介護職の転職は難しい? 公的データで読む介護業界の現状

介護職の転職は難しい? 公的データで読む介護業界の現状

「介護職は転職しにくい」「今の職場を辞めたら次が見つからないかもしれない」——そう感じている方は少なくありません。ただ、公的な統計を並べてみると、実際の数字はその感覚とかなり違います。

目次

30秒でわかるまとめ

  • 介護職の有効求人倍率は3.63倍、全職業平均の約3.3倍です厚生労働省の調査で有効求人191,330件に対し有効求職者52,757人、全職業平均は1.10倍でした
  • 2040年度には介護職員があと57万人不足する見通しです厚生労働省の推計で2022年度の約215万人から2040年度は約272万人の需要が見込まれています
  • 介護職員は50代が最も多く、若い世代ほど離職率は高めでした介護労働安定センターの調査で50代は28.9%と最多、29歳以下の離職率は17.3%で全体の12.4%を上回りました
  • 介護職員の平均給与額には、賞与を含んだ金額が使われています厚生労働省の調査で平均給与額は338,200円ですが、賞与等を除いた基本給等は253,810円にとどまります
ちはる

「人手不足とは聞くけれど、いざ辞めようとすると次が見つからないのでは」——いちばん多いのがこの不安だと思います。

まず、感覚ではなく数字で確かめるところから始めましょう。

このページでは、厚生労働省と介護労働安定センターが公表しているデータをもとに、介護業界がいまどうなっているかを整理します。数値はすべて出典と時点を明記しました。転職するかどうかを決める前に、まず事実を確認してください。

このページの要点

  • 介護サービス職業従事者の有効求人倍率は3.63倍。全職業平均(1.10倍)の約3.3倍で、求人は求職者の3倍以上ある
  • 必要な介護職員数は2040年度に約272万人と見込まれ、2022年度から約57万人足りない
  • 離職率は12.4%で横ばい。ただし29歳以下だけは17.3%と高く、若い世代の定着が課題になっている
  • 賃金は上がっているが、公表されている「平均給与額」は一時金を含む定義なので、月々の手取りとは違う

数字で見る介護業界の現状

まず、転職のしやすさに直結する5つの指標を見ていきます。

1. 求人は求職者の3倍以上ある

厚生労働省の「一般職業紹介状況」によると、介護サービス職業従事者の有効求人倍率は3.63倍です。有効求人が191,330件に対し、有効求職者は52,757人。1人の求職者に対して3件以上の求人がある計算になります。

有効求人倍率の比較(令和8年3月・常用/パート含む・全国計)

  • 職業計(全職業)……1.10倍
  • 介護サービス職業従事者……3.63倍
  • 社会福祉専門職業従事者……2.69倍
  • 保健師・助産師・看護師……2.12倍

出典: 厚生労働省「一般職業紹介状況(令和8年3月分及び令和7年度分)」参考統計表(令和8年4月28日公表)。ハローワークが扱った求人・求職に基づく数字で、民間の求人サイトや人材紹介会社が扱う求人は含まれていません。

ここで注目したいのは労働市場全体との対比です。令和7年度の全職業平均の有効求人倍率は1.20倍で、前年度の1.25倍から0.05ポイント低下しました。つまり採用市場全体は緩んでいるのに、介護だけは逼迫したままという状態です。

熊先生

ここが今回いちばん伝えたいところです。世の中全体の求人は減っているのに、介護だけ倍率が3.63倍のまま。つまり「求人が見つからない」心配は、統計上は要らないということです。

怖いのは見つからないことではなく、合わないところに入ってしまうこと。この記事の後半は、そこを見分けるための話に使います。

「求人が減っているのでは」という不安を持つ方もいますが、少なくとも介護分野に関しては、統計上そうした傾向は出ていません。

2. 2040年に向けて、あと57万人足りない

厚生労働省は、各都道府県が第9期介護保険事業計画をもとに推計した介護職員の必要数を公表しています。

介護職員の必要数の見通し

  • 2022年度(実績)……約215万人
  • 2026年度……約240万人(2022年度比 +約25万人/年6.3万人ペース)
  • 2040年度……約272万人(2022年度比 +約57万人/年3.2万人ペース)

出典: 厚生労働省「第9期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について」(令和6年7月12日公表)。市町村が計画に位置付けたサービス見込み量等に基づく都道府県の推計を集計したもの。

この数字は「これだけ増やす予定」ではなく「これだけ必要になる」という推計です。現状のままなら不足が続くという前提に立った数値であり、国が処遇改善や外国人材の受け入れ環境整備を進めている背景でもあります。

働く側から見れば、需要が長期的に続く見通しが立っているということです。数年先の転職先が急に消えるような業界ではありません。

3. 最も多いのは50代。若い世代ほど辞めている

介護労働安定センターの調査から、実際に働いている人の構成を見てみます。

介護労働者の年齢構成

  • 30歳未満……5.6%
  • 30歳代……14.9%
  • 40歳代……27.5%
  • 50歳代……28.9%(最多)
  • 60歳代……17.3%
  • 70歳以上……4.0%

性別は男性22.6%、女性75.7%。

出典: 公益財団法人介護労働安定センター「令和7年度 介護労働実態調査」労働者調査回答者の基本属性(令和8年7月29日公表)。

40代と50代で全体の56.4%、60代以上も21.3%を占めます。30歳未満は5.6%しかいません。年齢を理由に転職をためらう必要がある業界ではない、というのがこの数字の意味です。

一方で、同じ調査は離職率について29歳以下が17.3%と、他の年齢層より高いことを示しています。全体の離職率が12.4%であることを考えると、若い世代だけが突出しています。

これは「若い人は続かない」という話ではなく、入職して間もない時期のミスマッチが起きやすいと読むべきでしょう。裏を返せば、最初に職場を見極められるかどうかが、その後を大きく左右するということです。転職先を選ぶときに何を確認すべきかは、このページの後半で詳しく扱います。

4. 人手不足感は、むしろ強まっている

同じ調査で、従業員が「不足している」と答えた事業所は65.8%でした。前年度の65.2%から上昇しています。職種別では訪問介護員が82.9%と最も高く、8割を超える事業所が足りないと答えています。

採用率は14.6%と2年ぶりに上昇しましたが、上昇幅は0.3ポイントにとどまりました。採れてはいるものの、必要量には届いていない状態です。

求職者側から見ると、選ぶ余地があるということでもあります。特に訪問介護は不足感が突出しているため、条件交渉の余地が比較的大きい領域だと考えられます。

5. 賃金は上がっている。ただし「平均給与額」の中身に注意

賃金の話は、数字の定義を確認しないと誤解します。厚生労働省の調査を正確に引用します。

介護職員(月給・常勤/処遇改善加算を取得している事業所)

  • 平均給与額……令和6年9月 338,200円(令和5年9月 324,240円/+13,960円・+4.3%)
  • 基本給等……令和6年9月 253,810円(令和5年9月 242,680円/+11,130円・+4.6%)

出典: 厚生労働省「令和6年度 介護従事者処遇状況等調査結果のポイント」。⚠ この調査でいう「平均給与額」は基本給+手当+一時金(4〜9月支給額の1/6。賞与等を含む)の合計です。毎月この額が振り込まれるという意味ではありません。月々の水準に近いのは「基本給等」のほうです。なお介護職員等処遇改善加算の取得率は95.5%(令和6年9月時点)。

「平均月収33万円」は月々の手取りではありません。この数字には賞与を6分の1にして足した額が入っています。求人票も同じで、基本給・手当・賞与を分けて見ないと前職と比べられません。

「介護職の平均月収は33万円」という表現を見かけますが、その多くはこの平均給与額を指しています。賞与を月割りした額が含まれているので、月々の給与明細と比べると印象が変わります。求人票を見るときも、基本給・手当・賞与を分けて確認してください。

とはいえ、1年で基本給が11,130円上がったこと自体は事実です。処遇改善加算の取得率が95%を超えていることもあり、賃金の水準は動いている局面にあります。

転職サイト・転職エージェントを使うメリット

介護職の転職手段は、ハローワーク、知人の紹介、直接応募、転職サイト(人材紹介)などがあります。実際の就職経路を見ると、興味深い傾向が出ています。

現在の法人に就職した主な経路

  • 全体……友人・知人からの紹介 33.8% / ハローワーク 19.4%
  • 勤続1年未満に限ると……友人・知人からの紹介 29.3% / 求人情報サイト 21.3%

出典: 介護労働安定センター「令和7年度 介護労働実態調査」(令和8年7月29日公表)。

全体ではハローワークが2位ですが、最近入職した人に限ると求人情報サイトが2位に入れ替わります。入口が変わりつつある、ということです。以下、サービスを使う利点を整理します。

求人票に書かれていない情報が得られる

求人票には、その職場にとって不都合な情報は書かれません。職員の平均勤続年数、夜勤の実際の回数、前任者が辞めた理由といった情報は、募集要項からは読み取れないのが普通です。

担当者が施設と直接やり取りしているサービスであれば、こうした点を代わりに確認してもらえます。前述のとおり29歳以下の離職率が高いことを踏まえると、入職前に職場の実態をどれだけ把握できるかが定着を左右します。

公開されていない求人にアクセスできる

事業所側が「応募が殺到すると対応しきれない」「職員に知られたくない」といった事情から、一般公開せずに人材紹介会社にだけ依頼する求人があります。登録しないと存在自体が見えないため、選択肢の幅が変わります。

書類と面接の準備を手伝ってもらえる

履歴書・職務経歴書の書き方、面接で聞かれることの想定、当日の受け答え。ブランクがある方や、転職自体が初めての方にとっては、ここが最大の不安になりがちです。多くのサービスがこの部分を無料で支援しています。

条件交渉と日程調整を任せられる

給与、入職日、夜勤の回数、担当するポジション。自分では言い出しにくい話を代わりに伝えてもらえます。在職中で面接の時間が取りにくい場合、日程調整も含めて任せられるのは実務的な利点です。

求職者は無料で使える

有料職業紹介事業者が求職者から手数料を受け取ることは、職業安定法で原則として禁止されています。転職サイト・エージェントは、採用が決まった際に事業所側から報酬を受け取る仕組みで運営されています。

根拠: 職業安定法第32条の3第2項・職業安定法施行規則第20条。求職者から手数料を取れるのは、芸能家・家政婦(夫)・配ぜん人・調理士・モデル・マネキン(受付手数料のみ/1件690円・免税事業者は660円・同一求職者につき月3件まで)と、経営管理者・科学技術者・熟練技能者(紹介された職業の年収が700万円を超える場合に限る)に限られます。介護職はいずれにも該当しないため、求職者が手数料を請求されることはありません。もし請求された場合は、都道府県労働局の需給調整事業部門にご相談ください。

転職サイトのデメリットと、その対処法

いい面だけではありません。使う前に知っておいたほうがよい点を3つ挙げます。

連絡の頻度が負担になることがある

登録直後は電話やメールが集中しがちです。事業者側は「早く動ける人」を優先して連絡する傾向があるため、在職中だと対応しきれないこともあります。

対処法:登録時に「連絡はメールのみ」「平日18時以降なら電話可」など、連絡手段と時間帯を最初に指定してください。希望条件を具体的に伝えるほど、条件に合わない求人の連絡は減ります。

担当者との相性は運の要素がある

担当者の経験年数や介護分野への理解度はさまざまです。話が噛み合わない、こちらの希望と違う求人ばかり出てくる、といったことは起こり得ます。

対処法:担当者の変更は、たいていのサービスで受け付けています。遠慮する必要はありません。2回変えても合わないなら、そのサービス自体が自分に向いていない可能性が高いので、別のサービスに切り替えるほうが早いです。

地域によって求人量の差が大きい

「全国対応」と書かれていても、実際の求人は都市部に集中していることがあります。地方在住の場合、登録してから求人がほとんど出てこない、ということが起こります。

対処法:登録前に、自分の通勤圏で絞り込んで求人件数を確認してください。あわせて、地域のハローワークと福祉人材センターも並行して使うと取りこぼしが減ります。前述のとおり全体ではハローワーク経由が19.4%を占めており、依然として有力な経路です。

転職を成功させるための7つのポイント

1. 譲れない条件を3つに絞る

年収、休日、夜勤の有無、通勤時間、人間関係、資格取得の支援——全部は叶いません。優先順位をつけずに探し始めると、判断がぶれて決めきれなくなります。

「絶対に譲れないもの1つ、できれば欲しいもの2つ」まで絞ってから動くと、求人の絞り込みも担当者への伝達も一気に楽になります。

2. 施設の形態から考える

介護職の働き方は、施設の形態でほぼ決まります。特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、有料老人ホーム、グループホーム、訪問介護、デイサービス——夜勤の有無、身体介護の比重、利用者との関わり方はまったく違います。

「介護の仕事が嫌になった」と感じていても、実際にはいまの施設形態が合っていないだけということがあります。職種を変える前に、形態を変える選択肢を検討してみてください。

3. 複数のサービスを併用する

非公開求人はサービスごとに異なります。2〜3社に登録して比べると、求人の幅と担当者の質の両方を比較できます。併用を禁止しているサービスはほとんどありません。

4. 経歴と希望は正直に伝える

経歴を大きく見せても、入職後に見合わない仕事を任されて苦しくなるだけです。ブランクや退職理由も、事実として伝えたほうが適切な求人が出てきます。

5. 見学は必ずする

求人票と面接だけで職場の空気は分かりません。職員同士の会話、利用者への声のかけ方、フロアの落ち着き具合は、実際に立ってみないと見えないものです。

在職中で知られたくない場合は、その旨を伝えれば時間帯や動線を配慮してもらえます。

6. 同じ求人が出続けていないか確認する

同一事業所の求人が常時掲載されている場合、大量採用中か、人が定着していないかのどちらかです。前者なら問題ありませんが、後者なら理由を確認する必要があります。担当者に「この事業所の直近の離職状況」を聞いてみてください。

7. 資格取得を視野に入れる

介護職員初任者研修、介護福祉士実務者研修、介護福祉士、ケアマネジャー(介護支援専門員)。資格は応募できる求人の範囲と賃金の両方に効きます。働きながら取得を支援する事業所もあるため、「いま取れるか」ではなく「どこなら取らせてもらえるか」で選ぶ視点も有効です。

よくある失敗と、防ぎ方

失敗しやすい5つのパターン

  • 想定よりハードだった/人員配置が薄く、休憩が取れない。→ 見学時に職員数とシフトの組み方を確認する
  • 夜勤の回数が聞いていた話と違う/「月4回程度」が繁忙期は6回になる。→ 上限を数字で確認し、書面に残す
  • 基本給は上がったのに年収が下がった/前職の夜勤手当・処遇改善手当・賞与が大きかった。→ 基本給ではなく年収ベースで比較する
  • 賞与が求人票より少なかった/記載は前年度実績であることが多い。→ 「実績か、確約か」を必ず聞く
  • 人間関係が合わなかった/求人票では絶対に分からない。→ 見学と、担当者経由での確認を両方使う

5つのうち3つは「求人票の数字の読み方」で防げます。基本給・各種手当・賞与を分けて、年収ベースで前職と比較してください。前掲のとおり公的統計の「平均給与額」ですら一時金を含んでいます。求人票も同じように、何が含まれた数字なのかを毎回確認する必要があります。

以下、それぞれについて具体的に見ていきます。

想定よりハードだった

最も多い失敗です。同じ「特別養護老人ホームの介護職員」でも、日中に何人の職員が何人の利用者を見ているかで、仕事のきつさはまったく違います。求人票に書かれる人員配置は基準を満たしているという事実にすぎず、実際に現場が回っているかどうかとは別の話です。

とくに注意したいのは、慢性的に欠員が出ている職場です。人が足りないぶんを既存の職員が埋めているため、入職後すぐに戦力として当てにされます。事業所の65.8%が人手不足を感じている以上、程度の差はあれどこにでもある話ですが、限度を超えているかどうかは事前に見分けられます。

防ぎ方:見学時に「日勤帯のフロアに何人立っているか」「休憩は実際に取れているか」「直近1年で何人辞めたか」の3点を確認してください。3つ目は聞きにくければ担当者経由で構いません。答えを渋る職場は、それ自体が情報です。

夜勤の回数が聞いていた話と違う

「夜勤は月4回程度」と言われて入職したが、実際には欠員や繁忙期で6回、7回になる——という食い違いです。「程度」という言葉には幅があり、口頭の説明だけでは後から確認できません。

夜勤は収入に直結する一方、生活リズムへの影響も大きい要素です。増える方向のずれは、給与が上がっても生活が崩れる原因になります。

防ぎ方:「月あたりの上限」を数字で確認し、労働条件通知書に記載してもらってください。あわせて「繁忙期や欠員が出たときはどうなるか」まで踏み込んで聞くと、実態が見えます。

基本給は上がったのに年収が下がった

介護職の給与は、基本給の比重がそれほど大きくありません。前掲の調査でも、平均給与額338,200円に対して基本給等は253,810円で、差の約8万円は一時金や各種手当が占めています。

つまり、基本給が2万円上がっても、夜勤手当・処遇改善手当・資格手当・賞与が前職より低ければ、年収は下がります。転職先の基本給だけを見て判断すると、この落とし穴にはまります。

防ぎ方:前職の源泉徴収票を手元に置き、年収同士で比べてください。そのうえで「基本給」「毎月の固定手当」「夜勤1回あたりの手当額」「賞与の実績」を4つに分けて確認します。

賞与が求人票より少なかった

求人票の「賞与年2回・計4か月分」という記載は、多くの場合前年度の実績です。約束された金額ではありません。業績や加算の取得状況によって変動しますし、初年度は在籍期間に応じて減額されるのが通例です。

防ぎ方:「その数字は実績か確約か」「直近3年の推移」「入職1年目はどう計算されるか」を確認してください。3年分の推移を答えられる職場は、少なくとも情報を開示する姿勢があります。

人間関係が合わなかった

これだけは求人票からは絶対に分かりません。そして介護は、チームで同じ利用者を見る仕事である以上、人間関係が仕事のしやすさを大きく左右します。

ただし「見えない」と諦める必要はありません。職員同士の申し送りの様子、休憩室の空気、利用者への声のかけ方は、30分の見学でもかなり伝わります。前掲のとおり29歳以下の離職率が17.3%と高いことを踏まえると、ここに時間をかける価値は十分あります。

防ぎ方:見学は必須にしてください。加えて、担当者に「前任者はなぜ辞めたか」を確認してもらいます。人間関係が理由の退職が続いている職場は、担当者側も把握していることが多いです。

転職の流れ

登録から入職まで、おおむね次の順で進みます。在職中の場合は2〜3か月みておくと無理がありません。

  1. 登録/介護に特化したサービスを2〜3社
  2. 面談・ヒアリング/譲れない条件と優先順位を伝える
  3. 求人紹介/合わないものは理由を添えて断る
  4. 応募・書類準備/履歴書と職務経歴書
  5. 見学・面接/見学は必ず入れる
  6. 内定・条件交渉・退職手続き/条件は書面で確認する

STEP1 登録する

全職種を扱う総合型のサービスより、介護に特化したサービスのほうが、施設形態ごとの違いを説明できる担当者に当たりやすくなります。特別養護老人ホームと有料老人ホームで何がどう違うのかを、こちらが説明しなければならない相手では、いい求人は出てきません。

登録時の入力は5〜10分程度です。この段階で「連絡はメール中心」「平日夜なら電話可」といった希望を書ける欄があれば、必ず埋めてください。後から言うより効きます。

STEP2 面談・ヒアリングを受ける

電話かオンラインで30分〜1時間ほど。経歴、保有資格、いまの職場の何が不満か、次に何を求めるかを聞かれます。ここでの解像度が、その後に出てくる求人の質をほぼ決めます。

「なんとなく今の職場が嫌」で止まっていると、担当者も絞り込めません。前述のとおり譲れない条件を3つに絞ってから臨むと、話が早く進みます。退職理由をよく思われるように取り繕う必要はありません。事実を伝えたほうが、同じ失敗を繰り返さない求人が出てきます。

STEP3 求人を紹介してもらう

面談から数日以内に、条件に合う求人が提示されます。ここで大事なのは断り方です。「これは違います」だけでなく「通勤時間が30分を超えるので難しい」「夜勤が月5回は多い」と理由を添えて返してください。次に出てくる求人の精度が上がります。

なお介護職の求人が動きやすいのは、年度替わりの前後(1〜4月)と、賞与支給後(7月・12月ごろ)です。急ぎでなければ、この時期を意識すると選択肢が増えます。

STEP4 応募して書類を準備する

履歴書と職務経歴書を用意します。介護職の職務経歴書では、勤務した施設の形態・定員・自分が担当していた業務範囲を書くと伝わりやすくなります。「介護業務全般」だけでは、何ができる人なのかが分かりません。

添削サービスがあるなら使ってください。無料ですし、第三者に読んでもらうだけで伝わり方が変わります。

STEP5 見学・面接を受ける

面接では「志望動機」「これまでの経験」「夜勤や残業への対応」「いつから働けるか」などが聞かれます。同時に、こちらからも質問してください。日勤帯の職員数、夜勤の月あたり上限、教育・研修の中身、直近1年の退職者数。これらを聞くのは失礼ではなく、むしろ真剣に検討している姿勢として受け取られます。

在職中で日程が組みにくい場合は、担当者に調整を任せられます。現職に知られたくない旨も伝えておいてください。

STEP6 内定・条件交渉・退職手続き

内定後に、給与・入職日・夜勤回数・配属先を詰めます。口頭で終わらせず、労働条件通知書で確認してください。ここを曖昧にしたまま入職すると、前掲の「聞いていた話と違う」がそのまま起きます。

現職への退職の申し出は、就業規則の規定に沿って行います。介護は代わりの人がすぐ見つからないことも多いため、余裕をもって伝えるほうが円満に進みます。強く引き留められて話が進まない場合は、担当者に相談してください。在職中の転職活動は、内定を得てから退職を申し出るのが基本です。

よくある質問

無資格・未経験でも転職できますか

可能です。無資格・未経験を対象とした求人は多く、入職後に介護職員初任者研修の取得を支援する事業所もあります。ただし訪問介護は、原則として初任者研修以上の資格が必要です。

40代・50代からでも遅くないですか

前掲のとおり、介護労働者の年齢構成は40歳代27.5%・50歳代28.9%で、この2つが最も厚い層です。60歳代も17.3%います。年齢が理由で選択肢が極端に狭まる業界ではありません。

夜勤なしで働けますか

デイサービス、訪問介護、日勤専従の求人など、夜勤のない働き方はあります。ただし夜勤手当がなくなる分、年収は下がるのが一般的です。年収と生活リズムのどちらを優先するかを決めてから探してください。

ブランクがあっても戻れますか

戻れます。ブランク期間そのものより、制度改正や記録方法の変化に追いつけるかが実務上の論点になります。研修制度が整っている事業所を選ぶと立ち上がりが楽です。

男性でも働けますか

介護労働者に占める男性の割合は22.6%です。女性が多い職場であることは事実ですが、男性の利用者から同性介助を希望されるケースもあり、需要はあります。

すぐ転職するつもりがなくても登録していいですか

問題ありません。その場合は「情報収集の段階である」と最初に伝えてください。伝えておくと連絡の頻度が調整されますし、いい求人が出たときにすぐ動けます。

介護の転職サイトと、一般的な転職サイトの違いは何ですか

扱う求人の範囲と、担当者の知識量が違います。介護に特化したサービスは、施設形態ごとの働き方の違い、資格と業務範囲の対応、加算の取得状況といった業界固有の事情を前提に話ができます。一方、総合型は他業種への転職も含めて検討したい場合に向いています。介護の中で動くなら特化型、業界を出る可能性もあるなら総合型、という使い分けが基本です。

取っておくと有利な資格は何ですか

順に、介護職員初任者研修(入口)、介護福祉士実務者研修、介護福祉士(国家資格)、介護支援専門員(ケアマネジャー)です。実務者研修は訪問介護のサービス提供責任者の要件になり、介護福祉士は資格手当や任される範囲に効きます。実務経験の年数が受験要件になるものがあるため、いま何年目かによって狙える資格が変わります。

年収を上げる方法はありますか

主に4つです。①資格を取って手当を増やす、②夜勤のある職場を選ぶ、③処遇改善加算の上位区分を取得している事業所を選ぶ、④リーダーや管理者などの役職に就く。③は求人票からは読み取りにくいので、担当者に確認してもらうのが確実です。加算の取得率自体は95.5%と高いものの、区分によって配分額は変わります。

転職しやすい時期はいつですか

求人が増えるのは、年度替わりに向けた1〜3月と、賞与支給後に退職者が出る7月・12月ごろです。ただし介護は通年で求人があるため、時期を待つより、条件が整ったときに動くほうが結果的に早いことが多いです。

退職はいつ伝えればよいですか

まず就業規則を確認してください。「1か月前まで」「2か月前まで」といった規定があります。介護は後任の確保に時間がかかることが多いため、規定より少し早めに伝えるほうが円満に進みます。順序としては、内定を得てから退職を申し出るのが基本です。

夜勤の給与は本当に高いのですか

夜勤手当は1回あたりで支給されるため、回数がそのまま収入に反映されます。金額は事業所によって幅があり、求人票に「夜勤手当◯円/回」と明記されていることが多いので、月あたりの回数と掛け合わせて計算してください。ただし夜勤を減らすと年収も下がります。生活リズムと収入のどちらを優先するかを先に決めておくと、求人を絞り込みやすくなります。

迷ったらここ

1社に絞らず、2〜3社に登録して「同じ質問」をぶつける

求人倍率は3.63倍で、選べるだけの求人はあります。難しいのは探すことではなく見分けること。同じ質問を複数の担当者にして、答えが具体的なところを残すのがいちばん早い方法です。

  • 日勤帯のフロアに何人立っているか(人員配置を数字で答えられるか)
  • 夜勤は月に何回が上限か(「程度」で濁さないか)
  • 直近1年で何人辞めたか(渋る職場は、それ自体が答え)
介護職の転職サービスを比較する

まとめ

「介護職は転職しにくい」という感覚は、統計とは一致しません。有効求人倍率は3.63倍で全職業平均の約3.3倍、必要職員数は2040年度に向けて約57万人不足する見通しで、事業所の65.8%が人手不足を感じています。選択肢が少ないのではなく、選び方が難しいというのが実態に近いと考えられます。

そして、29歳以下の離職率が17.3%と高いことが示すのは、入るのは難しくないが、合わないところに入ってしまう人が一定数いるということです。だからこそ、求人票の数字の読み方と、見学を含めた事前確認に時間をかける価値があります。

職種別のサービス比較は 介護職の転職 のページにまとめています。

この記事を書いた人

kawaruzo編集部

編集部

医療・福祉・保育の人材紹介の現場で、求職者の相談を受けてきた編集者が担当しています。求人票に書かれていることと、実際に働いてみて分かることのあいだにある差を、いちばん近くで見てきました。

  • キャリアアドバイザー歴 8年
  • 転職相談・紹介の対応実績 1,500人以上(自社実績/2026年8月時点)
  • 介護・看護師・保育士・栄養士の4分野を担当

記事の数値には必ず出典と公表時点を添えています。確認できない情報は書きません。

このページで使用したデータの出典

  • 厚生労働省「一般職業紹介状況(令和8年3月分及び令和7年度分)」参考統計表(令和8年4月28日公表)/有効求人倍率・求人数・求職者数
  • 厚生労働省「第9期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について」(令和6年7月12日公表)/必要職員数の見通し
  • 厚生労働省「令和6年度 介護従事者処遇状況等調査結果」(調査時点: 令和6年9月)/平均給与額・基本給等・加算取得率
  • 公益財団法人介護労働安定センター「令和7年度 介護労働実態調査」(令和8年7月29日公表)/離職率・採用率・過不足感・年齢構成・性別・就職経路

本記事は編集部が公表資料をもとに作成しています。数値は上記の公表時点のものであり、最新の状況とは異なる場合があります。統計の定義(特に「平均給与額」に一時金が含まれる点)にご注意ください。

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この記事を書いた人

医療・福祉・保育の人材紹介の現場で求職者の相談を受けてきた編集者が担当しています。キャリアアドバイザー歴8年、転職相談・紹介の対応実績1,500人以上(自社実績/2026年8月時点)。介護・看護師・保育士・栄養士の4分野を担当。記事の数値には必ず出典と公表時点を添えています。

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