主任ケアマネの要件|省令は「十分な知識と経験」、年数は国のガイドラインにあります

目次

30秒でわかるまとめ

  • 主任ケアマネは、研修を修了したケアマネのことです介護保険法施行規則が、主任介護支援専門員研修を修了した介護支援専門員と書いています。
  • 修了から5年ごとに、更新研修の修了が求められます省令は、修了日から5年を経過するごとに主任介護支援専門員更新研修を修了していることを条件にしています。
  • 研修を受ける年数は、省令ではなく国の通知にあります専任の介護支援専門員として通算5年(60ヶ月)以上、などの受講対象者が示されています。
  • 居宅介護支援事業所の管理者は、原則として主任ケアマネです地域包括支援センターにも、主任介護支援専門員を置く基準が施行規則に書かれています。

※ケアマネになる前の受験資格はケアマネの受験資格、介護福祉士との違いは介護福祉士とケアマネの違いで扱っています。この記事は、ケアマネになった後の「主任」の段を読みます。

相談面談(ケアマネ)

先に整理します:要件は2つの層に分かれています

「主任ケアマネの要件」と言われるものは、書かれている場所が2つに分かれています。

層書かれている場所書かれていること
省令介護保険法施行規則 第140条の66、第140条の68主任介護支援専門員の定義、研修の目的と対象の書き方、5年ごとの更新研修
国の通知・ガイドライン「介護支援専門員資質向上事業の実施について」、介護支援専門員資質向上事業ガイドライン研修を受けられる人の具体的な年数、研修の時間数

出典:介護保険法施行規則(e-Gov法令API 法令ID 411M50000100036)、厚生労働省「介護支援専門員資質向上事業ガイドライン」(令和5年4月)。整理は編集部

「5年」という数字は、省令の側にも通知の側にも出てきますが、意味が違います。省令の5年は更新研修の周期、通知の5年は研修を受けるまでの実務の期間です。以下、順に読みます。

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まず定義:主任ケアマネは「研修を修了した介護支援専門員」です

主任介護支援専門員という言葉の定義は、意外な場所にあります。地域包括支援センターの職員の基準を定めた、介護保険法施行規則 第140条の66第1号イ(3)です。

「主任介護支援専門員(介護支援専門員であって、第百四十条の六十八第一項第一号に規定する主任介護支援専門員研修を修了した者(当該研修を修了した日(以下この(3)において「修了日」という。)から起算して五年を経過した者にあっては、修了日から起算して五年を経過するごとに、当該経過する日までの間に、同項第二号に規定する主任介護支援専門員更新研修を修了している者に限る。)をいう。)」

出典:介護保険法施行規則 第140条の66第1号イ(3)(原文どおり)

分けると、条件は2つです。

  • 介護支援専門員であること。
  • 主任介護支援専門員研修を修了していること。修了日から5年を経過した人は、5年ごとに主任介護支援専門員更新研修を修了していること。

主任ケアマネは別の国家資格ではなく、ケアマネが研修を修了して名乗る段です。そして5年ごとの更新研修を修了していなければ、条文上の主任介護支援専門員には当たらなくなる書き方です。

勉強中に考え込む

研修の目的と対象は、省令にこう書かれています

研修そのものを定めているのが、第140条の68(都道府県知事が行う研修)です。

研修の目的は「他の保健医療サービス又は福祉サービスを提供する者との連絡調整、他の介護支援専門員に対する助言、指導その他の介護支援サービス……を適切かつ円滑に提供するために必要な業務に関する知識及び技術を修得すること」とされています。

号研修対象
第1項第1号主任介護支援専門員研修介護支援専門員の業務に関し十分な知識と経験を有する介護支援専門員
第1項第2号主任介護支援専門員更新研修主任介護支援専門員

出典:介護保険法施行規則 第140条の68第1項

省令が書いているのは「十分な知識と経験を有する」までで、何年という数字はありません。具体的な線引きは、次に見る国の通知の側にあります。

なお同条第3項は、主任介護支援専門員更新研修を受けた主任介護支援専門員は、ケアマネ本体の更新研修を受けた者とみなすと定めています。

ここが本題:受講できる人は、国のガイドラインに4つ並んでいます

厚生労働省「介護支援専門員資質向上事業ガイドライン」(令和5年4月)は、通知「介護支援専門員資質向上事業の実施について」(平成26年7月4日老発0704第2号)から引いて、主任介護支援専門員研修の受講対象者を示しています。

前提として、居宅サービス計画書等を提出させ、利用者の自立支援に資するケアマネジメントが実践できていると認められる者であることが置かれ、そのうえで次の①〜④のいずれかに該当することが求められます。

#受講対象者
①専任の介護支援専門員として従事した期間が通算して5年(60ヶ月)以上である者(管理者との兼務は期間として算定できる)
②ケアマネジメントリーダー養成研修を修了した者又は日本ケアマネジメント学会等が認定する認定ケアマネジャーであって、専任の介護支援専門員として従事した期間が通算して3年(36ヶ月)以上である者(管理者との兼務は期間として算定できる)
③主任介護支援専門員に準ずる者として、現に地域包括支援センターに配置されている者
④その他、介護支援専門員の業務に関し十分な知識と経験を有する者であり、都道府県が適当と認める者

出典:厚生労働省「介護支援専門員資質向上事業ガイドライン」(令和5年4月)15ページ「介護支援専門員資質向上事業各課程の受講対象者」

さらに、①〜④のいずれかに加えて、専門研修課程Ⅰ及び専門研修課程Ⅱ(又は実務経験者に対する介護支援専門員更新研修)を修了していることが条件です。

読みどころは3つあります。

  • 「専任の」介護支援専門員としての期間です。ただし管理者との兼務は算定できる、と書き添えられています。
  • 認定ケアマネジャー等なら3年(36ヶ月)で、①より短い道があります。
  • 都道府県が、実情に応じて受講要件を追加することは差し支えないとされています。住んでいる都道府県の要件が、この一覧より厳しい場合があります。

研修は合計70時間以上です

同じガイドラインは、主任介護支援専門員研修の科目と時間数について「合計70時間以上とする」と示しています(同通知の別添から引いたものとして掲載)。

科目には、主任介護支援専門員の役割と視点、ケアマネジメントの実践における倫理的な課題に対する支援、人材育成及び業務管理、地域援助技術(コミュニティソーシャルワーク)、対人援助者監督指導(スーパービジョン)などが並びます。

出典:同ガイドライン 89ページ〜97ページ

科目の中心は、自分のケアマネジメントよりも、ほかの介護支援専門員への指導・支援と地域づくりに置かれています。省令が研修の目的に「他の介護支援専門員に対する助言、指導」を書いていることと、向きがそろっています。

5年ごとの更新研修

定義の条文どおり、主任介護支援専門員であり続けるには、修了日から5年を経過するごとに更新研修を修了している必要があります。

更新研修の受講対象者について、ガイドラインは「主任介護支援専門員研修終了証明書」の有効期間がおおむね2年以内に満了する者(表記はガイドラインのまま)であって、次の項目に該当する者としています。

  • 介護支援専門員に係る研修の企画、講師やファシリテーターの経験がある者
  • 地域包括支援センターや職能団体等が開催する法定外の研修等に年4回以上参加した者
  • 日本ケアマネジメント学会等が開催する研究大会等において、演題発表等の経験がある者
  • 日本ケアマネジメント学会等が認定する認定ケアマネジャー
  • 主任介護支援専門員の業務に十分な知識と経験を有する者であり、都道府県が適当と認める者

出典:同ガイドライン 15〜16ページ

更新研修にも受講の条件があります。修了して5年間なにもしていなければ受けられる、という書き方ではありません。

主任ではないケアマネ本人の更新研修は、実務経験の有無で課程が分かれ、実務経験者の初回は合計88時間以上です。ケアマネ更新研修の費用|受講料は都道府県ごとに決まり、国が定めるのは88時間の中身ですで扱っています。

主任ケアマネが置かれる場所

場所定め根拠
居宅介護支援事業所管理者は主任介護支援専門員でなければならない。ただし確保が著しく困難である等やむを得ない理由がある場合は、介護支援専門員を管理者とすることができる指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準 第3条第2項
地域包括支援センター担当区域の第一号被保険者の数がおおむね3,000人以上6,000人未満ごとに、保健師その他これに準ずる者、社会福祉士その他これに準ずる者、主任介護支援専門員その他これに準ずる者を原則として各1人介護保険法施行規則 第140条の66第1号イ

出典:指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準(e-Gov法令API 法令ID 411M50000100038)第3条第2項、介護保険法施行規則 第140条の66第1号イ

居宅介護支援事業所の管理者要件と経過措置、事業所の人員の数え方は介護福祉士とケアマネの違いで扱っています。

居宅介護支援事業所の特定事業所加算には、介護支援専門員1人当たりの利用者数が45名未満であること(居宅介護支援費(Ⅱ)を算定している場合は50名未満)という要件もあります。取扱件数と報酬の区分はケアマネの担当件数に上限はあるか|報酬の告示は、45件以上の部分から単位数を下げていますで扱っています。

この記事が扱っていないこと

  • 研修の受講費用と日程。都道府県(又は都道府県が指定する研修実施機関)ごとに違い、本記事は取得していません。
  • 都道府県が独自に追加している受講要件。ガイドラインが追加を認めています。受講を考える都道府県の要項で確認が必要です。
  • 主任ケアマネの配置に関する介護報酬上の加算。告示の領域で、本記事は取得していません。
  • 収入。ケアマネ全体の統計はケアマネの年収で扱っています。

目指すときに確認できること

  • 専任の介護支援専門員としての期間が、通算で何ヶ月あるか。①は60ヶ月、②は36ヶ月です。管理者との兼務期間は算定できます。
  • 専門研修課程Ⅰ・Ⅱを修了しているか。①〜④に加えて求められています。
  • 認定ケアマネジャー等に当たるか。当たれば②の道で年数が短くなります。
  • 受講する都道府県の要項。追加の要件や、提出する居宅サービス計画書等の指定が書かれている場合があります。
  • いまの職場で、主任ケアマネが管理者として必要か。居宅介護支援事業所では、管理者は原則として主任介護支援専門員です。

よくある質問

Q. 主任ケアマネは国家資格ですか。
A. 介護保険法施行規則 第140条の66第1号イ(3)は、主任介護支援専門員を「介護支援専門員であって、……主任介護支援専門員研修を修了した者」と定めています。別の試験に合格する資格ではなく、研修の修了で位置づけられています。

Q. ケアマネとして何年働けば受けられますか。
A. 省令は「十分な知識と経験を有する介護支援専門員」とだけ書いています。国のガイドラインは、専任の介護支援専門員として通算5年(60ヶ月)以上などの受講対象者を示しています。都道府県が要件を追加している場合があります。

Q. 管理者をしていた期間は数えられますか。
A. ガイドラインは①・②のいずれにも「管理者との兼務は期間として算定できるものとする」と書いています。

Q. 更新研修を受けないとどうなりますか。
A. 定義の条文は、修了日から5年を経過した者について「五年を経過するごとに……更新研修を修了している者に限る」と書いています。修了していなければ、条文上の主任介護支援専門員には当たりません。

Q. 主任ケアマネになると、ケアマネの更新研修は別に必要ですか。
A. 介護保険法施行規則 第140条の68第3項は、主任介護支援専門員更新研修を受けた主任介護支援専門員を、更新研修を受けた者とみなすと定めています。

Q. 研修は何時間ですか。
A. 国のガイドラインは、主任介護支援専門員研修を合計70時間以上としています。

迷ったらここ

専任で何ヶ月あるかを、先に数える

主任介護支援専門員研修の受講対象者は、専任の介護支援専門員として通算5年(60ヶ月)以上などと国のガイドラインに示されています。管理者との兼務期間は算定できます。

  • 専任の介護支援専門員としての通算期間
  • 専門研修課程Ⅰ・Ⅱを修了しているか
  • 受講する都道府県が要件を追加していないか
介護職の転職サービスを比較する

まとめ

主任ケアマネ(主任介護支援専門員)は、介護支援専門員であって、主任介護支援専門員研修を修了した者です(介護保険法施行規則 第140条の66第1号イ(3))。修了日から5年を経過するごとに更新研修を修了していることも、定義の中に入っています。

研修の対象について、省令は「十分な知識と経験を有する介護支援専門員」とだけ書いています(第140条の68)。年数は国のガイドラインにあり、専任の介護支援専門員として通算5年(60ヶ月)以上、認定ケアマネジャー等なら通算3年(36ヶ月)以上などの4つの道と、専門研修課程Ⅰ・Ⅱの修了が示されています。

研修は合計70時間以上で、中身はほかの介護支援専門員への指導・支援と地域づくりが中心です。都道府県が受講要件を追加することも認められているため、最後は受講する都道府県の要項で確かめることになります。

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この記事を書いた人

医療・福祉・保育の人材紹介の現場で求職者の相談を受けてきた編集者が担当しています。キャリアアドバイザー歴8年、転職相談・紹介の対応実績1,500人以上(自社実績/2026年8月時点)。介護・看護師・保育士・栄養士の4分野を担当。記事の数値には必ず出典と公表時点を添えています。

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