチーム(以下「栄養サポートチーム」という。)が設置されていること。また、以下のうちのいずれか1人は専従であること。ただし、当該栄養サポートチームが診察する患者数が1日に15人以内である場合は、いずれも専任で差し支えない。」
出典:基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(令和8年3月5日保医発0305第7号)別添3 第19の1の(1)(原文どおり)
| 記号 | 構成員 |
|---|---|
| ア | 栄養管理に係る所定の研修を修了した専任の常勤医師 |
| イ | 栄養管理に係る所定の研修を修了した専任の常勤看護師 |
| ウ | 栄養管理に係る所定の研修を修了した専任の常勤薬剤師 |
| エ | 栄養管理に係る所定の研修を修了した専任の常勤管理栄養士 |
出典:同 第19の1の(1)ア〜エ
- 4人とも「所定の研修を修了した」「専任の常勤」です。
- 4人のうち、いずれか1人は専従です。どの職種が専従になるかは、通知は決めていません。
- チームが診察する患者数が1日に15人以内なら、4人とも専任で差し支えありません。
- このほか、歯科医師、歯科衛生士、臨床検査技師、理学療法士、作業療法士、社会福祉士、言語聴覚士が配置されていることが望ましいとされています。
通知はこのほか、栄養サポートチームが組織上明確に位置づけられていること、病棟の見やすい場所に診療が行われている旨を掲示することなどを求めています(同 第19の1の(4)・(5))。
管理栄養士に求められる研修は「40時間以上」です
「所定の研修」の中身は、職種で分かれています。看護師・薬剤師・管理栄養士の研修は、通知の(3)が書いています。
「医療関係団体等が認定する教育施設において実施され、40時間以上を要し、当該団体より修了証が交付される研修であること。」
「栄養管理のための専門的な知識・技術を有する看護師、薬剤師及び管理栄養士等の養成を目的とした研修であること。」
出典:同 第19の1の(3)ア・イ(原文どおり。イはこの一文の後に研修の内容が続く)
研修が「次の事項に該当する研修であること」として、アとイの2つの条件が並んでいます。そのうえで、イは研修に含む内容を12項目挙げています。
| 記号 | 研修に含む内容 |
|---|---|
| (イ) | 栄養障害例の抽出・早期対応(スクリーニング法) |
| (ロ) | 栄養薬剤・栄養剤・食品の選択・適正使用法の指導 |
| (ハ) | 経静脈栄養剤の側管投与法・薬剤配合変化の指摘 |
| (ニ) | 経静脈輸液適正調剤法の取得 |
| (ホ) | 経静脈栄養のプランニングとモニタリング |
| (ヘ) | 経腸栄養剤の衛生管理・適正調剤法の指導 |
| (ト) | 経腸栄養・経口栄養のプランニングとモニタリング |
| (チ) | 簡易懸濁法の実施と有用性の理解 |
| (リ) | 栄養療法に関する合併症の予防・発症時の対応 |
| (ヌ) | 栄養療法に関する問題点・リスクの抽出 |
| (ル) | 栄養管理についての患者・家族への説明・指導 |
| (ヲ) | 在宅栄養・院外施設での栄養管理法の指導 |
出典:同 第19の1の(3)イ(イ)〜(ヲ)
通知は、研修の実施者を「医療関係団体等」と書くだけで、特定の学会や資格の名前を挙げていません。要件は「誰が認定したか」の名前ではなく、教育施設・時間・修了証・目的・内容という条件で書かれています。
比べると、医師の研修は条件が違います。通知の(2)は、医師の研修を10時間以上を要する研修とし、栄養不良がもたらす影響から栄養サポートチームの運営方法まで、7つの内容を含むものとしています。
研修の修了が要件になる仕組みは、特定保健指導にもあります。栄養士等が食生活の支援を担うための告示の研修は特定保健指導の研修|栄養士が支援を担う条件は、告示が定める計30時間の研修ですで扱っています。
対象になる患者と、1チームで見る人数
施設基準の告示は、対象患者を次のように定めています。
「栄養障害の状態にある患者又は栄養管理を行わなければ栄養障害の状態になることが見込まれる患者であって、栄養管理計画が策定されているものであること。」
出典:基本診療料の施設基準等(令和8年厚生労働省告示第70号による改正後)第八の二十八の(2)(原文どおり)
留意事項通知は、栄養管理計画を策定している患者のうち、算定できる人をアからエに分けています。
| 記号 | 算定できる患者 |
|---|---|
| ア | 栄養スクリーニングの結果を踏まえ、GLIM基準による栄養評価を行い、低栄養と判定された患者 |
| イ | 経口摂取又は経腸栄養への移行を目的として、現に静脈栄養法を実施している患者 |
| ウ | 経口摂取への移行を目的として、現に経腸栄養法を実施している患者 |
| エ | 栄養サポートチームが、栄養治療により改善が見込めると判断した患者 |
出典:診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について(令和8年3月5日保医発0305第6号)別添1 A233-2(2)
1チームが見る人数の目安も、同じ通知にあります。
「1日当たりの算定患者数は、1チームにつき概ね30人以内とする。ただし、「注2」に規定する点数を算定する場合、1日当たりの算定患者数は、1チームにつき概ね15人以内とする。」
出典:同 A233-2(3)(原文どおり)
療養病棟、結核病棟及び精神病棟では、加算は入院日から起算して180日以内に限り算定でき、180日を超えても定期的に栄養管理を行うことが望ましい、とされています(同 A233-2(4))。
チームの仕事:計画書、報告書、週1回程度のカンファレンス
留意事項通知は、加算の趣旨を次のように書いています。
「栄養サポートチーム加算は、栄養障害の状態にある患者や栄養管理をしなければ栄養障害の状態になることが見込まれる患者に対し、患者の生活の質の向上、原疾患の治癒促進及び感染症等の合併症予防等を目的として、栄養管理に係る専門的知識を有した多職種からなるチーム(以下「栄養サポートチーム」という。)が診療することを評価したものである。」
出典:同 A233-2(1)(原文どおり)
チームがする診療は、同じ通知の(5)と(6)に並んでいます。
| 通知の記号 | 内容 |
|---|---|
| (5)ア | 栄養状態の改善に係るカンファレンス及び回診が週1回程度開催されている |
| (5)イ | 担当の保険医、看護師等と共同で、別紙様式5又はこれに準じた栄養治療実施計画を作成し、患者等に説明の上交付する |
| (5)ウ | 計画に基づいて治療を実施し、適宜フォローアップを行う |
| (5)エ | 治療終了時又は退院・転院時に治療結果を評価し、栄養治療実施報告書として記録し、写しを患者等に交付する |
| (6)ア | 加算の対象になっていない患者を担当する保険医、看護師等からの相談に速やかに応じる |
| (6)イ | 褥瘡対策チーム、感染制御チーム、緩和ケアチーム、摂食嚥下支援チーム等との合同カンファレンスを、必要に応じて開催する |
出典:同 A233-2(5)・(6)
計画書と報告書を患者に文書で交付し説明することは、施設基準の告示にも書かれています(告示第八の二十八の(1)ロ・ハ)。チームの仕事は、回診とカンファレンスだけでなく、書類を作って患者に渡すところまで含みます。
チームでの診療とは別に、個別の入院栄養食事指導料も算定されています。国の統計では1か月177,070回で、99.5%が病院です。件数の内訳は病院の栄養指導の件数とノルマ|1か月476,421回、入院分は99.5%が病院。点数表が決めているのは1回ごとの点数ですで扱っています。
研修とNSTでの経験は、集中治療室の加算の要件にもなっています
栄養サポートチームの研修は、この加算の中だけで終わりません。施設基準の通知は、集中治療室などの早期栄養介入管理加算で、専任で配置する管理栄養士に次の要件を求めています。
「別添3の第19の1の(3)に規定する研修を修了し、栄養サポートチームにおいて栄養管理に係る3年以上の経験を有すること」
出典:基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(令和8年3月5日保医発0305第7号)別添4 救命救急入院料の「注9」に掲げる早期栄養介入管理加算の施設基準(1)ア(原文どおり)
「別添3の第19の1の(3)」は、前の節で見た40時間以上の研修のことです。同じ要件は、救命救急入院料の「注9」、特定集中治療室管理料の「注5」、ハイケアユニット入院医療管理料の「注4」、脳卒中ケアユニット入院医療管理料の「注4」、小児特定集中治療室管理料の「注4」の、5つの早期栄養介入管理加算の施設基準に並んでいます。
いずれも(1)イで、あわせて集中治療を必要とする患者の栄養管理に係る3年以上の経験を求めています。
管理栄養士にとって、NSTの研修とNSTでの経験は、ほかの加算の配置要件にも使われる経歴です。通知の書き方から言えるのはここまでで、求人や給与にどう反映されるかは、本記事は取得していません。
この記事が扱っていないこと
- NST専門療法士など、国の告示・通知に出てこない資格の中身。受験の条件、更新の仕組み、名称の定義は民間の資料の領域で、本記事は取得していません。
- 特定の研修が「所定の研修」に当たるかどうか、研修を行う団体の一覧や費用。通知は条件を書いているだけで、本記事では取得していません。
- 令和8年度改定の前と後で何が変わったか。本記事は改定後の告示・通知だけを読み、改定前の版や改定の説明資料は使っていません。
- 別紙様式5(栄養治療実施計画・報告書)の欄の中身と、届出の様式34の中身。様式は取得していません。
- 注2の「厚生労働大臣が定める地域」の具体的な地域名。本記事では扱っていません。
- 加算を届け出ている病院の数、NSTに関わる管理栄養士の人数や給与。取得していません。
病院の管理栄養士が確認できること
- その病院が栄養サポートチーム加算を届け出ているか。届出は別添7の様式34を用い、加算の届出に実績は要しないとされています。
- チームの中で、管理栄養士は専任か専従か。4職種のうちいずれか1人が専従です。
- 40時間以上の研修を、いつ・どう受けるか。勤務の扱いや費用の支援は、病院ごとに確認が要ります。
- チームが見る患者数。1チーム1日概ね30人以内が目安です。
- 集中治療室などで早期栄養介入管理加算を届け出ているか。NSTでの3年以上の経験が、その配置要件の1つになっています。
よくある質問
Q. NST専門療法士の資格がないと、栄養サポートチームに入れませんか。
A. 施設基準の通知が管理栄養士に求めているのは「栄養管理に係る所定の研修を修了した」ことです。研修の条件(医療関係団体等が認定する教育施設、40時間以上、修了証の交付など)は書かれていますが、特定の資格の名前は書かれていません。ある研修が条件に当たるかは、本記事では判断していません。
Q. NSTの管理栄養士は専従でなければいけませんか。
A. 通知は、4つの職種のうち「いずれか1人は専従」としています。管理栄養士が専従と決まっているわけではありません。チームが診察する患者数が1日に15人以内なら、4人とも専任で差し支えありません。
Q. 加算は何点で、どのくらいの頻度で算定できますか。
A. 医科点数表のA233-2は、週1回200点です。療養病棟などでは入院から1月を超えると月1回になり、特定地域の点数は100点です。
Q. NSTでの経験は、ほかの仕事につながりますか。
A. 早期栄養介入管理加算の施設基準は、研修の修了と、栄養サポートチームでの3年以上の経験がある管理栄養士の専任配置を求めています。集中治療を必要とする患者の栄養管理の3年以上の経験もあわせて必要です。
迷ったらここ
NSTの有無と研修の扱いを聞く
施設基準の通知は、栄養サポートチームの管理栄養士に40時間以上の所定の研修の修了を求めています。加算は週1回200点で、1チームの算定患者数は1日概ね30人以内です。
- 栄養サポートチーム加算を届け出ているか(届出は様式34)
- チームの中で管理栄養士は専従か専任か(4職種のいずれか1人が専従)
- 40時間以上の研修を受ける時間や費用を病院がどう扱うか
まとめ
「NST専門療法士」は、診療報酬の告示・通知の栄養サポートチーム加算の項には出てこない名前です。国の要件が書いているのは、栄養管理に係る所定の研修を修了した専任の常勤の医師・看護師・薬剤師・管理栄養士でチームを作り、うち1人を専従とすることです。
管理栄養士の研修は、医療関係団体等が認定する教育施設で行う40時間以上の研修で、修了証が交付されるものと書かれ、12項目の内容を含むことが条件です。
加算は週1回200点で、1チームの算定患者数は1日概ね30人以内です。同じ研修とNSTでの3年以上の経験は、早期栄養介入管理加算の管理栄養士の要件にもなっています。

