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30秒でわかるまとめ
- 看護師が管理者を務める療養通所介護は、61か所に減りました厚生労働省が10月14日の分科会に出した資料です。ピークだった平成31年の89か所から減っています。
- 国は、このサービスの将来の在り方を検討する案を示しました医療と介護の両方が必要な人の通所へのニーズは今後も続くとして、必要な検討を行うとしています。
- 利用者の91.2%が要介護3以上で、平均要介護度は4.3です難病やがん末期など、看護師による観察が必要な重い人が通うサービスです。
- 事業所の68%は訪問看護を併設しています利用者1.5人に職員1人以上を置き、管理者は常勤の看護師と決められています。
厚生労働省は10月14日、社会保障審議会の介護給付費分科会で、2027年度の介護報酬改定に向けて療養通所介護の論点と対応案を示した。療養通所介護は、難病の重度の要介護者やがん末期の人など、常に看護師による観察が必要な人が通うデイサービスで、管理者は常勤の看護師と決められている。事業所数も利用者数も減っており、国はこのサービスの将来的な在り方を検討する案を示した。在宅の看護に関心のある看護師に向けて、資料の中身を整理する。
看護師が管理者の重度者向けデイ
資料によると、療養通所介護は地域密着型のサービスで、利用定員は18人以下である。人員の基準は、サービスの提供時間を通じて利用者1.5人に対して看護職員または介護職員1人以上で、そのうち1人以上は常勤の看護師でなければならない。管理者も常勤の看護師とされている。
入浴、排せつ、食事などの介護や機能訓練を行い、利用者の社会的な孤立感の解消、心身の機能の維持、家族の身体的・精神的な負担の軽減を図る。看護師による利用者の心身の状況の把握も、サービスの中心に置かれている。
看護師が管理者のデイサービスがあるんですね。
利用者1.5人に職員1人以上で、管理者は常勤の看護師だったね。
重い人を日中に預かる、看護の専門性が求められる職場ですね。
事業所は89か所から61か所に
療養通所介護の請求事業所数は、平成31年の89か所をピークに減り、2026年(4月審査分)は61か所だった。資料は、請求事業所数、利用者数、費用額のいずれも近年減少傾向にあるとしている。
| 年(4月審査分) | 請求事業所数 |
|---|---|
| 平成31年 | 89か所 |
| 令和3年 | 86か所 |
| 令和5年 | 78か所 |
| 令和7年 | 71か所 |
| 令和8年 | 61か所 |
出典:厚生労働省 第270回社会保障審議会介護給付費分科会 資料2(介護給付費等実態統計、各年4月審査分)
利用者の91.2%が要介護3以上
利用者数も減っている。要介護度別の利用者数を合計すると、令和2年の928人から、令和8年は514人になった。利用者は重い人が多く、要介護3以上が91.2%、平均要介護度は4.3である。要介護5の利用者が最も多い。
利用者数は、資料のグラフの要介護度別の人数を編集部が足し合わせたもの(各年4月審査分の実利用者)である。
事業所の68%が訪問看護を併設
介護サービス情報公表システムをもとにした集計(50事業所、2025年6月末時点)では、療養通所介護の事業所に併設されているサービスで最も多いのは訪問看護の68%(34事業所)だった。次いで居宅介護支援が42%(21事業所)だった。訪問看護ステーションが、通いの場として療養通所介護をあわせて運営している形が多いとみられる。
全国で61か所しかないんですね。
ピークの89か所から減っていたね。利用者の91.2%が要介護3以上だったよ。
事業所の68%は、訪問看護を併設していたね。
訪問看護の仕事と、通いの看護がつながっている職場が多いんですね。
国は将来の在り方の検討を提案
論点は、事業所数などが減った分について、地域でほかの介護保険サービスなどが医療と介護の両方のニーズをもつ人の生活を支える役割を担っている可能性があるとしたうえで、このサービスを続けることをどう考えるかを問うた。対応案は、医療と介護の両方のニーズをもつ要介護者の生活を支える通所サービスへのニーズは今後も続くと予想されるとして、本サービスの将来的な在り方について必要な検討を行うとした。
委員の意見は評価の拡充と再編の両方
これまでの分科会での委員の意見には、手厚い体制で重度者を受け入れていることから、基本報酬の見直しや重度者ケア体制加算などの評価の拡充を求める声があった。常時観察や医療的ケア、急変時の対応など高い専門性が求められ、職員の身体的・精神的な負担は深刻だとする意見も出ている。一方で、療養通所介護の利用者のニーズは、医療と介護の両方に対応でき、リハビリテーションも提供できる通所リハビリテーションの事業所で受けていくことができるのではないかという意見もあった。
評価を手厚くする意見と、ほかのサービスに任せる意見の両方があるんですね。
療養通所介護で働くなら、これからの議論を見ておきたいです。
迷ったらここ
在宅看護の職場を比べる
療養通所介護は、訪問看護ステーションに併設されていることが多い、重度の人を日中に支える職場です。応募先では次の点を聞いておくと比べやすくなります。
- 療養通所介護と訪問看護の兼務があるか、その割合
- 1日の利用者数と、看護職員・介護職員の人数
- 医療的ケアの内容と、急変時の対応の体制
- 事業の今後の方針(制度の見直しへの備え)
編集部の見方:小さなサービスの行方に注目
ここからは編集部の見方である。療養通所介護は全国で61か所と小さなサービスだが、看護師が管理者として運営し、医療の必要な重い人が通える数少ない場である。国が「将来的な在り方」の検討を打ち出したことで、評価を手厚くして残す方向になるのか、ほかのサービスとの統合などに向かうのかが、これからの焦点になる。
今回の資料には、どちらの方向にするかは書かれていない。働く看護師にとっては、療養通所介護の多くが訪問看護と一体で運営されている点が大切で、制度が変わっても訪問看護の仕事とのつながりは残りうる。介護保険の訪問看護の利用者が増えていることは訪問看護の利用者の記事で、看多機の入浴の論点は看多機の入浴の記事で整理している。
出典
一次資料
- 厚生労働省「第270回社会保障審議会介護給付費分科会(web会議)資料」(2026年10月14日、2026年10月16日参照)。資料2「療養通所介護」
編集部メモ
- 今回の資料は「対応案」で、将来の在り方の具体的な方向(存続・統合など)は示されていません。
- 利用者数(928人、514人)は、資料のグラフの要介護度別の人数(各年4月審査分の実利用者)を編集部が足し合わせたものです。91.2%と平均要介護度4.3は資料の数字で、令和8年の値です。
- 委員の意見は、資料が事務局の責任で整理したものです。委員の意見の中に「全国で70か所」という記述がありますが、本文の事業所数は資料のグラフの令和8年4月審査分(61か所)を使っています。
- 「訪問看護ステーションが療養通所介護をあわせて運営している形が多い」は、併設の割合からの編集部の見立てです。

