30秒でわかるまとめ
- 介護保険で訪問看護を使った人が110.7万人になりました厚生労働省が9月30日に公表した2025年度の統計です。前年度より5.8万人、5.5%多くなりました。
- 5年前の81.1万人から、36.5%増えています同じ5年間で、介護サービスを使った人全体の増加は8.5%、訪問介護は9.7%でした。
- 要支援の人の訪問看護は9.6%の増加でした介護予防訪問看護の利用者は22.0万人です。定期巡回・随時対応型訪問介護看護も9.7%増えました。
- 医療保険の訪問看護は、この数字に入っていません介護保険を使った分だけの統計です。訪問看護の仕事全体の量は、医療保険の分も合わせて見る必要があります。
厚生労働省は9月30日、2025年度(令和7年度)の「介護給付費等実態統計」を公表した。介護保険のサービスを1年間に一度でも使った人の数をサービスごとに見ると、訪問看護は110万6,600人で、前年度から5.5%増えた。介護サービスを使った人全体の伸び(0.8%)を大きく上回る。訪問看護で働く看護師、これから訪問看護を考える看護師に向けて、数字を整理する。
訪問看護の利用者は110.7万人
この統計は、介護保険のデータベースにあるすべての介護給付費の明細書をもとにしている。ここで使う「年間実受給者数」は、4月から翌年3月までの1年間に一度でもそのサービスを使った人の数で、同じ人が何回使っても1人と数える。主なサービスを並べると次のとおり。
| サービス | 2025年度 | 増減率 |
|---|---|---|
| 訪問看護 | 110.7万人 | +5.5% |
| 訪問介護 | 162.0万人 | +0.5% |
| 通所介護 | 168.9万人 | +0.5% |
| 短期入所生活介護 | 69.3万人 | −1.7% |
| 介護福祉施設サービス(特養) | 76.1万人 | +0.1% |
| 介護サービス全体 | 578.0万人 | +0.8% |
出典:厚生労働省「令和7年度 介護給付費等実態統計」表2-2(年間実受給者数。増減率は前年度比)
人数でいちばん多いのは通所介護と訪問介護だが、どちらも前年度からの伸びは0.5%にとどまった。訪問看護は人数では両者より少ないものの、1年で5万7,800人増え、増えた人数でも訪問介護(7,300人)や通所介護(8,900人)を大きく上回った。
訪問看護だけ、伸び方がほかと違いますね。
1年で5.5%、5万7,800人の増加だね。全体は0.8%だったよ。
家で看護を受ける人が、それだけ増えているんですね。
5年で36.5%増、全体の4倍の伸び
過去の年度の同じ統計と並べると、訪問看護の利用者は毎年5〜8%ずつ増えてきた。
| 年度 | 訪問看護 | 前年比 | 全体 |
|---|---|---|---|
| 2020 | 81.1万人 | - | 532.8万人 |
| 2021 | 87.4万人 | +7.9% | 546.9万人 |
| 2022 | 93.6万人 | +7.0% | 559.2万人 |
| 2023 | 98.8万人 | +5.6% | 566.7万人 |
| 2024 | 104.9万人 | +6.1% | 573.1万人 |
| 2025 | 110.7万人 | +5.5% | 578.0万人 |
出典:厚生労働省「介護給付費等実態統計」令和3年度〜令和7年度の各年度の表2-2(年間実受給者数。「全体」は介護サービス全体)
2020年度からの5年間で、訪問看護の利用者は81.1万人から110.7万人へ36.5%増えた。同じ5年で介護サービス全体は8.5%、訪問介護は9.7%、通所介護は7.4%の増加で、訪問看護の伸びは全体の4倍を超える。
費用額は4,354億円で7.1%増
介護保険の訪問看護にかかった費用額は、2025年度に4,354億円で、前年度から7.1%増えた。介護サービス全体の費用額は11兆8,806億円で、伸びは2.3%だった。
費用額は、介護保険の単価にもとづいて計算された金額である。働く人の給料の額を表すものではない。
要支援の訪問看護と定期巡回も増加
要支援の人が使う介護予防訪問看護の利用者は22万100人で、前年度から9.6%増えた。上の110.7万人とは別に数えられている。
看護職員がかかわる地域密着型のサービスも増えている。定期的な巡回や通報を受けて、介護と、看護師などによる療養上の世話を家で受ける定期巡回・随時対応型訪問介護看護は7万6,500人で9.7%増、5年前の4万7,700人から6割増えた。看護小規模多機能型居宅介護(短期利用以外)も3万8,000人で5.8%増だった。
一方で、減ったサービスもある。短期入所生活介護は1.7%減、小規模多機能型居宅介護(短期利用以外)は1.9%減、訪問入浴介護は5.2%減だった。
要支援の人の訪問看護は、もっと伸びているんですね。
介護予防訪問看護は9.6%増の22万100人だったね。
定期巡回も、5年で6割増えていたね。
看護師が家に行くサービスが、全体に増えている流れですね。
医療保険の訪問看護は別に数える
訪問看護には、介護保険で行うものと医療保険で行うものがある。この統計は介護保険の明細書だけを対象にしているため、医療保険で訪問看護を受けた人は110.7万人に含まれていない。訪問看護ステーションで働く看護師の仕事の量は、両方を合わせたものになる。
どちらの保険で訪問するかの決まりは訪問看護の医療保険と介護保険の記事で、訪問看護師の給与は訪問看護師の年収の記事で整理している。
110.7万人は、介護保険の分だけの数字だったね。
医療保険の利用者も入れると、仕事の量はもっと多いということですね。
迷ったらここ
訪問看護の体制を聞く
利用者が増える分野では、求人も増えやすい一方で、1人あたりの訪問件数やオンコールの負担がステーションごとに違います。訪問看護の求人を見るときは、次の点を聞いておくと比べやすくなります。
- 1日の訪問件数の目安と、利用者数の最近の推移
- 介護保険と医療保険の利用者の割合
- オンコールの回数と、手当の決まり方
- 独り立ちまでの同行訪問の期間
編集部の見方:伸びている分野の働き方を確かめる
ここからは編集部の見方である。介護保険の介護サービスのうち、利用者が5年続けて前年度比5%以上増えたのは、訪問看護、定期巡回・随時対応型訪問介護看護、看護小規模多機能型居宅介護(短期利用以外)、居宅療養管理指導の4つだけだった。4つのうち3つが、看護職員が家に出向くサービスである。介護サービス全体の伸びが年々小さくなるなかで、家で看護を受ける人は確実に増えている。病院以外で働く場所を考える看護師にとって、訪問看護は需要が増え続けている分野といえる。
ただし、この統計が示すのは利用者の数であって、看護師の数や給与ではない。利用者が増えても、ステーションの人手が追いつかなければ、1人あたりの訪問件数やオンコールの負担は重くなる。需要が伸びている分野ほど、職場ごとの体制の差を確かめる意味は大きい。オンコールの手当の決まり方はオンコール手当の記事で、ステーションの選び方は訪問看護ステーションの選び方の記事で整理している。
出典
一次資料
- 厚生労働省「令和7(2025)年度 介護給付費等実態統計の概況」(2026年9月30日公表、2026年10月7日参照)。報道発表資料、結果の概要、図表データ(表2-1・表2-2・表6-2)
- 同「令和6年度」「令和5年度」「令和4年度」「令和3年度」介護給付費等実態統計の概況(図表データ 表2-2、2026年10月7日参照)
編集部メモ
- 利用者数は「年間実受給者数」です。1年間に一度でも使った人の数で、毎月の利用者数ではありません。同じ人が訪問看護と訪問介護の両方を使った場合は、それぞれに1人として数えられています。
- 本文の万人単位の数字は、統計の千人単位の値を編集部が丸めたものです。5年間の増加率(36.5%・8.5%・9.7%・7.4%)と「全体の4倍」は、各年度の表の値から編集部が計算しました。
- 「5年続けて5%以上増えた4つ」は、令和3年度〜令和7年度の各統計の表2-2(介護サービス、年間実受給者数)の全サービスの前年度比を、編集部が並べて確かめたものです。
- 2020年度の数字は、令和3年度の統計に前年度の値として載っているものです。各年度の前年度比は、それぞれの年度の統計に載っている値です。
- 医療保険の訪問看護は、この統計の対象外です。本文の利用者数・費用額はすべて介護保険の分だけです。
- 費用額は、介護保険の単価で計算した金額の合計で、利用者の自己負担分も含みます。

