30秒でわかるまとめ
- 准看護師の学校は、中学卒業で入れます入学資格は学校教育法第57条に該当する者。高校の卒業を求める定めは省令にありません。
- 修業年限は2年以上。教育内容は別表四です看護師の課程が単位で書かれているのに対し、准看護師の課程は時間数で書かれています。
- 別表四の合計は1,890時間になりますそのうち臨地実習が735時間で、全体のおよそ4割を実習に使う計算になります。
- 免許を出すのは国ではなく都道府県知事です看護師は厚生労働大臣ですが、准看護師は都道府県知事の免許と定められています。
※看護師との違い(指示を受ける関係)は准看護師と正看護師の違い、給与の分布は准看護師の年収で扱っています。この記事は違いも給与も扱いません。入口の条文だけを読みます。

まず定義:免許を出すのは都道府県知事です
保健師助産師看護師法(昭和23年法律第203号)第6条は、准看護師をこう定めています。
「この法律において『准看護師』とは、都道府県知事の免許を受けて、医師、歯科医師又は看護師の指示を受けて、前条に規定することを行うことを業とする者をいう。」
そして第8条が手続を定めています。
「准看護師になろうとする者は、准看護師試験に合格し、都道府県知事の免許を受けなければならない。」
| 准看護師 | 看護師 | |
|---|---|---|
| 免許を出す人 | 都道府県知事(第6条・第8条) | 厚生労働大臣(第7条第3項) |
| 試験の名称 | 准看護師試験 | 看護師国家試験 |
出典:保健師助産師看護師法 第6条、第7条第3項、第8条(e-Gov法令API 法令ID 323AC0000000203)
「国家試験」ではありません。条文の上でも都道府県の免許として書かれています。

受験資格を満たした先の試験は、都道府県知事が行います。国家試験とは呼ばれていないことと、施行規則に並ぶ11の科目は准看護師試験の難易度|国家試験ではなく、都道府県知事が行う試験ですで扱っています。
受験資格は4つの号にまとまっています
第22条が、准看護師試験を受けられる人を定めています。
| 号 | 受験資格 |
|---|---|
| 1 | 文部科学省令・厚生労働省令で定める基準に適合するものとして、文部科学大臣の指定した学校において2年の看護に関する学科を修めた者 |
| 2 | 同じ基準に従い、都道府県知事の指定した准看護師養成所を卒業した者 |
| 3 | 前条(第21条)第1号から第3号まで又は第5号に該当する者 |
| 4 | 外国の学校・養成所を卒業した者などのうち、厚生労働大臣の定める基準に従い都道府県知事が適当と認めたもの |
出典:保健師助産師看護師法 第22条第1号〜第4号。要約は編集部
中心になるのは第1号と第2号です。2年の学科を修めるか、准看護師養成所を卒業するか。
第3号は看護師国家試験の受験資格を持つ人(大学・3年の学校・養成所を出た人など)を指しています。看護師の課程を修めた人は、准看護師試験も受けられるという構造です。

ここが本題:入学資格は中学卒業です
学校の基準は、保健師助産師看護師学校養成所指定規則(昭和26年文部省・厚生省令第1号)第5条にあります。
第1号がこう定めています。
「学校教育法第五十七条に該当する者であることを入学若しくは入所の資格とするもの又は中等教育学校の後期課程であること。」
学校教育法第57条は高等学校への入学資格の条で、中学校を卒業した者などを指しています。
| 号 | 准看護師学校養成所の指定基準(第5条) |
|---|---|
| 1 | 入学資格は学校教育法第57条に該当する者、又は中等教育学校の後期課程 |
| 2 | 修業年限は2年以上 |
| 3 | 教育の内容は別表四に定めるもの以上 |
| 4 | 専任教員は5人以上が看護師の資格を有する者。うち1人は教務に関する主任者 |
| 5 | 1の授業科目について同時に授業を行う生徒は40人以下 |
| 7 | 図書室及び専用の実習室を有すること |
出典:保健師助産師看護師学校養成所指定規則 第5条第1号〜第12号のうち抜粋(e-Gov法令API 法令ID 326M50000180001)
看護師のほうはどうか。同じ規則の第4条第1号は学校教育法第90条第1項に該当する者(高等学校を卒業した者など)を入学資格とし、第2号で修業年限は3年以上としています。
| 准看護師(第5条) | 看護師(第4条) | |
|---|---|---|
| 入学資格 | 学校教育法第57条に該当する者 | 学校教育法第90条第1項に該当する者 |
| 修業年限 | 2年以上 | 3年以上 |
| 教育の内容 | 別表四 | 別表三 |
| 専任教員 | 5人以上 | 8人以上 |
出典:同規則 第4条・第5条
入口の学歴要件が、条文の段階で違います。
准看護師課程の入学者は、平成22年度の11,958人から令和7年度は3,603人に減っています。学校数と入学者数の推移は准看護師は廃止されるのか|廃止を定めた法律はなく、課程の入学者は15年で約3割にで扱っています。
教育内容は「時間数」で書かれています
ここが2つめの違いです。
| 准看護師(別表四) | 看護師(別表三) | |
|---|---|---|
| 単位のとり方 | 時間数 | 単位数 |
| 合計 | 1,890時間 | 102単位 |
出典:保健師助産師看護師学校養成所指定規則 別表三・別表四の合計欄
同じ規則の中で、書き方が変わっています。准看護師の課程は時間で、看護師の課程は単位で定められています。
別表四の中で、いちばん大きいのは臨地実習の735時間です。
| 区分 | 時間数 | 合計に占める割合 |
|---|---|---|
| 臨地実習 | 735時間 | およそ4割 |
| 合計 | 1,890時間 | — |
出典:別表四の合計欄と臨地実習の欄。割合は編集部算出(735÷1,890=38.9%)
教室の中だけで終わる課程ではありません。2年のうち、およそ4割の時間が実習に充てられています。
専門分野では基礎看護が385時間、そのうち基礎看護技術が245時間と定められています。
その2年以上の修業を通信制の課程で行う場合は、入学の条件が変わります。免許を得た後5年以上の業務という条件と、通信制の臨地実習の方法は准看護師から通信制で看護師へ|入学の条件は、免許を得た後5年以上の業務ですで扱っています。
准看護師から看護師へ進む道も、条文にあります
第21条は看護師国家試験の受験資格を定めた条で、その第4号が准看護師について書いています。
「免許を得た後三年以上業務に従事している准看護師又は学校教育法に基づく高等学校若しくは中等教育学校を卒業している准看護師で前三号に規定する大学、学校又は養成所において二年以上修業したもの」
| 条件 | 内容 |
|---|---|
| 実務のルート | 免許を得た後3年以上業務に従事している准看護師 |
| 学歴のルート | 高等学校又は中等教育学校を卒業している准看護師 |
| 共通して必要なこと | 大学・学校・養成所において2年以上修業すること |
出典:保健師助産師看護師法 第21条第4号。整理は編集部
どちらのルートでも、2年以上の修業が必要です。実務3年だけで看護師国家試験を受けられるわけではありません。
資格の効力:業務独占が置かれています
第32条は、こう定めています。
「准看護師でない者は、第六条に規定する業をしてはならない。ただし、医師法又は歯科医師法の規定に基づいて行う場合は、この限りでない。」
名称だけでなく、業務そのものが資格を持つ人に限られています。
ただし第6条の定義に「医師、歯科医師又は看護師の指示を受けて」という条件が入っています。この指示の関係については准看護師と正看護師の違いで扱っています。
進路を決める前に確認できること
1. 入学資格は中学卒業から
指定規則 第5条第1号は学校教育法第57条に該当する者としています。高等学校の卒業を求める定めは、この条にはありません。
2. 修業年限2年と、実習の割合を見ておく
合計1,890時間のうち735時間が臨地実習です。時間割の4割近くが実習にあたります。
3. 学校か養成所かで、指定する人が違う
第22条第1号の学校は文部科学大臣の指定、第2号の養成所は都道府県知事の指定です。募集要項でどちらかを確認できます。
4. 看護師を目指す場合は、先に第21条第4号を読む
実務3年のルートでも、その後に2年以上の修業が必要です。働きながらの進学を考えるなら、この年数を先に見ておくほうが計画が立ちます。
5. 免許の申請先は都道府県
第8条は都道府県知事の免許と定めています。手続の窓口も国ではありません。
よくある質問
Q. 中学卒業でも准看護師になれますか。
A. 指定規則 第5条第1号は入学資格を学校教育法第57条に該当する者としています。高等学校の卒業を求める定めは同条にありません。
Q. 何年かかりますか。
A. 指定規則 第5条第2号は修業年限を2年以上と定めています。
Q. 国家試験ですか。
A. いいえ。第8条は「准看護師試験に合格し、都道府県知事の免許を受けなければならない」と定めています。
Q. 授業はどれくらいありますか。
A. 別表四の合計は1,890時間です。うち臨地実習が735時間です。
Q. 看護師との違いは何ですか。
A. 第6条の定義に「医師、歯科医師又は看護師の指示を受けて」という条件が入っています。詳しくは准看護師と正看護師の違いをご覧ください。
Q. あとから看護師になれますか。
A. 第21条第4号にその道が定められています。免許取得後3年以上の業務従事、または高等学校等の卒業に加えて、大学・学校・養成所での2年以上の修業が必要です。
Q. 給与はどれくらいですか。
A. 本記事は給与を扱っていません。准看護師の年収で扱っています。
迷ったらここ
学校を選ぶ前に、修業年限を見る
省令の下限は修業年限2年以上で、教育の内容は別表四に定めるもの以上とされています。年限が延びる課程は、その分だけ生活の設計が変わります。
- 修業年限が2年以上か(省令の下限)
- 臨地実習735時間をどこで行うか
- 働きながら通う場合、実習の時間帯に勤務を組めるか
まとめ
准看護師になる道は、入口が広く取られています。
入学資格は学校教育法第57条に該当する者——つまり中学卒業から。修業年限は2年以上。看護師の課程が高等学校卒業+3年以上であるのと、条文の段階で違います。
教育内容は別表四で時間数として定められ、合計1,890時間。看護師の課程が単位で書かれているのに対し、准看護師の課程は時間で書かれています。
そのうち735時間、およそ4割が臨地実習です。
そして免許を出すのは都道府県知事。国家試験ではありません。あとから看護師を目指す道も第21条第4号に置かれていますが、そこでも2年以上の修業が必要です。

