30秒でわかるまとめ
- 看護師が働く病院は8,001施設で、59の減少です2025年10月1日時点の数です。1年間に廃止が101、休止が13あり、開設と再開は合わせて55でした。
- 病院の病床は1年で1万9,523床減りましたいちばん減ったのは一般病床の1万921床です。2002年に9,187あった病院は、23年で1,186減りました。
- 一般病床の利用率は74.7%と上昇しています前年より1.4ポイント高くなりました。一般病床に入院している患者は1.1%、新しく入院した患者は2.1%増えています。
- ベッドのない診療所は569増えました一般診療所は105,521施設で314増えました。一方、ベッドのある診療所は255減りました。
厚生労働省は9月29日、2025年(令和7年)の「医療施設(動態)調査」と「病院報告」の結果を公表した。2025年10月1日時点の病院は8,001施設で、前年から59施設減った。病床も1年で1万9,523床減った。一方で、一般病床の利用率は上がり、入院する患者は増えている。看護師として病院で働く人、病院やクリニックへの転職を考えている人に向けて、職場の数と忙しさに関わる数字を整理する。
病院は8,001施設、1年で59減った
医療施設(動態)調査は、病院や診療所の開設・廃止などの届出をもとに、施設の数や病床の数の動きを毎月集計したものである。2025年10月1日時点の病院は8,001施設で、前年の8,060施設から59減った(0.7%減)。内訳は、一般病院が6,949施設で54減、精神科病院が1,052施設で5減だった。長く入院する患者のための療養病床を持つ病院は3,290施設で、48減った。
2024年10月から2025年9月までの1年間に、病院の廃止は101、休止は13あった。開設は52、再開は3で、差し引き59の減少になる。開設者別に見ると、医療法人の病院が5,585施設で41減り、個人の病院が10減、公的医療機関が7減った。病院の69.8%は医療法人が開いている。
1年で59も病院が減ったんですか。
閉じた病院が101、新しく開いた病院が52だったんだ。
働ける病院が少なくなっている、ということでしょうか。
病院の数は23年で1,186減った
病院の数は、この調査の推移が載っている2002年から毎年減り続けている。
| 年(10月1日時点) | 病院の数 |
|---|---|
| 2002年 | 9,187 |
| 2008年 | 8,794 |
| 2019年 | 8,300 |
| 2020年 | 8,238 |
| 2024年 | 8,060 |
| 2025年 | 8,001 |
出典:厚生労働省「令和7(2025)年医療施設(動態)調査」図1のデータから抜粋
2002年の9,187施設から、23年で1,186施設減った。病床の規模別に見ると、この1年では300〜399床と400〜499床がそれぞれ14減り、500〜599床が7減った。300〜599床の中規模から大きめの病院で35減ったことになる。小さい病院では、20〜49床が7減、50〜99床が13減だった。
小児科や産科のある病院も減っている。小児科を掲げる一般病院は2,397施設で30減り、産婦人科か産科を掲げる一般病院は1,230施設で15減った。2008年にはそれぞれ2,905施設と1,496施設あった。
病床は1年で1万9,523床減った
病院の病床は145万322床で、前年から1万9,523床減った(1.3%減)。種類別では、一般病床が86万8,807床で1万921床減り、減った数がいちばん多い。精神病床は4,568床減、療養病床は3,865床減だった。
| 病床の種類 | 2025年 | 前年との差 |
|---|---|---|
| 一般病床 | 868,807 | −10,921 |
| 精神病床 | 311,579 | −4,568 |
| 療養病床 | 264,656 | −3,865 |
| 結核病床 | 3,331 | −177 |
| 感染症病床 | 1,949 | +8 |
| 病院の合計 | 1,450,322 | −19,523 |
出典:厚生労働省「令和7(2025)年医療施設(動態)調査」表7。単位は床、10月1日時点
一般病床の利用率は74.7%に上がった
病院報告は、病院からの毎月の報告をもとに、患者の数や病床の使われ方を集計したものである。2025年の1年間で見ると、病床が減る一方で、一般病床の病床利用率は74.7%と、前年の73.3%から1.4ポイント上がった。病院の全病床では77.9%で、0.9ポイント上がった。
一般病床に入院している患者は1日平均65万1,941人で、前年より1.1%増えた。1日平均の新入院患者は4万2,747人で2.1%増え、退院患者も2.5%増えた。平均在院日数は一般病床で15.3日と、0.2日短くなった。病院全体の平均在院日数は25.1日で、0.5日短くなった。病院全体の1日平均の在院患者は113万4,901人で、前年より1,705人(0.2%)増えた。
病床利用率と平均在院日数は、1年間を通した平均である。施設数と病床数は10月1日時点の数で、時点が違う。
病院の外来は1日平均119万3,754人で、1.5%減った。入院の側では患者が増え、外来の側では減った形である。
ベッドは減ったのに、入院する人は増えているんですね。
一般病床では、新しく入院する人が2.1%増えたね。
入院している日数は、少し短くなっているよ。
入院と退院の対応が、前より多くなっていそうですね。
ベッドのない診療所は569増えた
病院が減る一方で、一般診療所は105,521施設と、前年から314増えた。内訳を見ると、ベッドのない無床診療所が100,361施設で569増え、ベッドのある有床診療所は5,160施設で255減った(4.7%減)。一般診療所の95.1%は無床である。
1年間に開設した一般診療所は11,291、廃止は10,607で、入れ替わりが多い。有床診療所のうち188は、この1年で無床診療所に変わった。有床診療所の病床は6万7,790床で、4,661床減った。開設者別では、医療法人の診療所が606増え、個人の診療所が427減った。
病院は減っても、クリニックは増えているんですね。
増えたのは、ベッドのない診療所のほうだね。
迷ったらここ
病棟の入退院の数を聞く
病院と病床は減っていますが、一般病床では入院する患者が増え、入院の日数は短くなっています。同じ病床数でも、入退院の多さで忙しさは変わります。応募する前に、次の点を聞いておくと比べやすくなります。
- 配属予定の病棟の病床数と、1か月の入院・退院の件数
- 病棟の病床利用率と平均在院日数
- 病床の削減や病棟の再編の予定があるか
- クリニックなら、ベッドの有無と夜勤・当直の有無
編集部の見方:病床が減り入退院が増える
ここからは編集部の見方である。病院の数は23年続けて減り、この1年も59減った。病床も1万9,523床減った。それでも一般病床の利用率は上がり、新しく入院する患者は増え、入院の日数は短くなっている。数字を並べると、少なくなった病床で、より多くの患者の入院と退院を受け止めている姿が見える。
看護師にとっては、病院という職場の数が減っていくことと、残る病棟で入退院の対応が増えることの両方を意味しうる。ただし、この調査は病院で働く看護師の人数を集計していないので、看護師1人あたりの負担が増えたかどうかは分からない。職場を選ぶときに確かめたいのは、全国の平均よりも、配属される病棟の入退院の数と在院日数である。
一方で、ベッドのない診療所は増えている。入院患者のいない職場で働きたい人にとっては、選べる先が増えていると読める。病院で経験を積むか、外来中心の職場に移るかは、働き方の希望と合わせて考えたい。
病院が看護師の人数の基準を満たしているかは病院への立入検査の記事で、勤務表の工夫は勤務表の記事で整理している。
出典
一次資料
- 厚生労働省「令和7(2025)年医療施設(動態)調査・病院報告の概況」(2026年9月29日公表、2026年9月30日参照)。報道発表資料、医療施設調査と病院報告の表(Excel)はこのページにある
編集部メモ
- 数値はすべて厚生労働省が公表した表(Excel)から取りました。施設数は「前年の数+開設+再開−廃止−休止」で今年の数に戻ること、内訳を足すと合計に戻ることを、編集部で計算し直して確かめています。
- 施設数と病床数は各年10月1日時点、病床利用率・患者数・平均在院日数は1年間の平均です。
- 2002年からの推移は、医療施設調査の図1のデータから取りました。表の年は抜粋です。
- この調査には、病院や診療所で働く看護師の人数は含まれていません。看護師1人あたりの患者数や忙しさの変化は、この資料からは分かりません。
- 「300〜599床で35減」は、300〜399床、400〜499床、500〜599床の減少数を編集部が足したものです。
- 報道各社の記事は参照していません。数値も記述も、すべて厚生労働省の公表資料から取っています。

