30秒でわかるまとめ
- 准看護師が進む看護師の課程は、修業年限2年以上です看護師学校養成所の指定規則が、准看護師を教育する課程の基準を1つの項にまとめています。
- 通信制だけ、入学の条件が免許取得後5年以上の業務です通信制以外の課程は、免許を得た後3年以上の業務か、高等学校卒業の准看護師が対象です。
- 通信制の臨地実習は、授業と病院の見学で行います別表の備考が、印刷教材等による授業と面接授業、病院の見学によると定めています。
- 教育の内容は68単位で、うち臨地実習は16単位です基礎分野8単位、専門基礎分野14単位を含む、別表三の二の単位数がこの課程の基準です。
※准看護師になるまでの学校と時間数は准看護師になるには、看護師との違いは准看護師と正看護師の違い、年収は准看護師の年収で扱っています。

先に断ります:この記事は学費を扱いません
学費は学校ごとに決まり、国の法令にはありません。本記事は一次資料として保健師助産師看護師学校養成所指定規則だけを取り直したため、金額は書きません。
代わりに、学校選びの前提になる入学の条件・修業年限・教育の内容・通信制の授業の方法を条文で確かめます。どの学校も、この基準以上で指定を受けています。

まず全体:准看護師を教育する課程は、別の項に書かれています
看護師学校養成所の基準を定めた指定規則 第4条は、課程ごとに項を分けています。
| 項 | 対象となる課程 | 修業年限 | 教育の内容 |
|---|---|---|---|
| 第4条第1項 | 高等学校卒業者等(学校教育法第90条第1項に該当する者)を教育する課程 | 3年以上 | 別表三 |
| 第4条第2項 | 准看護師を教育する課程 | 2年以上 | 別表三の二 |
| 第4条第3項 | 高等学校及び専攻科で一貫して看護師を養成する課程 | 専攻科2年以上 | 別表三の三 |
出典:保健師助産師看護師学校養成所指定規則(e-Gov法令API 法令ID 326M50000180001)第4条第1項〜第3項
准看護師から看護師を目指す課程は、第2項だけで基準が完結しています。この記事はその第2項を読みます。

ここが本題:入学の資格は、通信制だけ別に書かれています
第4条第2項第1号です。
「免許を得た後三年以上業務に従事している准看護師又は高等学校若しくは中等教育学校を卒業している准看護師であることを入学又は入所の資格とするものであること。ただし、通信制の課程においては、免許を得た後五年以上業務に従事している准看護師であることを入学又は入所の資格とするものであること。」
出典:同規則 第4条第2項第1号(原文どおり)
| 見るところ | 通信制以外の課程 | 通信制の課程 |
|---|---|---|
| 入学の資格 | 免許を得た後3年以上業務に従事している准看護師 又は 高等学校若しくは中等教育学校を卒業している准看護師 | 免許を得た後5年以上業務に従事している准看護師 |
| 修業年限 | 2年以上(第2号) | |
| 看護師の資格を有する専任教員 | 7人以上 | 10人以上(入学定員又は入所定員が300人以下なら8人以上) |
出典:同規則 第4条第2項第1号・第2号・第4号
読みどころは2つです。
- 通信制には「高等学校を卒業している准看護師」の道がありません。ただし書が、通信制の入学資格を業務年数の1本だけにしています。
- 年数も3年ではなく5年です。通信制を考えるなら、免許を得た日から数えて5年以上の業務が先に要ります。
「5年」は、改正の附則で検討が予告されていました
平成28年8月22日の改正省令(文部科学省・厚生労働省令第6号)の附則第2項に、通信制の入学資格についての検討規定があります。
「文部科学大臣及び厚生労働大臣は、この省令の施行後、……看護師学校養成所に入学又は入所する学生又は生徒の数の動向、今後の看護師学校養成所の教育の内容の見直しの状況等を勘案し、同項第一号ただし書に規定する通信制の課程における准看護師の入学又は入所の資格について、准看護師の免許を得た後五年以上業務に従事していることとすることを含めて検討を加え、その結果に基づいて、この省令の施行後三年を目途に必要な見直しを行うものとする。」
出典:平成28年文部科学省・厚生労働省令第6号 附則第2項(e-Gov法令APIの同規則に収録された附則。原文から一部を省略)
現在の本文は「五年以上」です。附則は、その数字を含めて見直すことを予告していた規定です。本記事は、いつの改正で本文が五年になったかまでは取得していません。
教育の内容は、68単位です
第4条第2項第3号は、教育の内容を「別表三の二に定めるもの以上」としています。分野ごとの単位数は次のとおりです。
| 分野 | 単位数 |
|---|---|
| 基礎分野(科学的思考の基盤、人間と生活・社会の理解) | 8 |
| 専門基礎分野(人体の構造と機能、疾病の成り立ちと回復の促進:10/健康支援と社会保障制度:4) | 14 |
| 専門分野(基礎看護学6、地域・在宅看護論5、成人・老年・小児・母性・精神看護学 各3、看護の統合と実践4) | 30 |
| 臨地実習 | 16 |
| 合計 | 68 |
出典:同規則 別表三の二。分野ごとの小計は編集部が合計した。備考第5号も「臨地実習十六単位以上及び臨地実習以外の教育内容五十二単位以上(うち基礎分野八単位以上、専門基礎分野十四単位以上及び専門分野三十単位以上)」と書いている
臨地実習16単位の内訳は、基礎看護学2、地域・在宅看護論2、成人看護学・老年看護学で4、小児看護学2、母性看護学2、精神看護学2、看護の統合と実践2です。
高等学校卒業者等を教育する3年課程(別表三)との比較は准看護師になるにはで扱っています。
通信制の授業と実習は、備考で方法が決まっています
別表三の二の備考は、通信制について2つのことを定めています。
| 備考 | 定め |
|---|---|
| 第2号 | 通信制の課程の単位の計算方法は、大学通信教育設置基準 第5条第1項の規定の例による(実験、実習又は実技による授業は「三十時間」と読み替える) |
| 第3号 | 通信制の課程における授業は、大学通信教育設置基準 第3条第1項及び第2項に定める方法により行う。ただし、臨地実習については、同条第一項に定める印刷教材等による授業及び面接授業並びに病院の見学により行うものとする |
出典:同規則 別表三の二 備考第2号・第3号
通信制の臨地実習は「印刷教材等による授業」「面接授業」「病院の見学」の3つで行う、と書かれています。通信制以外の課程に同じただし書はありません。入学資格が5年以上の業務になっていることと、並べて読める組み立てです。
ほかの学校で履修した科目は、免除できる場合があります
備考第4号は、大学・高等専門学校や、歯科衛生士・診療放射線技師・臨床検査技師・理学療法士・作業療法士・視能訓練士・臨床工学技士・義肢装具士・救急救命士・言語聴覚士の学校・養成所で既に履修した科目について、その科目の履修を免除することができると定めています。
出典:同規則 別表三の二 備考第4号
「免除することができる」なので、実際に免除するかは学校の側の判断になります。
卒業すると、看護師国家試験の受験資格の側に入ります
看護師国家試験の受験資格は保健師助産師看護師法 第21条が定めていて、准看護師が2年以上修業する道もそこに書かれています。受験資格の条と、実務3年との関係は准看護師になるには、准看護師試験と看護師国家試験の違いは准看護師試験の難易度で扱っています。
准看護師が進む看護師2年課程の入学者は、令和7年度に4,070人でした。2年課程の学校数と入学者数の推移は准看護師は廃止されるのか|廃止を定めた法律はなく、課程の入学者は15年で約3割にで扱っています。
この記事が扱っていないこと
- 学費と入学金。法令にありません。学校ごとの募集要項で確認が必要です。
- 通信制の学校の数と所在地、募集定員。本記事は取得していません。
- 働きながら通う場合の勤務の調整。法令の定めではなく、勤務先との取り決めになります。
- 国家試験の合格率。本記事は取得していません。
進学を考えるときに確認できること
- 免許を得た日と、業務に従事した期間。通信制は5年以上、通信制以外は3年以上(又は高等学校卒業)です。
- 高等学校を卒業しているか。卒業していれば、通信制以外の課程では業務年数の条件によらず入学資格の側に入ります。
- 面接授業と病院の見学の日程。通信制でも、臨地実習は面接授業と病院の見学を含む方法で行います。
- 既に履修した科目があるか。備考第4号の学校・養成所で履修した科目は、免除される場合があります。
- 学費・入学金・教材費。募集要項で確認します。
よくある質問
Q. 准看護師から看護師になる学校は何年ですか。
A. 指定規則 第4条第2項第2号は、修業年限を「二年以上」としています。
Q. 通信制には何年働けば入れますか。
A. 第4条第2項第1号ただし書は、通信制の課程について「免許を得た後五年以上業務に従事している准看護師」を入学資格としています。
Q. 高校を卒業していれば、すぐに通信制に入れますか。
A. 通信制の入学資格は、免許を得た後5年以上の業務だけが書かれています。高等学校卒業の准看護師を入学資格に含めているのは、通信制以外の課程です。
Q. 通信制でも実習はありますか。
A. 別表三の二は臨地実習を16単位としています。通信制では、備考第3号により、印刷教材等による授業及び面接授業並びに病院の見学により行います。
Q. 学費はいくらですか。
A. 法令に定めはなく、本記事では確認していません。学校ごとの募集要項で確認してください。
Q. 通信制の入学資格は、昔から5年ですか。
A. 平成28年の改正省令の附則に「五年以上業務に従事していることとすることを含めて検討を加え」と書かれていました。現在の本文は五年以上です。いつから五年になったかは、本記事では確認していません。
迷ったらここ
免許を得た日から、5年たっているかを見る
通信制の課程は免許を得た後5年以上の業務が入学の条件です。通信制以外は3年以上か、高等学校を卒業している准看護師が対象です。
- 免許を得た日と、業務に従事した期間
- 通信制か、通信制以外の課程か
- 面接授業と病院の見学の日程を勤務と両立できるか
まとめ
准看護師を教育する看護師の課程は、指定規則 第4条第2項に基準がまとまっています。修業年限は2年以上、教育の内容は別表三の二の68単位(うち臨地実習16単位)です。
入学の資格は、通信制以外の課程が免許を得た後3年以上の業務、又は高等学校等を卒業している准看護師。通信制の課程だけは、免許を得た後5年以上の業務とされ、高校卒業の道がありません。
通信制の臨地実習は、印刷教材等による授業、面接授業、病院の見学で行うと備考に書かれています。学費は法令になく、学校ごとの募集要項で確かめることになります。

