30秒でわかるまとめ
- 機能訓練指導員として数える資格が、加算の告示には並んでいます理学療法士、作業療法士、看護職員、柔道整復師など8つです。はり師・きゅう師には6月以上の経験の条件がつきます。
- 通所介護の区分は3つで、ⅠイとⅠロは1日ごとに数えますⅠイは56単位、Ⅰロは76単位、Ⅱは1月につき20単位です。Ⅰイを算定している場合、Ⅰロは算定しません。
- 居宅への訪問は、計画を作る前と3月ごとに1回以上です居宅での生活状況を確かめて計画を作り、その後も訪問して、本人か家族に進捗を説明します。
- Ⅰロの配置の条件は、前回の改正で変わっています令和6年度に、2人目の理学療法士等を「指定通所介護を行う時間帯を通じて」置くという文言が、告示から削られました。
※機能訓練指導員の人員基準と仕事の中身は機能訓練指導員の仕事内容、常勤換算の数え方は介護の常勤換算とはで扱っています。

まず告示:個別機能訓練加算は、通所介護費の「注13」です
個別機能訓練加算は、介護報酬の単位数を定めた告示の中にある加算です。通所介護(デイサービス)では、指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準(平成12年厚生省告示第19号)の別表、通所介護費の注13に置かれています。
「別に厚生労働大臣が定める基準に適合しているものとして、電子情報処理組織を使用する方法により、都道府県知事に対し、老健局長が定める様式による届出を行った指定通所介護の利用者に対して、機能訓練を行っている場合には、当該基準に掲げる区分に従い、(1)及び(2)については1日につき次に掲げる単位数を、(3)については1月につき次に掲げる単位数を所定単位数に加算する。ただし、個別機能訓練加算(Ⅰ)イを算定している場合には、個別機能訓練加算(Ⅰ)ロは算定しない。」
出典:指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準(平成12年厚生省告示第19号)別表 指定居宅サービス介護給付費単位数表 通所介護費 注13(厚生労働省 法令等データベース掲載の本文。原文どおり)
ここでいう「別に厚生労働大臣が定める基準」は、厚生労働大臣が定める基準(平成27年厚生労働省告示第95号)の第16号です。単位数は告示第19号、要件は告示第95号と、2つの告示に分かれています。運用の細かな点は、老企第36号の留意事項通知が書いています。
告示第19号・第95号は、厚生労働省の法令等データベースの本文を使いました。どちらも令和8年3月13日の厚生労働省告示第87号(令和8年6月1日施行)の附則まで入った版です。その改正告示の本文を機械で検索したところ、「機能訓練」の語は見つかりませんでした。個別機能訓練加算の部分は、令和8年度の改定では書き換わっていないと読めます。

ここが本題:区分は3つ。ⅠイとⅠロは1日、Ⅱは1月で数えます
| 区分 | 単位数 | 数え方 | 要件の中心(告示第95号 第16号) |
|---|---|---|---|
| 個別機能訓練加算(Ⅰ)イ | 56単位 | 1日につき | 専ら機能訓練指導員の職務に従事する理学療法士等を1名以上配置。計画の作成、居宅訪問など(イ(1)〜(5)) |
| 個別機能訓練加算(Ⅰ)ロ | 76単位 | 1日につき | イ(1)の理学療法士等に加えて、専従の理学療法士等をもう1名以上配置。ほかはイ(2)〜(5)と同じ(ロ) |
| 個別機能訓練加算(Ⅱ) | 20単位 | 1月につき | イ又はロの基準に適合したうえで、個別機能訓練計画書の内容等の情報を厚生労働省に提出し、その情報を活用(ハ) |
出典:告示第19号 別表 通所介護費 注13(単位数)、告示第95号 第16号イ〜ハ(要件。表は編集部の要約)
ⅠイとⅠロは、どちらか一方です。注13のただし書きが、Ⅰイを算定している場合はⅠロを算定しないとしています。留意事項通知も、Ⅰロを算定している場合はⅠイを算定することはできないと、逆の向きから書いています(老企第36号 ①ヘ)。
Ⅱは、Ⅰイ又はⅠロの上に重ねる区分です。告示第95号 第16号ハは、イ又はロの基準に適合することを要件の1つ目に置いています。厚生労働省への情報の提出について、留意事項通知は「LIFEを用いて行うこととする」としています(老企第36号 ②)。

「理学療法士等」は、告示が挙げる8つの資格です
機能訓練指導員の人員基準(省令)には、資格の名前がありません。これは機能訓練指導員の仕事内容で扱いました。加算の告示は違います。資格の名前を並べています。
「専ら機能訓練指導員の職務に従事する理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、看護職員、柔道整復師、あん摩マッサージ指圧師、はり師又はきゅう師(はり師及びきゅう師については、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、看護職員、柔道整復師又はあん摩マッサージ指圧師の資格を有する機能訓練指導員を配置した事業所で六月以上機能訓練指導に従事した経験を有する者に限る。)(以下この号において「理学療法士等」という。)を一名以上配置していること。」
出典:厚生労働大臣が定める基準(平成27年厚生労働省告示第95号)第16号イ(1)(厚生労働省 法令等データベース掲載の本文。原文どおり)
数えると8つの資格です(数は編集部が計数)。このうちはり師・きゅう師だけに、ほかの6つの資格を持つ機能訓練指導員がいる事業所で6月以上機能訓練指導に従事した経験、という条件がついています。同じ列挙は、留意事項通知(老企第36号)の個別機能訓練加算の項の冒頭にもあります。
告示の書き方は「専ら機能訓練指導員の職務に従事する」です。通所介護事業所の看護職員がこの職務に就く場合について、通知は「当該職務の時間は、指定通所介護事業所における看護職員としての人員基準の算定に含めない」としています(老企第36号 ①イ)。同じ時間を、看護職員と加算の理学療法士等の両方に数えることはできない、という書き方です。
Ⅰイの要件は5つ。居宅訪問は「3月ごとに1回以上」です
| 号 | 告示が求めていること |
|---|---|
| (1) | 専ら機能訓練指導員の職務に従事する理学療法士等を1名以上配置している |
| (2) | 機能訓練指導員等が共同して、利用者ごとに個別機能訓練計画を作成し、計画に基づき、理学療法士等が計画的に機能訓練を行っている |
| (3) | 複数の種類の機能訓練の項目を準備し、利用者の生活意欲が増進されるよう援助し、利用者の選択に基づき、心身の状況に応じた機能訓練を行っている |
| (4) | 機能訓練指導員等が利用者の居宅を訪問し、居宅での生活状況を確認した上で計画を作成する。その後三月ごとに一回以上居宅を訪問し、本人又は家族に計画の進捗状況等を説明し、必要に応じて計画を見直す |
| (5) | 通所介護費等算定方法(平成12年厚生省告示第27号)第一号に規定する基準のいずれにも該当しない |
出典:告示第95号 第16号イ(1)〜(5)(編集部の要約)
(5)がわかりにくいので、告示第27号の第一号を見ます。第一号のイは、通所介護の月平均の利用者の数が運営規程に定められている利用定員を超えること。ロは、看護職員又は介護職員について省令に定める員数を置いていないことです。つまり、定員を超えて受け入れている場合や、人員基準の員数が欠けている場合は、Ⅰイ・Ⅰロの要件を満たしません。留意事項通知も、第一号の基準のいずれかに該当する場合は「算定することはできない」としています(老企第36号 ①ヘ)。
(4)の居宅訪問は、計画を作る前と、その後3月ごとに1回以上の2段階です。令和6年3月の通知(介護保険最新情報Vol.1217)は、実施状況や効果についての説明・記録は、居宅を訪問する日とは別の日にICT等を活用して行っても差し支えないとしています。
Ⅰロは「2人目」の配置。令和6年度に「時間帯を通じて」が外れました
Ⅰロの配置の要件は、告示第95号 第16号ロ(1)です。
「イ(1)の規定により配置された理学療法士等に加えて、専ら機能訓練指導員の職務に従事する理学療法士等を一名以上配置していること。」
出典:告示第95号 第16号ロ(1)(厚生労働省 法令等データベース掲載の本文。原文どおり)
令和6年の改正告示(令和6年厚生労働省告示第86号)の新旧対照表を見ると、この号は次のように書き換わっています。
| 2人目の理学療法士等の置き方(第16号ロ(1)) | |
|---|---|
| 改正前 | 専ら機能訓練指導員の職務に従事する理学療法士等を指定通所介護を行う時間帯を通じて一名以上配置していること |
| 改正後(現行) | 専ら機能訓練指導員の職務に従事する理学療法士等を一名以上配置していること |
出典:令和6年厚生労働省告示第86号 新旧対照表(告示第95号 第16号ロ(1)の部分。表は編集部が該当部分を抜き出したもの)
留意事項通知も、同じ年に書き換わりました。改正前は「特定の曜日だけ」配置した場合の例でした。改正後は「特定の時間だけ」配置した場合の例になり、「その時間において理学療法士等から直接訓練の提供を受けた利用者のみが当該加算の算定対象となる」としています(老企第36号 ①ロ)。
その時間は、「あらかじめ定められ、利用者や居宅介護支援事業者に周知されている必要がある」ともされています(同)。Ⅰロを算定できるのは、2人目がいる時間に、理学療法士等から直接訓練を受けた利用者だけです。
訓練のやり方は通知が書いています:5人程度以下、おおむね週1回以上
ⅠイとⅠロの訓練の形は、老企第36号の①ハ〜ヘに書かれています。この部分は令和3年の改正で新しく置かれた文で、令和6年の新旧対照表では(略)とされ、書き換えられていません。
「個別機能訓練加算(Ⅰ)イ及び個別機能訓練加算(Ⅰ)ロに係る個別機能訓練は、類似の目標を持ち、同様の訓練項目を選択した5人程度以下の小集団(個別対応含む)に対して機能訓練指導員が直接行うこととし、必要に応じて事業所内外の設備等を用いた実践的かつ反復的な訓練とすること。」
出典:老企第36号(平成12年3月1日)第2の7⒀ 個別機能訓練加算について ①ニ(令和3年の新旧対照表の新欄による。原文どおり)
| 項目 | 通知が書いていること | 出典 |
|---|---|---|
| 計画の中身 | 目標、目標を踏まえた訓練項目、訓練実施時間、訓練実施回数等 | ①ハ |
| 計画書の代わり | 個別機能訓練計画に相当する内容を通所介護計画の中に記載する場合は、その記載をもって作成に代えることができる | ①ハ |
| 実施の回数 | 概ね週1回以上実施することを目安とする | ①ニ |
| 実施後 | 3月ごとに1回以上居宅を訪問し、本人又は家族に説明し、記録する。概ね3月ごとに1回以上、担当の介護支援専門員等にも報告・相談する | ①ホ |
| 算定できない日 | 実施が予定されていても、利用者の都合等で実際に実施されなかった場合は算定できない | ①ヘ |
出典:老企第36号 第2の7⒀ 個別機能訓練加算について ①ハ〜ヘ(令和3年の新旧対照表の新欄。表は編集部の要約)
手順の例は、令和6年3月15日の通知「リハビリテーション・個別機能訓練、栄養、口腔の実施及び一体的取組について」(介護保険最新情報Vol.1217)の第二章 第二が示しています。まず、管理者の役割がこう書かれています。
「通所介護事業所等の管理者は、これを参照し、各事業所における個別機能訓練実施に関する一連の手順をあらかじめ定める必要がある。」
出典:厚生労働省老健局「リハビリテーション・個別機能訓練、栄養、口腔の実施及び一体的取組について」(令和6年3月15日 老高発0315第2号ほか)第二章 第二 Ⅰ(原文どおり)
同じ通知は、訓練は機能訓練指導員が直接行ったうえで、補助者として看護職員、介護職員、生活相談員その他の職種の者が関与することは差し支えないとしています(同 Ⅰ2)。
通所介護のほかにも、個別機能訓練加算はあります
同じ名前の加算は、ほかのサービスにもあります。告示の本文を確認できた範囲で、違いだけを並べます。
| サービス | 単位数 | 配置の書き方(告示) | 根拠 |
|---|---|---|---|
| 短期入所生活介護 | 1日につき56単位 | 専従の理学療法士等を1名以上。居宅を訪問して計画を作り、その後3月ごとに1回以上訪問。「常勤」の語はない | 告示第19号 短期入所生活介護費 注10、告示第95号 第36号 |
| 介護老人福祉施設 | (Ⅰ) 1日12単位/(Ⅱ) 1月20単位 | (Ⅰ)は専従の常勤の理学療法士等を1名以上。入所者の数が100を超える施設は、さらに常勤換算方法で入所者の数を100で除した数以上 | 告示第21号 介護福祉施設サービス 注14、告示第95号 第86号の3の2 |
| 地域密着型通所介護 | 本記事では取得していない | 通所介護と同じくⅠイ・Ⅰロ・Ⅱの区分で、同じ構成の基準が置かれている | 告示第95号 第51号の5 |
出典:各告示(厚生労働省 法令等データベース掲載の本文)。表は編集部の要約
介護老人福祉施設の(Ⅰ)だけが「常勤」を求めています。通所介護・短期入所生活介護・地域密着型通所介護の基準には、この語がありません。常勤換算方法での数え方は、介護の常勤換算とはで扱っています。
介護老人福祉施設には(Ⅲ)の区分もあります。栄養や口腔の加算と組み合わせる区分で、介護施設の栄養士の仕事内容で触れています。
この記事が扱っていないこと
- 1単位あたりの金額。地域ごとの単価を定めた告示は取得していません。単位数だけを書いています。
- 地域密着型通所介護の単位数。単位数を定めた告示(平成18年厚生労働省告示第126号)は取得していません。
- 介護老人福祉施設の(Ⅲ)の単位数と要件の詳細。栄養・口腔の加算と組み合わせる区分のため、本記事では扱っていません。
- 老企第36号の最新の全文(溶け込み版)。厚生労働省のサイトで見つけられませんでした。令和3年と令和6年の新旧対照表の新欄で文言を確かめています。
機能訓練指導員が職場で確認できること
- どの区分を算定しているか。Ⅰイ・Ⅰロ・Ⅱのどれかで、求められる配置と仕事が変わります。
- 看護職員と兼ねる場合の時間の分け方。加算の職務の時間は、看護職員の人員基準の算定に含めません。
- 居宅訪問を誰が、いつ行うか。計画を作る前と、3月ごとに1回以上です。
- Ⅰロの時間帯がどう決まり、どう周知されているか。通知は、あらかじめ定めて周知する必要があるとしています。
処遇改善加算を機能訓練指導員にも配っているかは、職場によって違います。配った事業所の割合(通所介護45.8%など)と給与の数字は機能訓練指導員の年収を月額で読む|月給・常勤は362,800円、時給の非常勤は1,600円ですで扱っています。
よくある質問
Q. 機能訓練指導員なら、誰でも加算の配置に数えられますか。
A. 加算で数えるのは、告示第95号 第16号イ(1)が「理学療法士等」とする8つの資格の人です。はり師・きゅう師は、6月以上の経験を有する者に限られます。
Q. ⅠイとⅠロは両方算定できますか。
A. できません。通所介護費の注13は、Ⅰイを算定している場合はⅠロを算定しないとしています。Ⅱは、Ⅰイ又はⅠロの基準に適合したうえで重ねる区分です。
Q. 居宅への訪問は、どのくらいの頻度ですか。
A. 告示第95号 第16号イ(4)は、居宅を訪問して生活状況を確認した上で計画を作り、その後三月ごとに一回以上訪問するとしています。
Q. 看護師が加算の機能訓練指導員を兼ねられますか。
A. 看護職員は「理学療法士等」に入っています。ただし通知は、通所介護事業所の看護職員がこの職務に従事する時間は、看護職員としての人員基準の算定に含めないとしています。
Q. 令和8年度の改定で変わりましたか。
A. 本記事が確認した範囲では、変わっていません。令和8年の改正告示の本文に「機能訓練」の語は見つかりませんでした。直近の変更は令和6年度のⅠロの配置です。
迷ったらここ
加算の区分と配置を確かめる
通所介護の個別機能訓練加算は、Ⅰイが1日56単位、Ⅰロが1日76単位、Ⅱが1月20単位です。理学療法士等を専従で1名以上置き、3月ごとに1回以上居宅を訪問することが要件に入っています。
- 事業所がⅠイ・Ⅰロ・Ⅱのどの区分を算定しているか
- 看護職員と兼ねる場合、加算の職務の時間をどう分けているか
- Ⅰロの2人目がいる時間を、どう決めて周知しているか
まとめ
個別機能訓練加算は、介護報酬の告示にある加算です。通所介護ではⅠイが1日56単位、Ⅰロが1日76単位、Ⅱが1月20単位で、単位数は告示第19号、要件は告示第95号 第16号に書かれています。
人員基準の省令には資格名がありませんが、加算の告示は理学療法士等として8つの資格を挙げています。Ⅰイは専従の理学療法士等を1名以上、Ⅰロはさらに1名以上です。令和6年度の改正で、Ⅰロの2人目を「指定通所介護を行う時間帯を通じて」置くという文言が削られました。
訓練は5人程度以下の小集団に機能訓練指導員が直接行い、おおむね週1回以上が目安です。居宅訪問は計画を作る前と3月ごとに1回以上です。

