30秒でわかるまとめ
- 社会福祉士は相談援助、介護福祉士は介護等を業とします同じ法律の第2条が、第1項で相談・助言・指導・連絡調整を、第2項で心身の状況に応じた介護と指導を定めています。
- 社会福祉士の受験資格は、第7条に12通り並んでいます12の号のどれにも、大学・短大等の卒業か、養成施設等での修得が入っています。実務経験だけで受けられる号はありません。
- 義務の5か条のうち、書き分けがあるのは連携の条です第47条は、社会福祉士には地域に即した創意と工夫を、介護福祉士には認知症等の状況に応じた連携を求めています。
- 第38回社会福祉士国家試験の合格率は60.7%でした受験者25,430人のうち合格者は15,438人です。合格者の58.6%が福祉系大学等の卒業者でした。
※介護福祉士の側の受験資格は介護福祉士になるには、介護福祉士と別の資格との比較は介護福祉士とケアマネの違いで扱っています。

まず定義:同じ第2条が、第1項と第2項で書き分けています
2つの資格は、どちらも社会福祉士及び介護福祉士法(昭和62年法律第30号)に置かれています。社会福祉士の定義は第2条第1項です。
「この法律において「社会福祉士」とは、第二十八条の登録を受け、社会福祉士の名称を用いて、専門的知識及び技術をもつて、身体上若しくは精神上の障害があること又は環境上の理由により日常生活を営むのに支障がある者の福祉に関する相談に応じ、助言、指導、福祉サービスを提供する者又は医師その他の保健医療サービスを提供する者その他の関係者(第四十七条において「福祉サービス関係者等」という。)との連絡及び調整その他の援助を行うこと(第七条及び第四十七条の二において「相談援助」という。)を業とする者をいう。」
出典:社会福祉士及び介護福祉士法(e-Gov法令API 法令ID 362AC0000000030)第2条第1項(原文どおり)
介護福祉士の定義は、すぐ下の第2条第2項です。2つを同じ項目で並べると、違いがはっきりします。
| 項目 | 社会福祉士(第2条第1項) | 介護福祉士(第2条第2項) |
|---|---|---|
| 対象となる人 | 身体上若しくは精神上の障害があること又は環境上の理由により日常生活を営むのに支障がある者 | 身体上又は精神上の障害があることにより日常生活を営むのに支障がある者 |
| 業とすること | 福祉に関する相談に応じ、助言、指導、福祉サービス関係者等との連絡及び調整その他の援助 | 心身の状況に応じた介護を行い、並びにその者及びその介護者に対して介護に関する指導を行うこと |
| 法律の中での呼び名 | 相談援助 | 介護等 |
出典:社会福祉士及び介護福祉士法 第2条第1項・第2項
違いは2つあります。1つは仕事の中身で、社会福祉士は相談と連絡調整、介護福祉士は介護とその指導です。もう1つは対象となる人の書き方で、社会福祉士の側だけに「環境上の理由により」という言葉が入っています。障害がなくても、環境上の理由で日常生活に支障がある人が、社会福祉士の対象に含まれる書き方です。
第1項の「相談援助」という呼び名は、第7条(受験資格)と第47条の2で使うと条文自身が書いています。受験資格の実務も、この相談援助の業務で数えます。
手続は、社会福祉士が第二章、介護福祉士が第三章にまとめられ、義務は第四章に共通して置かれています。介護福祉士の受験資格(第40条第2項)の中身は介護福祉士になるにはで扱っています。この記事では、社会福祉士の側の第7条を読みます。

ここが本題:社会福祉士の受験資格は、第7条の12の号です
第7条の柱書はこうです。
「社会福祉士試験は、次の各号のいずれかに該当する者でなければ、受けることができない。」
出典:社会福祉士及び介護福祉士法 第7条(原文どおり)
続く号は、第1号から第12号まであります。学校、実務、養成施設の順に整理すると、次のとおりです。
| 号 | 学校など | 指定施設での相談援助の業務 | 養成施設等 |
|---|---|---|---|
| 第1号 | 大学で指定科目を修めて卒業 | — | — |
| 第2号 | 大学で基礎科目を修めて卒業 | — | 短期養成施設等で6月以上 |
| 第3号 | 大学を卒業 | — | 一般養成施設等で1年以上 |
| 第4号 | 短大(修業年限3年)で指定科目を修めて卒業 | 1年以上 | — |
| 第5号 | 短大(修業年限3年)で基礎科目を修めて卒業 | 1年以上 | 短期養成施設等で6月以上 |
| 第6号 | 短大(修業年限3年)を卒業 | 1年以上 | 一般養成施設等で1年以上 |
| 第7号 | 短大で指定科目を修めて卒業 | 2年以上 | — |
| 第8号 | 短大で基礎科目を修めて卒業 | 2年以上 | 短期養成施設等で6月以上 |
| 第9号 | 社会福祉法に規定する養成機関の課程を修了 | 2年以上 | 短期養成施設等で6月以上 |
| 第10号 | 短大又は高等専門学校を卒業 | 2年以上 | 一般養成施設等で1年以上 |
| 第11号 | — | 4年以上 | 一般養成施設等で1年以上 |
| 第12号 | —(児童福祉司・社会福祉主事などであった期間が4年以上) | — | 短期養成施設等で6月以上 |
出典:社会福祉士及び介護福祉士法 第7条第1号〜第12号。「その他その者に準ずるものとして厚生労働省令で定める者」の部分は表から省いています
表を縦に見ると、3つのことがわかります。
- 12の号のどれにも、学校の卒業か養成施設等での修得が入っています。相談援助の実務だけで受けられる号はありません。
- 実務の年数は、学校の段階で変わります。大学卒業なら0年、修業年限3年の短大なら1年以上、短大なら2年以上、学校の要件がない第11号は4年以上です。
- 第1号だけが、卒業だけで受けられる号です。大学で指定科目を修めて卒業した人は、実務も養成施設も要りません。
第2号・第5号・第8号・第9号・第12号の「社会福祉士短期養成施設等」は6月以上、第3号・第6号・第10号・第11号の「社会福祉士一般養成施設等」は1年以上、社会福祉士として必要な知識及び技能を修得することとされています。

実務の年数は「指定施設」での相談援助の業務で数えます
第7条第4号は、実務を積む施設を「厚生労働省令で定める施設(以下この条において「指定施設」という。)」としています。その範囲は、社会福祉士及び介護福祉士法施行規則 第2条に列挙されています。介護の職場に関係するものを抜き出します。
- 第3号 医療法に規定する病院及び診療所
- 第10号 老人福祉法に規定する老人デイサービスセンター、老人短期入所施設、養護老人ホーム、特別養護老人ホーム、軽費老人ホーム、老人福祉センター及び老人介護支援センター
- 第12号 介護保険法に規定する介護保険施設及び地域包括支援センター
- 第14号 前各号に掲げる施設に準ずる施設として厚生労働大臣が認める施設
出典:社会福祉士及び介護福祉士法施行規則(e-Gov法令API 法令ID 362M50000100049)第2条第3号・第10号・第12号・第14号
ここで注意したいのは、第7条が数えているのは「指定施設において○年以上相談援助の業務に従事した」期間だという点です。特別養護老人ホームや介護保険施設は指定施設に入っていますが、条文が求めているのはその施設で相談援助の業務に就いた期間です。施設で働いた期間そのものではありません。
どの職種・どの業務が「相談援助の業務」に当たるかの細かい範囲は、法と施行規則の条文には書かれていません。本記事はその範囲を定めた資料を取得していません。受験を考えるときは、試験を実施する指定試験機関の受験資格の案内で確かめてください。
登録して、はじめて名乗れます:第28条と第42条
試験に合格しただけでは、まだ社会福祉士ではありません。第28条です。
「社会福祉士となる資格を有する者が社会福祉士となるには、社会福祉士登録簿に、氏名、生年月日その他厚生労働省令で定める事項の登録を受けなければならない。」
出典:社会福祉士及び介護福祉士法 第28条(原文どおり)
社会福祉士登録簿は厚生労働省に備えるとされています(第29条)。介護福祉士の登録は第42条第1項が同じ形で定め、手続は社会福祉士の条文を借りる作りです。第42条第2項は、第29条から第34条までを介護福祉士の登録に準用し、「社会福祉士登録簿」を「介護福祉士登録簿」と読み替えると定めています。手続の違いは、登録簿と登録証の名前が違うことにとどまります(第28条、第29条、第42条)。
厚生労働省の資料によると、社会福祉士の登録者は321,884人(令和8年1月末現在)です。
出典:厚生労働省「第38回社会福祉士国家試験合格発表」参考資料「5 社会福祉士登録者」
義務は5か条。書き分けがあるのは第47条だけです
第四章「社会福祉士及び介護福祉士の義務等」の条は、主語を「社会福祉士及び介護福祉士は」「社会福祉士又は介護福祉士は」とまとめて書いています。例外が第47条(連携)で、第1項が社会福祉士、第2項が介護福祉士です。
| 条 | 見出し | 2つの資格で違うところ |
|---|---|---|
| 第44条の2 | 誠実義務 | なし(共通) |
| 第45条 | 信用失墜行為の禁止 | なし(共通) |
| 第46条 | 秘密保持義務 | なし(共通) |
| 第47条 | 連携 | 第1項が社会福祉士、第2項が介護福祉士 |
| 第47条の2 | 資質向上の責務 | 「相談援助又は介護等に関する」知識及び技能 |
出典:社会福祉士及び介護福祉士法 第44条の2、第45条、第46条、第47条、第47条の2
第47条の第1項と第2項を並べます。
「社会福祉士は、その業務を行うに当たつては、その担当する者に、福祉サービス及びこれに関連する保健医療サービスその他のサービス(次項において「福祉サービス等」という。)が総合的かつ適切に提供されるよう、地域に即した創意と工夫を行いつつ、福祉サービス関係者等との連携を保たなければならない。」
出典:社会福祉士及び介護福祉士法 第47条第1項(原文どおり)
「介護福祉士は、その業務を行うに当たつては、その担当する者に、認知症(介護保険法(平成九年法律第百二十三号)第五条の二第一項に規定する認知症をいう。)であること等の心身の状況その他の状況に応じて、福祉サービス等が総合的かつ適切に提供されるよう、福祉サービス関係者等との連携を保たなければならない。」
出典:社会福祉士及び介護福祉士法 第47条第2項(原文どおり)
連携を保つ相手(福祉サービス関係者等)と、目指すところ(福祉サービス等が総合的かつ適切に提供されること)は同じです。違うのは連携するときに何に応じるかです。
- 社会福祉士は「地域に即した創意と工夫を行いつつ」。地域の側を見る書き方です。
- 介護福祉士は「認知症……であること等の心身の状況その他の状況に応じて」。担当する人の心身の側を見る書き方です。
名称の使用制限は、両方とも第48条です
「社会福祉士でない者は、社会福祉士という名称を使用してはならない。」
出典:社会福祉士及び介護福祉士法 第48条第1項(原文どおり)
第48条第2項は、同じ形で介護福祉士の名称を定めています。2つの資格とも、この法律が制限しているのは名称の使用です。本記事が読んだ範囲で、この法律に、相談援助や介護等の業務そのものを資格者に限る条はありませんでした。
ただし、職場によっては、別の法令の基準で社会福祉士が人員の要件の1つとして挙げられていることがあります。その例は生活相談員の資格要件で扱っています。
試験の実施状況:第38回は受験者25,430人、合格率60.7%
厚生労働省は、令和8年3月3日に第38回社会福祉士国家試験の結果を公表しています。試験日は令和8年2月1日です。
受験者数は25,430人、合格者数は15,438人、合格率は60.7%でした。4回前の第34回の合格率は31.1%です。
出典:厚生労働省「第38回社会福祉士国家試験合格発表」(令和8年3月3日)本文および参考資料「3 これまでの試験結果」
合格者の内訳は、受験資格別に福祉系大学等卒業者9,047人(58.6%)と養成施設卒業者6,391人(41.4%)の2つで公表されています。足すと15,438人で、合格者数と一致します。第7条の表で見た学校の側と養成施設の側に、合格者もほぼ6対4で分かれています。
出典:厚生労働省「第38回社会福祉士国家試験合格発表」参考資料「4 合格者の内訳(1)受験資格別」
合格率の上下だけで試験の易しさを判断できるかどうかは、この資料からは読み取れません。第38回の合格基準は、別紙として公表されています。介護福祉士試験の数字の読み方は介護福祉士国家試験の難易度で扱っています。
この記事が扱っていないこと
- 「相談援助の業務」に当たる職種・業務の細かい範囲。法と施行規則の条文には書かれておらず、本記事はその範囲を定めた資料を取得していません。
- 指定科目・基礎科目の中身。文部科学省令・厚生労働省令の領域で、本記事は取得していません。
- 受験手数料・登録手数料の金額。社会福祉士及び介護福祉士法施行令に定めがありますが、本記事では扱っていません。
- 合格基準点。第38回の分は別紙として公表されていますが、本記事は取得していません。
どちらを目指すか考えるときに確認できること
- やりたい仕事は相談と連絡調整か、介護とその指導か。第2条第1項と第2項の書き分けが、そのまま2つの資格の違いです。
- 自分が第7条の第何号に当たるか。最終学歴と、指定施設での相談援助の業務の年数で決まります。
- いまの職場が指定施設に入っているか。特別養護老人ホームや介護保険施設は施行規則 第2条に入っています。
- いまの業務が相談援助の業務に当たるか。施設で働いた期間そのものは数えません。指定試験機関の案内で確かめてください。
よくある質問
Q. 社会福祉士と介護福祉士は、どちらが上の資格ですか。
A. 条文の上に上下はありません。第2条第1項と第2項に並んで定義され、仕事の中身が相談援助か介護等かで違います。
Q. 介護の仕事を長く続ければ、社会福祉士の受験資格になりますか。
A. 第7条が数えるのは、指定施設で相談援助の業務に従事した期間です。第11号の場合は、4年以上の相談援助の業務に加えて、一般養成施設等で1年以上の修得が要ります。実務だけで受けられる号はありません。
Q. 資格がないと、相談の仕事はできませんか。
A. この法律が制限しているのは「社会福祉士」という名称の使用です(第48条第1項)。本記事が読んだ範囲で、相談援助の業務そのものを資格者に限る条はありませんでした。職場ごとの人員の要件は、別の法令の基準を確かめる必要があります。
Q. 両方の資格を持つと、義務は2倍になりますか。
A. 義務の条の多くは「社会福祉士又は介護福祉士は」とまとめて書かれています。項を分けているのは第47条(連携)だけで、社会福祉士には地域に即した創意と工夫、介護福祉士には認知症等の心身の状況に応じた連携が書かれています。
迷ったらここ
社会福祉士の受験資格は第7条で確かめる
社会福祉士の受験資格は第7条に12の号で並び、どの号にも学校の卒業か養成施設等での修得が入っています。実務の年数は、指定施設で相談援助の業務に従事した期間で数えます。
- 自分の最終学歴が第7条の第何号に当たるか(大学・修業年限3年の短大・短大など)
- いまの職場が施行規則第2条の指定施設に入っているか(特別養護老人ホーム・介護保険施設など)
- いまの業務が相談援助の業務に当たるか(施設で働いた期間そのものは数えない)
まとめ
社会福祉士と介護福祉士は、同じ法律の第2条第1項と第2項で書き分けられた資格です。社会福祉士は相談援助、介護福祉士は介護等を業とし、社会福祉士の対象には「環境上の理由」が入っています。
社会福祉士の受験資格は第7条の12の号で、どの号にも学校の卒業か養成施設等での修得が入っています。実務は指定施設での相談援助の業務で数えます。義務の条で書き分けがあるのは第47条(連携)だけです。第38回社会福祉士国家試験は、受験者25,430人、合格者15,438人、合格率60.7%でした。

