30秒でわかるまとめ
- 訪問看護師が使う計画書の記載要領は、項目が7つです利用者の情報、目標、年月日、療養上の課題・支援内容と評価、衛生材料等、訪問予定の職種、備考の7つです。
- 「問題点・解決策」の欄は、名前が変わっています令和6年の版から「療養上の課題・支援内容」になり、令和8年の最新版も同じ名前を使っています。
- 衛生材料等の必要量は、1ヶ月間の量で書きます処置の有無に○をつけ、処置の内容と衛生材料等を具体的に書き、必要量は1ヶ月間に必要となる量です。
- 訪問予定の職種は、看護職員だけなら書かなくてもかまいません理学療法士等も訪問する場合は、職種と訪問日を利用者に分かるように書くことになっています。
※訪問看護の2つの制度と根拠の省令の違いは訪問看護の仕事内容と1日、計画書を誰が作り、どう交付するかは訪問看護が一人で不安なあなたへで扱っています。

先に確認:この記事の元になる通知は、令和8年の版です
訪問看護計画書の欄と書き方を示しているのは、厚生労働省保険局医療課長の通知「訪問看護計画書等の記載要領等について」です。本記事は、厚生労働省のサイトに掲載されている令和8年3月27日付け保医発0327第10号を原本として読みました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 通知 | 訪問看護計画書等の記載要領等について(令和8年3月27日 保医発0327第10号) |
| 適用 | 令和8年6月1日から(訪問看護療養費の算定方法を改正する令和8年厚生労働省告示第74号等の公布に伴う) |
| 廃止された前の版 | 令和6年3月27日 保医発0327第6号(令和8年5月31日限り廃止) |
| 計画書・報告書の様式 | 別紙様式1及び2を標準。精神疾患を有する者等を対象とする場合は別紙様式3及び4を標準 |
| 記録書の様式 | 参考様式1から5までに準じて、利用者毎に作成 |
出典:訪問看護計画書等の記載要領等について(令和8年3月27日保医発0327第10号)前文・第一の1
様式は「標準として」作成するもの、とされています。事業所が使っている計画書の見た目が様式と少し違っても、欄の考え方はこの記載要領に沿っています。
計画書を作る義務そのものは、運営基準の省令にあります。条文の書き分けは上の2本の記事で扱っているので、本記事では欄に何を書くかだけを扱います。

医療保険と介護保険の給付調整の通知も、令和8年3月27日付けで改正されています。どちらの保険で訪問看護を行うかの決まりは訪問看護の医療保険と介護保険|要介護者は介護保険が先。医療保険になる場合は告示に3つですで扱っています。
計画書の欄は、7つの項目に分けて示されています
記載要領の「計画書に関する事項」は、①から⑦までの7項目です。
| 項目 | 欄 | 記載要領が示すこと(要約) |
|---|---|---|
| ① | 利用者氏名/生年月日/要介護認定の状況/住所 | 必要な事項を記入する |
| ② | 看護・リハビリテーションの目標(精神科の様式では「看護の目標」) | 主治医の指示書と、訪問による利用者の療養状況を踏まえて目標を設定する |
| ③ | 年月日 | 計画書の作成年月日と、計画の見直しを行った年月日 |
| ④ | 療養上の課題・支援内容/評価 | 目標を踏まえ、療養上の課題及び支援内容並びに評価を具体的に記入する |
| ⑤ | 衛生材料等が必要な処置の有無/処置の内容/衛生材料等/必要量 | 有無に○、処置の内容と衛生材料等を具体的に、必要量は1ヶ月間に必要となる量 |
| ⑥ | 訪問予定の職種 | 訪問予定の職種と訪問日を、利用者に分かるように記載する |
| ⑦ | 備考 | 訪問の計画、特別な管理を要する内容、他のサービスの利用状況、その他留意すべき事項等 |
出典:同通知 第一の2の(1)①〜⑦

目標は、指示書と訪問で見た療養状況から立てます
②の目標の欄について、記載要領はこう書いています。
「主治医の指示書及び訪問による利用者の療養状況を踏まえて看護及びリハビリテーションの目標を設定し、記入すること。」
出典:訪問看護計画書等の記載要領等について(令和8年3月27日保医発0327第10号)第一の2の(1)②(原文どおり)
根拠は主治医の指示書と訪問して確かめた療養状況の2つです。指示書を写すだけでは、この書き方に合いません。
③の年月日の欄には、作成した年月日に加えて、計画の見直しを行った年月日を書きます。計画書は一度作って終わりではなく、見直しの日付が残る作りです。
ここが本題:「療養上の課題・支援内容」と「評価」の欄
計画書のなかで、書く人によって差が出やすいのが④の欄です。
「看護及びリハビリテーションの目標を踏まえ、指定訪問看護を行う上での療養上の課題及び支援内容並びに評価を具体的に記入すること。」
出典:訪問看護計画書等の記載要領等について(令和8年3月27日保医発0327第10号)第一の2の(1)④(原文どおり)
出発点は目標で、書くのは課題とそれに対する支援内容、そして評価です。どれも「具体的に」記入するものとされています。
欄の名前は、令和6年の版で変わりました
| 版 | ④の欄の名前 |
|---|---|
| 令和2年3月27日 保医発0327第2号 | 「問題点・解決策」及び「評価」 |
| 令和6年3月27日 保医発0327第6号 | 「療養上の課題・支援内容」及び「評価」 |
| 令和8年3月27日 保医発0327第10号(最新) | 「療養上の課題・支援内容」及び「評価」 |
出典:各版の第一の2の(1)④
古い様式では「問題点・解決策」のまま残っていることがあります。いまの標準は「療養上の課題・支援内容」です。
介護保険側の通知には「評価」の欄の一文があります
介護保険の訪問看護は、別の通知「訪問看護計画書及び訪問看護報告書等の取扱いについて」(平成12年3月30日老企第55号)が記載要領を示しています。令和6年の改正部分(抄)では、④の欄はこうです。
「看護・リハビリテーションの目標を踏まえ、指定訪問看護を行う上での療養上の課題及び支援内容並びに評価を具体的に記入すること。なお、「評価」の欄については、初回の訪問看護サービス開始時においては、空欄であっても差し支えない。」
出典:訪問看護計画書及び訪問看護報告書等の取扱いについて(平成12年3月30日老企第55号)令和6年改正の新旧対照(抄)2の(2)④ 新(原文どおり)
介護保険側では、初回の訪問看護サービス開始時は「評価」の欄が空欄でも差し支えないと明記されています。医療保険側の令和8年の版には、この一文はありません。
記載要領の項目に沿った架空のイメージ
次の表は、記載要領の④の項目(目標を踏まえた課題・支援内容・評価)の並びを見せるために編集部が作った架空のイメージです。記載要領や様式に載っている例ではありません。実際の記入は、主治医の指示書と訪問で確かめた療養状況によって変わります。
| 欄 | 架空のイメージ |
|---|---|
| 看護・リハビリテーションの目標 | 自宅での入浴を続けながら、皮膚の状態を悪化させずに過ごす |
| 療養上の課題 | 入浴後の皮膚の観察が家族だけでは難しい |
| 支援内容 | 訪問時に皮膚の状態を観察し、家族に観察する箇所と連絡の目安を説明する |
| 評価 | 家族が観察する箇所を説明できるか、皮膚の状態に変化がないかを見直しの時に確かめる |
ポイントは、目標→課題→支援内容→評価が一本の線でつながっていることです。
衛生材料等の欄は、処置と1ヶ月間の量をそろえます
⑤は、処置に使う衛生材料等の欄です。
| 欄 | 書き方 |
|---|---|
| 衛生材料等が必要な処置の有無 | 有・無に○をつける |
| 処置の内容 | 処置がある場合に、具体的に記入する |
| 衛生材料等 | 具体的に記入する(様式1の欄の見出しは「衛生材料(種類・サイズ)等」) |
| 必要量 | 1ヶ月間に必要となる量を記入する |
出典:同通知 第一の2の(1)⑤、別紙様式1
必要量の単位は1ヶ月間で、1回あたりの量ではありません。報告書の「衛生材料等の使用量および使用状況」の欄も1ヶ月間における使用量を書くので、計画書と報告書で同じ単位の数字が並びます。
訪問予定の職種と備考は、利用者が読む前提で書きます
⑥の「訪問予定の職種」の欄です。
「訪問予定の職種及びその訪問日について、利用者に分かるように記載すること。利用者の状態や提供するサービスの状況等によって、訪問予定の職種と、実際に訪問を行う職種とが異なっても差し支えないが、利用者への十分な説明に努めること。なお、看護職員のみによる訪問の場合には、当該欄の記載をしなくても差し支えない。」
出典:訪問看護計画書等の記載要領等について(令和8年3月27日保医発0327第10号)第一の2の(1)⑥(原文どおり)
記載要領は、書き方の例を2つ載せています。
| 記載例 | 書き方 |
|---|---|
| 記載例1(日付で書く) | 1・8・15・22・29日:看護師/4・11・18・25日:理学療法士又は作業療法士 |
| 記載例2(曜日で書く) | 看護職員:週に2回、月・金曜日に訪問/理学療法士:週に1回、木曜日に訪問 |
出典:同通知 第一の2の(1)⑥(記載例1・記載例2)
様式1のこの欄には「※当該月に理学療法士等による訪問が予定されている場合に記載」と添え書きがあります。看護職員だけで訪問する月は空けてかまわず、理学療法士等が入る月に書く欄です。
⑦の備考には、利用者に対する訪問の計画、特別な管理を要する内容、他の保健、医療又は福祉サービスの利用状況、その他留意すべき事項等を書きます。ほかの欄に収まらない前提条件を集める場所です。
計画書と対になるのが、報告書と記録書です
同じ通知は、主治医に出す訪問看護報告書と、事業所で作る訪問看護記録書の書き方も示しています。計画書の欄とつながるところを抜き出します。
| 書類 | 計画書とつながる欄・定め |
|---|---|
| 報告書「訪問日」 | 看護職員の訪問日を○、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士の訪問日を◇で囲む。1日に2回以上訪問した日は◎ |
| 報告書「衛生材料等の種類・量の変更」 | 変更の必要性の有無に○。種類・サイズ・量の変更が必要な場合に変更内容を記入 |
| 報告書「特記すべき事項」 | ほかの欄以外に主治医に報告する必要のある事項 |
| 記録書Ⅰ・Ⅱ | Ⅰは初回訪問時等に把握した基本的な情報、Ⅱは訪問毎に記入 |
出典:同通知 第一の2の(2)②・⑦・⑨・(3)①
継続して訪問している利用者で、その月に1回しか訪問しなかった場合は、記録書Ⅱの複写を報告書として差し支えないとされています。
計画書の「評価」の欄とつながるのが、記録書に関する次の定めです。
「指定訪問看護の提供に当たっては、目標達成の程度及びその効果等について評価を行うとともに、評価に関する内容を訪問看護記録書に記録すること。また、必要に応じて訪問看護計画書の見直しを行い、指定訪問看護の改善を図る等に努めなければならないものであること。」
出典:訪問看護計画書等の記載要領等について(令和8年3月27日保医発0327第10号)第一の2の(3)③(原文どおり)
評価は記録書にも残し、必要に応じて計画書を見直して、その日付を③の年月日の欄に書く流れです。
令和8年の版で変わったところ
前の版(令和6年3月27日保医発0327第6号)と最新の版を突き合わせると、次の違いがありました。
| 箇所 | 令和6年の版 | 令和8年の版 |
|---|---|---|
| 一般的事項 | (4)に、自筆の署名(電子的な署名を含む。)がある場合には印は不要とする定め | この項目はない |
| 別紙様式1〜4の管理者氏名欄 | 「印」の文字がある | 「印」の文字はない |
| 記録書の参考様式 | 参考様式1から4まで | 参考様式1から5まで |
| 記録書Ⅱに記入する事項 | 訪問年月日、訪問職種、病状・バイタルサイン等 | 訪問年月日に続けて訪問時間(実際の指定訪問看護の開始時刻及び終了時刻)が加わった |
| 記録書Ⅲ | なし | 包括型訪問看護療養費を算定する利用者について、1日ごとに作成 |
出典:訪問看護計画書等の記載要領等について(令和6年3月27日保医発0327第6号/令和8年3月27日保医発0327第10号)を編集部が突き合わせた
計画書の①〜⑦の中身は、令和6年の版と令和8年の版で変わっていません。変わったのは、押印の扱いと、記録書などの側です。様式に「印」が残っているかで、使っている様式の版の見当がつきます。
この記事が扱っていないこと
- 計画書を作成・交付する義務の条文。冒頭の2本の記事で扱っています。
- 介護保険側の通知(老企第55号)の全文。本記事は令和6年改正の新旧対照(抄)だけを取得しています。介護保険側の様式の細部は取得していません。
- 包括型訪問看護療養費や長時間訪問看護加算などの算定要件。告示・通知の領域で、本記事は取得していません。
- 訪問看護指示書の様式と書き方。主治医が書く書類で、本記事は取得していません。
- 計画書の保存期間。本記事が読んだ令和8年の記載要領には書かれておらず、ほかの資料は取得していません。
訪問看護の職場で確認できること
- 計画書の様式は、どの版に沿っているか。④の欄が「療養上の課題・支援内容」になっているか、管理者氏名の横に「印」が残っていないかで見分けられます。
- 介護保険と医療保険で、様式を分けているか。介護保険側は別の通知(老企第55号)が記載要領を示しています。
- 計画の見直しの日付を、どこに残しているか。③の年月日の欄は、作成年月日と見直しの年月日の両方を書く欄です。
- 評価を記録書に残す流れがあるか。記載要領は、評価に関する内容を訪問看護記録書に記録することとしています。
よくある質問
Q. 訪問看護計画書は、決まった様式で書かないといけませんか。
A. 記載要領は、計画書と報告書を「別紙様式1及び2を標準として作成する」としています。精神疾患を有する者等を対象とする場合は別紙様式3及び4が標準です。「標準として」なので、事業所ごとに見た目が違うことはありますが、欄の考え方は記載要領に沿います。
Q. 「問題点・解決策」と書いてある様式を使っています。問題はありますか。
A. 令和2年の版まではその名前で、令和6年の版から「療養上の課題・支援内容」に変わりました。令和8年の最新版も同じです。様式の更新は事業所に確認してください。
Q. 初回の計画書で「評価」の欄は空けてよいですか。
A. 介護保険側の通知(老企第55号・令和6年改正)は、初回の訪問看護サービス開始時は「評価」の欄が空欄であっても差し支えないと明記しています。医療保険側の令和8年の記載要領には、この一文はありません。
Q. 報告書を書く時間がないとき、記録書で代えられますか。
A. 継続して訪問している利用者で、その月に1回しか訪問しなかった場合に限り、記録書Ⅱの複写を報告書として差し支えないとされています。それ以外の場合について、記載要領は定めていません。
迷ったらここ
計画書の様式の版を確かめる
記載要領の最新版は令和8年3月27日付けで、④の欄名は「問題点・解決策」から「療養上の課題・支援内容」に変わっています。職場で使う様式がどの版に沿っているかで、書き方のすり合わせが変わります。
- 計画書の④の欄が「療養上の課題・支援内容」になっているか
- 計画の見直しの年月日と評価を、計画書と記録書のどこに残すか
- 理学療法士等が訪問する月の「訪問予定の職種」の書き方が決まっているか
まとめ
訪問看護計画書の書き方は、厚生労働省の通知「訪問看護計画書等の記載要領等について」が示しています。最新は令和8年3月27日保医発0327第10号で、令和8年6月1日から適用されています。
計画書の項目は①利用者の情報、②目標、③年月日、④療養上の課題・支援内容と評価、⑤衛生材料等、⑥訪問予定の職種、⑦備考の7つです。目標は主治医の指示書と訪問で確かめた療養状況から立て、④はその目標を踏まえて具体的に書きます。
衛生材料等の必要量は1ヶ月間の量、訪問予定の職種は看護職員だけなら書かなくても差し支えない欄です。評価は記録書にも残し、必要に応じて計画書を見直します。令和8年の版では押印の扱いと記録書・報告書の側が変わり、計画書の7項目の中身は前の版と同じです。

