児童発達支援管理責任者の要件|実務5年か8年かは、保育士などの資格で分かれます

目次

30秒でわかるまとめ

  • 保育士の直接支援は、実務5年の道で数えられます告示は保育士を社会福祉主事任用資格者等に含めています。資格等のない人の直接支援は8年以上の道です。
  • 要件は実務経験と研修修了の2本立てです告示の柱書は、第一号(実務経験者)と第二号(研修の修了)の両方を満たす者と定めています。
  • 研修は基礎・実践・更新の3段階に分かれています基礎研修の後に2年以上の実務を経て実践研修へ進み、その後は5年度ごとに更新研修を修了します。
  • 事業所の児発管のうち1人以上は専任かつ常勤です通所支援基準が定めています。欠けたときの1年間のみなし規定は、告示の側に置かれています。

※児童指導員になれる人の要件は児童指導員の任用資格とは、児童発達支援の事業そのものは児童発達支援とはで扱っています。

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まず条文:児発管は「こども家庭庁長官が定めるもの」です

児童発達支援管理責任者(以下「児発管」)の言葉の定義は、児童福祉施設の設備及び運営に関する基準(昭和23年厚生省令第63号。以下「設備運営基準」)の第49条第1項にあります。

「児童発達支援管理責任者(障害児通所支援又は障害児入所支援の提供の管理を行う者としてこども家庭庁長官が定めるものをいう。以下同じ。)」

出典:児童福祉施設の設備及び運営に関する基準(e-Gov法令API 法令ID 323M40000100063)第49条第1項(原文どおり。条文の一部を引用)

事業所の基準も、この項を引いています。

「児童発達支援管理責任者(児童福祉施設の設備及び運営に関する基準第四十九条第一項に規定する児童発達支援管理責任者をいう。以下同じ。)」

出典:児童福祉法に基づく指定通所支援の事業等の人員、設備及び運営に関する基準(e-Gov法令API 法令ID 424M60000100015。以下「通所支援基準」)第5条第1項第2号(原文どおり。号の一部を引用)

つまり、誰が児発管になれるかは、省令ではなく「こども家庭庁長官が定めるもの」=告示に書かれています。平成24年厚生労働省告示第230号です。令和5年厚生労働省告示第167号で題名が「こども家庭庁長官が定めるもの」に改められ、その後もこども家庭庁告示による改正が続いています。

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ここが本題:要件は「実務経験」と「研修の修了」の両方です

告示の柱書は、こう定めています。

「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準(昭和二十三年厚生省令第六十三号。以下「設備運営基準」という。)第四十九条第一項の規定に基づき、障害児通所支援又は障害児入所支援の提供の管理を行う者としてこども家庭庁長官が定めるもの(以下「児童発達支援管理責任者」という。)は第一号及び第二号に定める要件を満たす者とする。」

出典:障害児通所支援又は障害児入所支援の提供の管理を行う者としてこども家庭庁長官が定めるもの(平成24年厚生労働省告示第230号)柱書(厚生労働省 法令等データベース掲載の現行版。原文どおり)

号中身告示の呼び名
第1号決められた業務に、決められた年数以上従事していること実務経験者
第2号基礎研修・実践研修を修了し、その後も期限までに更新研修を修了していること実践研修修了者・更新研修修了者

出典:告示第230号 第1号・第2号

「第一号及び第二号」です。どちらか一方では足りません。国家試験のような試験は、告示のどこにも出てきません。

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実務経験は、3つの数え方のどれかで満たします

第1号は、業務の期間をイ〜ヘに分け、次の3つのどれかに当てはまる人を「実務経験者」としています。

区分告示が挙げる期間
イ障害児者などの相談に応じ、助言・指導などを行う相談支援の業務に従事した期間(相談支援事業、児童相談所、障害児入所施設、学校、病院などの従業者)
ロ社会福祉主事任用資格者等が、介護や訓練等を行う直接支援の業務に従事した期間(障害児入所施設、保育所、児童養護施設、障害児通所支援事業、放課後児童健全育成事業などの従業者)
ハ老人福祉施設、介護老人保健施設、介護医療院、地域包括支援センター、居宅介護支援事業などの高齢者分野などで、相談支援の業務や(社会福祉主事任用資格者等としての)直接支援の業務に従事した期間
ニ社会福祉主事任用資格者等でない者が、直接支援の業務に従事した期間
ホニのうち、老人福祉施設や介護老人保健施設などの高齢者分野などで従事した期間
ヘ医師、看護師、社会福祉士、介護福祉士、管理栄養士など23の国家資格で、その資格に基づく業務に従事した期間

出典:告示第230号 第1号イ〜ヘ。施設・事業の名は一部を抜き出した。資格の数は編集部が計数

道通算の期間そこから除いたあとの期間
1イとロを通算して5年以上ハを除いて3年以上
2ニを通算して8年以上ホを除いて3年以上
3ヘの期間が通算して5年以上イ・ロ・ニの通算からハ・ホを除いて3年以上

出典:告示第230号 第1号(「道」の番号は編集部が付した)

どの道にも「除いた期間が3年以上」という条件が付いています。老人福祉施設や介護老人保健施設などの高齢者分野の期間だけでは、この条件を満たせない書き方です。

保育士の直接支援は「ロ」に入ります

ロは、直接支援の業務に従事した人のうち、社会福祉主事任用資格者等の期間を数える区分です。告示は、この「社会福祉主事任用資格者等」に次の人などを含めています。

  • 社会福祉法第19条第1項各号のいずれかに該当する者、相談支援の業務に関する基礎的な研修を修了する等により必要な知識及び技術を修得したと認められる者
  • 保育士(地域限定保育士などを含む)
  • 設備運営基準第43条第1項各号のいずれかに該当する者(児童指導員の資格の要件に当たる人)

出典:告示第230号 第1号ロ(要約)

保育士として保育所や障害児通所支援事業で直接支援に当たった期間は、ロとして「5年以上」の道で数えられます。同じ仕事でも、社会福祉主事任用資格者等に当たらない人の期間はニとなり、「8年以上」の道です。

一方、国家資格の期間を数えるヘには、保育士が入っていません。ヘの原文はこうです。

「医師、歯科医師、薬剤師、保健師、助産師、看護師、准看護師、理学療法士、作業療法士、社会福祉士、介護福祉士、視能訓練士、義肢装具士、歯科衛生士、言語聴覚士、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師、管理栄養士、栄養士、精神保健福祉士又は公認心理師が、その資格に基づき当該資格に係る業務に従事した期間」

出典:告示第230号 第1号ヘ(原文どおり)

保育士の期間は、ヘではなくロの直接支援として扱う組み立てです。

研修は基礎・実践・更新の3段階です

第2号は、研修を段階に分けています。時間数は告示の別表に書かれています。

段階受けられる人・条件別表の合計時間
基礎研修実務経験者か、実務経験者となるために必要な年数に達する日までの期間が2年以内である者。あわせて相談支援従事者初任者研修(講義部分)の修了などが要る15時間(別表第一)。初任者研修の講義部分は11時間(別表第二)
実践研修基礎研修修了者となった日以後、実践研修の受講開始日前5年間に通算して2年以上、相談支援の業務又は直接支援の業務に従事した者 など14.5時間(別表第三)
更新研修実践研修を修了した日の属する年度の翌年度を初年度とする、5年度ごとの各年度の末日までに修了する13時間(別表第四)

出典:告示第230号 第2号イ・ロ、柱書、別表第一〜第四(時間数は漢数字を算用数字に直した)

基礎研修は、実務の年数を満たす前から受けられます。必要な年数に達するまで2年以内なら対象です。そのあと実践研修に進むには、基礎研修修了後の実務が別に2年以上要ります。

基礎研修の受講開始日に既に実務経験者だった人は、計画の原案づくりなどの業務に通算して6月以上従事することで、実践研修に進む道もあります(第2号ロ(2))。

更新研修を受けないと、実践研修からやり直しです

第2号は、実践研修を修了した直後の扱いを、ただし書で決めています。

「ただし、ロに定める児童発達支援管理責任者実践研修を修了した日から五年を経過する日の属する年度の末日までの間は、次のイ及びロに掲げる要件に該当する者であって、更新研修修了者でないものを更新研修修了者とみなす。」

出典:告示第230号 第2号ただし書(原文どおり)

期限までに更新研修修了者にならなかった実践研修修了者は、基礎研修修了者とみなし、実践研修を改めて修了し、証明書の交付を受けた日に実践研修修了者となります(告示第230号 第5号)。

基礎研修まで戻るのではなく、実践研修からのやり直しです。修了した年度を控えておくと、期限を数えやすくなります。

事業所では、1人以上を専任かつ常勤で置きます

通所支援基準は、児童発達支援の事業所(センターであるものを除く)について、次のように定めています。

「第一項第二号に掲げる児童発達支援管理責任者のうち、一人以上は、専任かつ常勤でなければならない。」

出典:通所支援基準 第5条第8項(原文どおり)

事業児発管についての定め条
児童発達支援(センター以外)1人以上は専任かつ常勤第5条第8項
放課後等デイサービス1人以上は専任かつ常勤第66条第8項
居宅訪問型児童発達支援1人以上は専ら当該事業所の職務に従事する者第71条の8第3項
保育所等訪問支援1人以上は専ら当該事業所の職務に従事する者第73条第2項

出典:通所支援基準 第5条第8項、第66条第8項、第71条の8第3項、第73条第2項

告示の側にも、配置にかかわる号が2つあります。

号定め
第6号児発管(常勤が必要な場合は常勤の児発管)が配置されている事業所では、計画の原案づくりなどの業務を基礎研修修了者に行わせることができ、その基礎研修修了者を加えて置くべき児発管の数に達するとみなすことができる
第7号やむを得ない事由で児発管が欠けた事業所では、その日から起算して1年間は、実務経験者である者を第2号の要件を満たすものとみなす。事由の発生前から配置されていた基礎研修修了者は、実践研修修了者となるまで(起算して2年間に限る)みなす

出典:告示第230号 第6号・第7号

実践研修前の基礎研修修了者も、第6号・第7号の条件の範囲でなら配置に数えられる場合があります。

児童発達支援管理責任者が担当する計画の作成で、何をどう書くよう省令とガイドラインが求めているかは個別支援計画の書き方|5領域は欄を分けなくてよく、全部との関連を書きますで扱っています。

この記事が扱っていないこと

  • 研修の日程・受講料・申込方法。実施する都道府県などの運用で、本記事は取得していません。
  • 実務の年数を日数でどう数えるか。告示は「期間」「通算」と書いており、日数の換算は告示の外(通知など)の話です。本記事は取得していません。
  • 第3号・第4号・第8号・第9号の経過措置。旧告示の研修修了者などの扱いです。
  • サービス管理責任者の要件。別の告示で、本記事は取得していません。
  • 児発管の給与・手当。本記事は扱っていません。

児発管をめざす保育士が確認できること

  • 自分の実務が、イ〜ホのどれに当たるか。保育士の直接支援はロです。高齢者分野の期間はハ・ホとして除かれます。
  • 除いたあとの期間が3年以上あるか。どの道にもこの条件があります。
  • 基礎研修を受けられる時期か。実務経験者となるまでの期間が2年以内なら対象です。
  • 実践研修の修了年度と、更新の期限。修了した年度の翌年度から数えて5年度ごとの各年度の末日です。
  • 応募先で、専任かつ常勤の児発管として置かれるのか。通所支援基準は1人以上を専任かつ常勤としています。

よくある質問

Q. 保育士の資格があれば、児発管になれますか。
A. 資格だけでは足りません。告示は実務経験(第1号)と研修の修了(第2号)の両方を求めています。保育士の直接支援の期間は、第1号ロとして数えられます。

Q. 高齢者の介護施設で働いた期間は数えられますか。
A. 通算には入りますが、第1号は老人福祉施設や介護老人保健施設などの期間(ハ・ホ)を除いて3年以上あることを求めています。

Q. 実務の年数を満たす前に、研修を受けられますか。
A. 基礎研修は、実務経験者となるために必要な年数に達する日までの期間が2年以内の人も対象です。実践研修には、基礎研修修了後に通算2年以上の実務などが要ります。

Q. 更新研修を受け忘れたらどうなりますか。
A. 第5号は、期日までに更新研修修了者とならなかった実践研修修了者を基礎研修修了者とみなし、実践研修を改めて修了することとしています。

Q. 児発管が急に辞めたら、事業所はどうなりますか。
A. 第7号は、やむを得ない事由で欠けた場合、その日から1年間は、実務経験者である者を要件を満たすものとみなすとしています。

迷ったらここ

自分の実務を、告示の区分で数える

児発管の要件は実務経験と研修の修了の両方です。保育士の直接支援の期間は、告示のロとして5年以上の道で数えられます。

  • これまでの実務が相談支援か直接支援か、高齢者分野の期間がどれだけあるか
  • 基礎研修・実践研修を修了しているか、更新研修の期限はいつか
  • 応募先で、専任かつ常勤の児発管として置かれるのか
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まとめ

児発管は、設備運営基準 第49条第1項が「こども家庭庁長官が定めるもの」とし、その中身は平成24年厚生労働省告示第230号に書かれています。要件は実務経験者であること(第1号)と研修の修了(第2号)の両方です。

実務経験は、イとロを通算して5年以上、ニを通算して8年以上、ヘの国家資格の期間が5年以上の3つの道があり、どれも高齢者分野の期間を除いて3年以上が要ります。保育士の直接支援はロに入ります。

研修は基礎・実践・更新の3段階で、更新は5年度ごと。期限を過ぎると実践研修からのやり直しです。事業所では、児発管のうち1人以上を専任かつ常勤で置きます(通所支援基準 第5条第8項・第66条第8項)。

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この記事を書いた人

医療・福祉・保育の人材紹介の現場で求職者の相談を受けてきた編集者が担当しています。キャリアアドバイザー歴8年、転職相談・紹介の対応実績1,500人以上(自社実績/2026年8月時点)。介護・看護師・保育士・栄養士の4分野を担当。記事の数値には必ず出典と公表時点を添えています。

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