30秒でわかるまとめ
- 栄養士が離乳食の献立を組むときは、国のガイドが土台です授乳・離乳の支援ガイドが、食品を増やす順番と調理の固さの進め方を文章で示しています。
- 最初はおかゆから、1さじずつ始めます慣れたら野菜や果物、さらに豆腐や白身魚、固ゆでした卵黄へと種類を増やしていきます。
- 2回食の頃からは、主食・副菜・主菜の組み合わせです穀類、野菜・果物、たんぱく質性食品を組み合わせ、家族の食事から調味前に取り分けます。
- 蜂蜜は、1歳を過ぎるまで与えないとされています乳児ボツリヌス症のリスクがあるためで、牛乳を飲用にするのも1歳を過ぎてからが望ましいとされます。
※保育所で栄養士がどう置かれているかは保育園栄養士の仕事内容と1日、食物アレルギーの対応は保育園の食物アレルギー対応、栄養士の業務の根拠は栄養士の仕事内容で扱っています。

先に断ります:目安量の数字は本記事では扱いません
根拠にするのは、「授乳・離乳の支援ガイド」(2019年3月、「授乳・離乳の支援ガイド」改定に関する研究会)です。こども家庭庁のサイトに掲載されています。
ガイドの「離乳の進め方の目安」の表は、1回当たりの目安量などを図で示しています。この表はPDFの中で画像になっており、数字を文字として取り出して原本と突き合わせることができませんでした。そのため本記事は、ガイドの本文に文章で書かれていることだけを使います。

まず考え方:画一的な進め方にしない
ガイドは離乳の支援の基本的考え方で、こう書いています。
「離乳については、子どもの食欲、摂食行動、成長・発達パターン等、子どもにはそれぞれ個性があるので、画一的な進め方にならないよう留意しなければならない。」
出典:授乳・離乳の支援ガイド「Ⅱ-2 離乳の支援」の「1 離乳の支援に関する基本的考え方」(原文どおり)
離乳の開始の項でも、月齢は「あくまでも目安」と書かれています。献立の型を先に決めるのではなく、子どもの様子を見ながら進めることが前提です。

時期ごとの回数と固さ
ガイドの本文にある時期ごとの記述を並べます。
| 時期 | 離乳食の回数 | 与える固さ・状態 |
|---|---|---|
| 離乳初期(生後5か月〜6か月頃) | 1日1回 | 飲み込むこと、舌ざわりや味に慣れることが主目的 |
| 離乳中期(生後7か月〜8か月頃) | 1日2回 | 舌でつぶせる固さ |
| 離乳後期(生後9か月〜11か月頃) | 1日3回 | 歯ぐきでつぶせる固さ |
| 離乳の完了(生後12か月から18か月頃) | 1日3回+必要に応じて1日1〜2回の補食 | 形のある食物をかみつぶすことができるようになった状態 |
出典:同ガイド「2 離乳の支援の方法」の(1)〜(3)
離乳の開始は「なめらかにすりつぶした状態の食物を初めて与えた時」と定義されています。開始時期の目安として、首のすわりがしっかりして寝返りができ、5秒以上座れる、スプーンを口に入れても舌で押し出すことが少なくなる、食べ物に興味を示す、などが挙げられています。
ここが本題:食品を増やす順番
ガイドの「食品の種類と組合せ」の記述を、順番どおりに並べると次のようになります。
| 段階 | ガイドに書かれている食品 |
|---|---|
| 1 | おかゆ(米)から始める。新しい食品は離乳食用のスプーンで1さじずつ |
| 2 | 慣れてきたらじゃがいもや人参等の野菜、果物 |
| 3 | さらに慣れたら豆腐や白身魚、固ゆでした卵黄など |
| 4 | 魚は白身魚から赤身魚、青皮魚へ。卵は卵黄から全卵へ |
| 5 | 食べやすく調理した脂肪の少ない肉類、豆類、各種野菜、海藻。脂肪の多い肉類は少し遅らせる |
出典:同ガイド「(4)食品の種類と調理」の「ア 食品の種類と組合せ」
野菜類には緑黄色野菜も用い、ヨーグルト、塩分や脂肪の少ないチーズも用いてよい、と書かれています。
2回食の頃から、献立は3つを組み合わせます
献立の組み立てについて、ガイドはこう書いています。
「離乳食に慣れ、1日2回食に進む頃には、穀類(主食)、野菜(副菜)・果物、たんぱく質性食品(主菜)を組み合わせた食事とする。また、家族の食事から調味する前のものを取り分けたり、薄味のものを適宜取り入れたりして、食品の種類や調理方法が多様となるような食事内容とする。」
出典:同(原文どおり)
| 献立の役割 | ガイドの表現 |
|---|---|
| 主食 | 穀類 |
| 副菜 | 野菜・果物 |
| 主菜 | たんぱく質性食品 |
「家族の食事から調味する前のものを取り分け」る方法が書かれています。離乳食を別に一から作る前提ではありません。
調理形態:つぶしがゆから軟飯へ
| 対象 | ガイドに書かれている進め方 |
|---|---|
| おかゆ | 初めは「つぶしがゆ」→ 慣れてきたら粗つぶし → つぶさないまま → 軟飯へ移行 |
| 野菜類・たんぱく質性食品 | 始めはなめらかに調理し、次第に粗くしていく |
| 離乳中期頃 | 飲み込み易いようにとろみをつける工夫も必要 |
| 調味 | 離乳の開始時期は調味料は必要ない。使う場合は食品のもつ味を生かしながら薄味で。油脂類も少量 |
出典:同ガイド「イ 調理形態・調理方法」
加熱については、「子どもが口の中で押しつぶせるように十分な固さになるよう加熱調理をする」とされています。子どもは細菌への抵抗力が弱いので、衛生面に十分に配慮することも書かれています。
与える時期に気をつけるもの
| 食品 | ガイドの記述 | 理由として書かれていること |
|---|---|---|
| 蜂蜜 | 1歳を過ぎるまでは与えない | 乳児ボツリヌス症を引き起こすリスクがあるため |
| 牛乳(飲用) | 1歳を過ぎてからが望ましい | 鉄欠乏性貧血の予防の観点から |
| 果汁・イオン飲料 | 離乳の開始前に与えることの栄養学的な意義は認められていない | 離乳の開始前の最適な栄養源は乳汁(母乳又は育児用ミルク)であるため |
| フォローアップミルク | 母乳代替食品ではなく、離乳が順調に進んでいる場合は摂取する必要はない | ― |
出典:同ガイド「(1)離乳の開始」「ア 食品の種類と組合せ」
母乳育児の場合は、生後6か月の時点で鉄欠乏を生じやすいとの報告や、ビタミンD欠乏の指摘があることから、鉄やビタミンDの供給源となる食品を意識的に取り入れることが重要だと書かれています。
献立を提案するときの姿勢
ガイドは、作り方を提案する側に向けて次のように書いています。
「離乳食の作り方の提案に当たっては、その家庭の状況や調理する者の調理技術等に応じて、手軽に美味しく安価でできる具体的な提案が必要である。」
出典:同ガイド「イ 調理形態・調理方法」(原文どおり)
食物アレルギーが疑われる症状がみられた場合は、自己判断で対応せずに、医師の診断に基づいて進めることが必要とされています。保育所での対応は保育園の食物アレルギー対応で扱っています。
給食施設で大勢の利用者に向けて献立を作るときの考え方(給与栄養量の目標の設定と、食べた量や体重の変化による見直し)は献立作成のコツ|通知は、献立より先に「給与栄養量の目標」を置いていますで扱っています。
献立を組むときに確認できること
- その子がいまどの時期にいるか。月齢はあくまでも目安で、食べ方の発達で判断します。
- 新しい食品を入れる日か。新しい食品は1さじずつ、様子をみながら量を増やします。
- 2回食に進んでいるか。進んでいれば主食・副菜・主菜の組み合わせで考えます。
- 蜂蜜や牛乳(飲用)を使っていないか。1歳を過ぎるまでは与えない、1歳を過ぎてからが望ましい、とされています。
- 家族の食事から取り分けられるか。調味する前に取り分ける方法がガイドに書かれています。
よくある質問
Q. 1回にどれくらいの量を出せばよいですか。
A. ガイドの目安量は「離乳の進め方の目安」の表にありますが、PDFの中で画像になっており、本記事では数字を扱っていません。原本の表で確認してください。
Q. 離乳食はいつから始めますか。
A. ガイドは、発達の目安がそろう時期を生後5〜6か月頃が適当としています。月齢はあくまでも目安とされています。
Q. 調味料はいつから使えますか。
A. 離乳の開始時期は調味料は必要ない、とされています。使う場合は薄味で、油脂類も少量とされています。
Q. 卵はいつから出せますか。
A. ガイドは、慣れたら固ゆでした卵黄を加え、離乳が進むにつれ卵黄から全卵へ進める、と書いています。
Q. アレルギーが心配なので、開始を遅らせてもよいですか。
A. ガイドは、離乳の開始や特定の食物の摂取開始を遅らせても予防効果があるという科学的根拠はない、としています。症状がある場合は医師の診断に基づいて進めることとされています。
Q. 離乳が完了したら、ミルクはやめますか。
A. ガイドは、離乳の完了は母乳又は育児用ミルクを飲んでいない状態を意味するものではない、と書いています。
迷ったらここ
離乳食の担当範囲を、応募前に聞く
離乳食は月齢ではなく子どもの様子で進めるとガイドは書いています。個別に対応する体制があるかで、仕事の組み立てが変わります。
- 乳児クラスの離乳食を栄養士が担当するか
- 家庭での食べ方をどう共有しているか
- 新しい食品を入れる手順が決まっているか
まとめ
離乳食の献立は、授乳・離乳の支援ガイドが本文で示す順番と固さを土台に組めます。
食品はおかゆ(米)から1さじずつ。慣れたら野菜・果物、さらに豆腐・白身魚・固ゆでした卵黄へ。魚は白身から赤身・青皮魚へ、卵は卵黄から全卵へと進めます。
1日2回食に進む頃には、穀類(主食)、野菜(副菜)・果物、たんぱく質性食品(主菜)の組み合わせにし、家族の食事から調味前に取り分ける方法も書かれています。
固さは中期が舌でつぶせる固さ、後期が歯ぐきでつぶせる固さ。蜂蜜は1歳を過ぎるまで与えない、牛乳を飲用にするのは1歳を過ぎてからが望ましい、とされています。

