保育士の転職は、住んでいる場所によって難易度がまったく違います。全国平均の有効求人倍率は2.77倍ですが、都道府県別に見ると栃木県の6.65倍から高知県の1.35倍まで、5倍近い開きがあります。
30秒でわかるまとめ
- 保育士の有効求人倍率は2.77倍、全職種平均の約2.3倍ですこども家庭庁の資料で令和7年7月時点の有効求人は40,579件、有効求職者は14,648人でした
- 保育士の転職しやすさは、住む地域によって大きく変わります有効求人倍率は栃木6.65倍から高知1.35倍まで開きがあり、全国平均を上回るのは14都府県のみでした
- 登録者数と働く人の数には115万人の開きがありました登録者は約185万人、施設等の従事者は約69万人で、資格を持つ人の一部しか現場にいません
- 待機児童が減っても、保育士の求人は高い水準を保っていますこども家庭庁の資料で、配置基準の改善や新しい通園制度により保育士の需要は今後も続くとされています
「保育士は売り手市場」と何度も聞いているのに、自分の周りではそう感じない——その感覚は間違っていません。
全国平均は、あなたの地域の話をしていないからです。
このページでは、こども家庭庁と厚生労働省が公表しているデータをもとに、保育業界の現状を整理します。「待機児童は減っているのに、なぜ求人は減らないのか」という構造も含めて、数値はすべて出典と時点を明記しました。
このページの要点
- 保育士の有効求人倍率は2.77倍(令和7年7月)。全職種平均1.18倍の約2.3倍
- ただし都道府県差が最大約5倍。全国平均を上回るのは14都府県だけ
- 資格登録者は約185万人、実際に社会福祉施設等で働いているのは約69万人
- 待機児童は大幅に減っているのに求人倍率は高いまま。配置基準の改善と新制度が需要を作っている
- 宿舎借り上げ支援(月額上限7.5万円)など、給与以外で生活費が変わる制度がある
数字で見る保育業界の現状
1. 求人は求職者の約2.8倍ある
保育士の有効求人倍率(令和7年7月・全国)
- 保育士……2.77倍(前年同月比 +0.08ポイント)
- 全職種平均……1.18倍(前年同月比 −0.02ポイント)
- 有効求人 40,579件/有効求職者 14,648人
出典: 厚生労働省「職業安定業務統計」をもとにしたこども家庭庁「保育士の有効求人倍率の推移(全国)」(令和7年10月3日付資料)。
全職種の倍率が前年から下がるなかで、保育士は上がっています。採用市場全体が緩んでも保育は逼迫したまま、という状況です。
なお保育士の有効求人倍率は季節変動が大きく、例年1月前後にピークを迎えます。年度替わりに向けた採用が集中するためです。年度ごとのピーク値は3.40倍→3.64倍→3.86倍→2.94倍→2.93倍→3.16倍→3.54倍→3.79倍と推移しており、7月時点の2.77倍は年間で見れば低い側の数字です。求人数だけを見て「今は少ない」と判断しないでください。
2. 転職のしやすさは、住んでいる場所で決まる
保育士の転職を考えるうえで、全国平均はほとんど役に立ちません。地域差が極端だからです。
都道府県別の有効求人倍率(令和7年7月時点・抜粋)
- 高いほう……栃木 6.65倍/広島 5.38倍/福井 5.17倍/東京 4.28倍/愛媛 3.90倍
- 低いほう……高知 1.35倍/秋田 1.38倍/石川 1.79倍/熊本 1.82倍/青森 1.83倍
全国平均(2.77倍)を上回っているのは14都府県のみ。前年同月より上昇したのは29都道府県でした。
出典: 厚生労働省「職業安定業務統計」(こども家庭庁「令和6年及び令和7年における保育士の各都道府県別有効求人倍率等の比較(各年7月時点)」)。
栃木6.65倍と高知1.35倍では、同じ「保育士の転職」でもまったく別の話になります。前者なら園を選べますが、後者では全職種平均(1.18倍)に近く、条件で選ぶ余地は限られます。
ここが保育士の転職でいちばん大事なところです。同じ「2.77倍」を見ても、栃木の人と高知の人ではまったく別の話をしています。
だから最初にやることは、記事を読むことでも登録することでもなく、自分の通勤圏で何件出てくるかを数えること。話はそこからです。
つまり、「保育士は売り手市場」という一般論を自分の地域に当てはめてはいけないということです。転職サイトを使うときも、まず自分の通勤圏で何件出てくるかを確認してから判断してください。
3. 資格を持つ人の多くが、現場にいない
保育士登録者数と従事者数
- 保育士登録者数……約185万人
- 社会福祉施設等の従事者数……約69万人
- 差……約115万人
出典: こども家庭庁「保育人材の確保のための総合的な対策」(令和7年10月29日付資料)。⚠ この「115万人」は全員が働いていないという意味ではありません。認可外保育施設や幼稚園に勤務している人、資格喪失の届出が行われていない人も含まれると注記されています。実際の潜在保育士はこれより少なくなります。
「潜在保育士が115万人」という言い方は正確ではありません。この差には、認可外保育施設や幼稚園で働いている人、資格喪失の届出をしていない人も含まれます。大きい数字ほど、定義を確かめてから受け取ってください。
但し書きを差し引いても、資格を持つ人の相当数が保育所等以外にいることは確かです。国も、この層の再就職・職場復帰の支援を対策の柱に据えています。
転職を考えている方にとって、これは二つの意味を持ちます。ひとつは、ブランクがあっても戻れる制度が用意されていること。もうひとつは、園にとって「経験のある保育士」が貴重だということです。ブランクを引け目に感じる必要はありません。
4. 待機児童は減っているのに、求人は減らない
「待機児童が減ったから保育士は余るのでは」という不安をよく聞きます。しかし公的資料は、そうなっていない理由を明示しています。
待機児童が減っても保育士の需要が続く理由
- 配置基準の改善/同じ子ども数でも、必要な保育士の人数が増える
- 「こども誰でも通園制度」の制度化/就労要件を問わない新しい利用枠が生まれる
出典: こども家庭庁「保育人材の確保のための総合的な対策」。同資料は「待機児童は大幅に減少してきているが、保育士の有効求人倍率は(中略)全職種平均と比べても高い水準となっている中で、配置基準の改善や『こども誰でも通園制度』の制度化に伴い、今後も保育士の確保は必要となる」としています。
子どもの数が減っても、1人の子どもに対して必要な保育士の数が増えれば、必要な保育士の総数は簡単には減りません。ここが介護や看護と違う、保育独特の構造です。
ただし長期的には、地域によって園の統廃合が進む可能性はあります。前述の地域差とあわせて、自分の通勤圏の状況を見ておくことが重要です。
5. 辞める理由は「量」と「時間」
同じ資料は、保育士が退職する理由として仕事量が多いこと、労働時間が長いことを挙げています。あわせて「非効率な事務作業や紙での業務によって、こどもと向き合う時間が取れない」という声も紹介されています。
注目すべきは、退職理由の中心が賃金そのものではなく、業務の量と時間だという点です。国の対策も、ICTの導入補助、保育補助者や保育支援者の雇い上げ支援など、業務負担を減らす方向に重心を置いています。
転職先を選ぶときも、給与だけを比べていては同じ理由で辞めることになります。「持ち帰り仕事があるか」「ICTが入っているか」「保育補助者がいるか」——ここを確認してください。具体的な聞き方は後半で扱います。
転職サイト・転職エージェントを使うメリット
通勤圏の求人量を先に把握できる
前述のとおり地域差が5倍近くあります。自分の地域が「選べる側」なのか「限られる側」なのかで、転職の進め方は変わります。複数のサービスに登録して通勤圏の件数を見れば、その判断が最初にできます。
園の運営方針や雰囲気を事前に聞ける
保育は園ごとに方針が大きく違います。行事の規模、製作物の量、保護者対応の考え方、主任や園長との距離感。同じ「認可保育園の保育士」でも、働き方は園によって別物です。
求人票からは読み取れないこうした点を、園と直接やり取りしている担当者に確認してもらえます。
残業や持ち帰りの実態を代わりに聞いてもらえる
退職理由の中心が業務量と労働時間である以上、ここが最重要の確認事項です。しかし面接で自分から「残業はどれくらいですか」「持ち帰りはありますか」と聞くのは、気が引ける方が多いはずです。
担当者経由なら、応募前の段階で確認できます。答えを渋る園かどうかも含めて、情報になります。
公開されていない求人にアクセスできる
「途中で欠員が出たことを保護者に知られたくない」といった事情から、非公開で募集する園があります。とくに年度途中の募集は非公開になりやすい傾向があります。
求職者は無料で使える
有料職業紹介事業者が求職者から手数料を受け取ることは、職業安定法で原則として禁止されています。転職サイト・エージェントは、採用が決まった際に園側から報酬を受け取る仕組みで運営されています。
根拠: 職業安定法第32条の3第2項・職業安定法施行規則第20条。求職者から手数料を取れるのは、芸能家・家政婦(夫)・配ぜん人・調理士・モデル・マネキン(受付手数料のみ/1件690円・免税事業者は660円・同一求職者につき月3件まで)と、経営管理者・科学技術者・熟練技能者(紹介された職業の年収が700万円を超える場合に限る)に限られます。保育士はいずれにも該当しないため、求職者が手数料を請求されることはありません。もし請求された場合は、都道府県労働局の需給調整事業部門にご相談ください。
転職サイトのデメリットと、その対処法
地域によっては求人がほとんど出ない
保育士は地域差が極端です。倍率が全職種平均に近い県では、民間サービスに登録しても紹介できる園が数えるほど、ということが起こります。
対処法:各都道府県の保育士・保育所支援センターを併用してください。自治体が設置している無料の就職支援窓口で、地域の園とのつながりが強く、営業色もありません。国はこのセンターの機能強化・法制化を進める方針を示しており、今後さらに使いやすくなる見込みです。
連絡が多く感じることがある
登録直後は電話やメールが集中しがちです。保育士は日中に電話へ出られないため、着信だけが積み上がることになります。
対処法:登録時に「連絡はメールのみ」「電話は18時以降」と指定してください。希望条件を具体的に伝えるほど、条件に合わない連絡は減ります。
担当者が保育の実務を知らないことがある
認可・認可外・小規模・企業主導型・認定こども園の違い、乳児クラスと幼児クラスの負荷の差。ここを共有できない担当者だと、こちらが説明する側になります。
対処法:最初の面談で「小規模保育と認可保育園では、何がいちばん違うと思いますか」と聞いてみてください。答えの具体性で判断できます。合わなければ担当者の変更を申し出ます。
転職を成功させるための7つのポイント
1. まず自分の地域の倍率を確認する
選べる地域なのか、限られる地域なのか。ここで戦略が変わります。倍率が低い地域なら、条件を絞りすぎず、通勤圏を少し広げる、園の種別を広げるといった調整が必要になります。
2. 「量」と「時間」を数字で聞く
退職理由の中心がここである以上、避けて通れません。月の残業時間、持ち帰り仕事の有無、休憩が実際に取れているか、書類作成の時間が勤務内に確保されているか。この4つは必ず確認してください。
3. ICTと保育補助者が入っているか見る
指導計画や記録、登降園管理をシステム化している園と、紙で回している園では、事務負担がまったく違います。国も導入費用を補助しています。「何を使っていますか」と聞くだけで、業務改善への姿勢が分かります。
あわせて、清掃や周辺業務を担う保育支援者、保育補助者がいるかも確認してください。
4. 宿舎借り上げ支援の有無を確認する
見落とされがちですが、手取りへの影響が大きい制度です。市区町村が定める月額上限7.5万円までの範囲で、園が借り上げた宿舎を利用できる仕組みがあります(支給期間は採用から5年以内など、条件は自治体により異なります)。
家賃負担が数万円変われば、基本給1〜2万円の差は簡単に逆転します。給与だけを比べていると見落とします。
5. 園の種別を広げて考える
認可保育園、認定こども園、小規模保育、企業主導型保育、院内保育、病児保育、児童発達支援。行事の量、担当する年齢、保護者との距離はそれぞれ違います。「保育の仕事が合わない」のではなく「今の園の形が合わない」だけということは珍しくありません。
6. 見学して、行事と製作物の量を見る
掲示物や製作物の作り込み具合は、そのまま保育士の作業量を表しています。凝った掲示が並んでいる園は、それを誰かが時間をかけて作っています。見学は必ず入れてください。
7. ブランクがあっても支援制度を使う
再就職には、就職準備金の貸付や、未就学児をもつ保育士への保育料の貸付といった支援があります。段階的な職場復帰の仕組みとして、まず保育補助者として働いてから保育士として復帰するという道も用意されています。保育士・保育所支援センターに相談してください。
よくある失敗と、防ぎ方
失敗しやすい5つのパターン
- 持ち帰り仕事が減らなかった/園を変えても書類と製作物の量が同じだった
- 希望と違うクラスの担任になった/乳児希望が幼児クラスに配属
- 手取りが下がった/基本給は上がったが宿舎借り上げが無くなった
- 園の方針が合わなかった/行事重視か子ども主体か、園によって正反対
- 人間関係が閉じていた/小規模なぶん、合わないと逃げ場がない
持ち帰り仕事が減らなかった
いちばん多い失敗です。給与や通勤時間で選び、業務量を確認しないまま移ると、同じ理由で再び辞めることになります。
防ぎ方:「指導計画や連絡帳は勤務時間内に書けているか」「ノンコンタクトタイム(子どもと離れて事務を行う時間)があるか」を確認してください。制度としてあるかだけでなく、実際に取れているかまで聞きます。
希望と違うクラスの担任になった
保育士の採用は園単位で、クラス配属は年度が近づいてから決まることがあります。乳児と幼児では、体への負担も求められる関わり方も違います。
防ぎ方:内定前に「配属クラスは確約されるか」を確認します。確約できない場合は、可能性のある配置をすべて聞き、どれでも受け入れられるかを判断してください。
手取りが下がった
前掲のとおり、宿舎借り上げ支援は月額上限7.5万円と、給与差を簡単に上回ります。前職で使っていた制度が転職先に無ければ、基本給が上がっても手取りは下がります。
防ぎ方:基本給・各種手当・賞与に加えて、宿舎借り上げの有無と自己負担額を必ず確認し、年間の可処分所得で比べてください。
園の方針が合わなかった
行事や一斉活動を重視する園と、子ども主体の遊びを軸にする園では、日々の仕事の中身が変わります。どちらが良いという話ではなく、自分の考えと合うかどうかの問題です。
防ぎ方:見学時に、掲示物・製作物・子どもの過ごし方を見てください。園長に「どんな保育を大事にしていますか」と聞き、その答えが現場の様子と一致しているかを確かめます。
人間関係が閉じていた
保育は少人数の固定メンバーで動くため、人間関係の影響が大きく出ます。とくに小規模園では、合わない相手がいても距離を取りにくくなります。
防ぎ方:見学時の職員同士の会話を見てください。担当者には「直近1年で何人辞めたか」を確認してもらいます。人が入れ替わり続けている園には理由があります。
転職の流れ
- 登録/保育に特化したサービス2〜3社+保育士・保育所支援センター
- 面談・ヒアリング/「何が負担なのか」を分解して伝える
- 求人紹介/園の種別と業務量まで踏み込んで確認する
- 応募・書類準備/担当した年齢と経験を具体的に書く
- 見学・面接/見学は必須。掲示物と職員の様子を見る
- 内定・条件交渉・退職手続き/配属クラスと宿舎制度を書面で確認
STEP1 登録する
保育に特化したサービスを2〜3社。あわせて、お住まいの都道府県の保育士・保育所支援センターにも登録しておきます。地域差が大きい職種なので、民間と公的窓口の併用が効きます。
登録時に連絡手段と時間帯を指定してください。日中は電話に出られないという事情は、先に伝えておくほうが確実です。
STEP2 面談・ヒアリングを受ける
担当した年齢、経験年数、保有資格に加えて、「今の園の何が負担か」を具体的に伝えます。書類の量なのか、行事なのか、人間関係なのか、通勤なのか。ここを分解できているほど、次の園選びの精度が上がります。
希望する園の種別(認可、小規模、こども園など)と、担任を持ちたいかどうかも伝えてください。
STEP3 求人を紹介してもらう
紹介を受けたら、給与より先に業務量まわりを確認してください。残業の実績、持ち帰りの有無、ICTの導入状況、保育補助者の配置、ノンコンタクトタイム。ここに答えられる担当者は、園と実際にやり取りをしています。
断るときは理由を添えます。「行事が多い園は避けたい」と具体的に返すほど、次の紹介が絞られます。
STEP4 応募して書類を準備する
職務経歴書には、担当した年齢・クラスの人数・園の規模と種別・担った役割を書きます。「保育業務全般」だけでは何ができる人か伝わりません。行事の企画、実習生の指導、リーダー経験などがあれば記載してください。
STEP5 見学・面接を受ける
見学は必ず入れてください。保育は空気が仕事に直結します。子どもへの声のかけ方、職員同士のやり取り、掲示物の作り込み具合。30分でもかなり分かります。
面接では、志望動機や保育観に加えて、こちらからも質問します。残業の実績、配属クラスの決まり方、宿舎借り上げの有無、直近1年の退職者数。
STEP6 内定・条件交渉・退職手続き
給与、配属クラス、宿舎借り上げの適用可否と自己負担額、入職日を詰めます。宿舎制度は手取りへの影響が大きいため、口頭ではなく書面で確認してください。
退職の申し出は就業規則に沿って行います。保育は年度単位でクラス担任が決まるため、年度途中の退職は園にも子どもにも影響が大きく、可能であれば年度末に合わせるほうが円満に進みます。内定を得てから退職を申し出るのが基本です。
よくある質問
ブランクがあっても復帰できますか
できます。国は潜在保育士の再就職支援を対策の柱に位置づけており、就職準備金の貸付、未就学児をもつ保育士への保育料の貸付、段階的な職場復帰の支援などが用意されています。まず保育補助者として働き、慣れてから保育士として復帰する道もあります。
保育士資格だけで、どんな職場を選べますか
認可保育園、認定こども園(幼稚園教諭免許との併有が必要な場合あり)、小規模保育、企業主導型保育、事業所内保育、院内保育、病児保育、児童養護施設、乳児院、児童発達支援・放課後等デイサービスなどがあります。夜勤や土日勤務の有無、子どもの年齢層がそれぞれ違います。
年度途中でも転職できますか
できます。欠員補充の求人は年度途中にも出ますし、非公開で募集されることも多い枠です。ただし前述のとおり、担任を持っている場合は年度末に合わせるほうが引き継ぎの負担が小さく済みます。
求人が増えるのはいつですか
保育士の有効求人倍率は例年1月前後にピークを迎えます。4月入職に向けた採用が集中するためです。年度末に動きたい場合は、秋のうちに登録して情報を集めておくと選択肢が広がります。
給与を上げる方法はありますか
主に、①処遇改善の加算がしっかり配分されている法人を選ぶ、②主任・副主任などの役職やキャリアアップ研修の修了による処遇改善を狙う、③宿舎借り上げ支援のある園を選んで可処分所得を増やす、④都市部の求人を検討する(ただし家賃も上がります)、の4つです。③は見落とされがちですが、効果が大きい選択肢です。
40代・50代でも転職できますか
できます。経験のある保育士は園にとって貴重です。ただし体力面から乳児クラスの負担を考慮する必要はあるため、担当したい年齢やクラスの希望は率直に伝えてください。
今の園に知られずに活動できますか
できます。担当者にその旨を伝えれば、見学や面接の日程を配慮してもらえます。ただし保育は地域内の園同士のつながりが強いため、応募先を選ぶ段階でも確認しておくと安心です。
すぐ転職するつもりがなくても登録できますか
できます。「情報収集の段階である」と最初に伝えてください。とくに保育は求人が1月前後に集中するため、早めに登録しておくとピーク時にすぐ動けます。
迷ったらここ
全国平均は捨てて、自分の通勤圏の件数だけを見る
倍率は栃木6.65倍から高知1.35倍まで開いています。あなたに効くのは全国平均ではなく、通勤できる範囲に何件あるかだけ。件数を把握してから、条件を足すか広げるかを決めてください。
- 通勤60分以内で何件出るか(1桁なら、園の種別を広げる前提で動く)
- 持ち帰りと残業は月に何時間か(「ほとんどない」で終わらせない)
- 宿舎借り上げ支援を使えるか(使えれば手取りの計算が変わる)
まとめ
保育士の有効求人倍率は2.77倍で、全職種平均1.18倍の約2.3倍。待機児童が減っても、配置基準の改善と「こども誰でも通園制度」によって需要は続く見通しです。資格を持つ人が現場に戻るための制度も整えられています。
ただし、この全国平均をそのまま自分に当てはめないでください。栃木6.65倍と高知1.35倍では話がまったく違い、全国平均を上回るのは14都府県だけです。まず自分の通勤圏の求人量を確かめること。それが最初の一歩です。
そして、辞める理由の中心は賃金ではなく業務の量と時間でした。給与だけを比べて園を移ると、同じ理由で辞めることになります。残業、持ち帰り、ICT、保育補助者、そして宿舎借り上げ。ここを確認してから決めてください。
職種別のサービス比較は 保育士の転職 のページにまとめています。
この記事を書いた人
編集部
医療・福祉・保育の人材紹介の現場で、求職者の相談を受けてきた編集者が担当しています。求人票に書かれていることと、実際に働いてみて分かることのあいだにある差を、いちばん近くで見てきました。
- キャリアアドバイザー歴 8年
- 転職相談・紹介の対応実績 1,500人以上(自社実績/2026年8月時点)
- 介護・看護師・保育士・栄養士の4分野を担当
記事の数値には必ず出典と公表時点を添えています。確認できない情報は書きません。
このページで使用したデータの出典
- こども家庭庁「保育士の有効求人倍率の推移(全国/東京都)」「令和6年及び令和7年における保育士の各都道府県別有効求人倍率等の比較(各年7月時点)」(令和7年10月3日付資料/出典は厚生労働省「一般職業紹介状況(職業安定業務統計)」)/有効求人倍率・求人数・求職者数・都道府県別比較
- こども家庭庁「保育人材の確保のための総合的な対策」(令和7年10月29日付資料)/保育士登録者数・従事者数・退職理由・支援制度・宿舎借り上げ支援
本記事は編集部が公表資料をもとに作成しています。数値は上記の公表時点のものであり、最新の状況とは異なる場合があります。宿舎借り上げ支援や各種貸付の要件・金額は自治体および実施年度によって異なるため、必ず最新の募集要項をご確認ください。
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